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続く未来の世界 - 2
境界の花畑には、風が優しく吹いていた。
その中で、イリスとノクスは、静かに横たわっている。
意識はもう薄れていた。
その傍らに、エリオネが座っていた。
「……時間ね」
ノクスが、微かに目を開ける。
「……母上、これで……終わりですか?」
エリオネは、頷いた。
「ええ。あなたたちは、もう帰れる」
イリスも、かすかに微笑む。
「一緒には……行けないんだよね」
「……ええ」
エリオネは、イリスの頬をそっと撫でる。
「イリス。あなたは、優しいお姫様だから。これからも国の人を守ってね」
次に、ノクスを見る。
「ノクス。約束を守ってくれてありがとう。これからも、王子様として生きるのよ」
2人の意識が、遠のいていく。
最後に、エリオネは微笑んだ。
「……行ってらっしゃい。私の、誇り」
光が、静かに満ちた。




