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王の子は世界と世界のあいだで鍵となる  作者: 眠瑠
エピソード13:扉を開く前に
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扉を開く前に - 3

「……時間だ」


ノクスがそう告げると、全員頷いた。

ヴェイルの広間には、ノクスを中心に、イリスとリオ以外のメンバーが集まっていた。

王宮へ踏み込めば、戻れない者が出るかもしれない、戦いが始まろうとしている。


「侵入経路をここからだ」


指先で地図をなぞりながら、ノクスは淡々と続ける。


「正門は論外。地下水路は封鎖されている可能性が高い。残るは……西棟のみ」


そこは、かつて、王妃の私室へと繋がっていた場所。

イリスとセラが、以前足を踏み入れた部屋。

エリオネの気配が、未だに残る場所。


「そこに、“扉”がある可能性が高い」


ノクスの説明に、誰か、息を呑む音を立てた。


「陛下は、イリス様とノクス様の力を使って、異界を開こうとしているんですよね」

「あぁ、母上の力を使ってな」


ロイの言葉に、ノクスが続ける。


「絶対に扉は開かせない。そして、終わらせる」


ノクスは顔を上げ、仲間たちを見渡した。


「これは奪還じゃない。戦争だ」


広間には沈黙が流れた。


「ノクス」


それを破ったのは、双子の兄を呼ぶ声だった。

広間の入口には、イリスとリオが立っていた。

その目には、もう迷いはなかった。


「行ける」


イリスの短い言葉。

だが、誰よりも重い言葉。

その言葉に、ノクスは静かに頷いた。


「では――作戦を開始する」

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