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世界のあいだ - 8

レオナルトは、黒い裂け目の縁へと一歩踏み出した。

風も音もなく、ただ闇がそこに広がっていた。

レオナルトの瞳が見開き、声が震えた。


「……ああ。見える……無限だ……」


扉の向こうに広がっていたのは、ひとつの世界ではない。

幾重にも重なった未来……。


滅びなかった国。

衰えない力。

王が、王であり続けられる時間。


「勝てる……」


確信に満ちた笑みが、浮かぶ。


「私は正しかった。この選択こそが、救済だ」


振り返り、双子を見る。


「お前たちも見るがいい。恐れる必要はない」


その瞬間。

カチ、と微かな音が、響いた。

イリスの胸元で、エリオネの部屋で見つけた鍵が、淡く光を放つ。


「……っ」


イリスは、思わず鍵を握りしめた。

それに呼応するように、ノクスの魔力が、脈打つ。

二人の足元に、同じ紋様が重なるように浮かび上がった。


「……来たか」


ノクスが、低く呟く。

鍵が熱を持つと、2人の魔力が絡み合い、1つのなにかになろうとしていた。


「これは……双子の共鳴……」


王の表情が、初めて歪んだ。

鍵が黒い扉へと向けて光を放つと、空間が反転した。

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