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王の子は世界と世界のあいだで鍵となる  作者: 眠瑠
エピソード11:記憶
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記憶 - 7

逃げなければならない。


そう思った瞬間、胸の奥がひりつくように痛んだ。


石造りの廊下は夜気を孕み、足音がやけに大きく響く。

追われている、という自覚が、思考を鋭く研ぎ澄ませていく。


(……見つかれば、終わり)


背後で、かすかな金属音。

誰かが、扉を開けた音。

息を殺し、影に身を滑り込ませる。


(イリス……)


彼女の姿が、一瞬だけ脳裏をよぎった。

エリオネは、ノクスを強く抱きしめ、非常用の通路へと入った。

そこは、使われていない、王宮の裏へと続く逃走経路。

この城にこういう場所があることを、エリオネは知っていた。

背後から、追手の声が聞こえた。

低く、抑えた声。

まだ、私がこの通路に入ったことには気づいていない。

通路の先を進むと、冷たい外気が肌を刺した。

一歩。

もう一歩。

立ち止まれば、心が折れてしまいそうだった。

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