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王の子は世界と世界のあいだで鍵となる  作者: 眠瑠
エピソード11:記憶
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記憶 - 6

遅かった。

回廊に響く複数の足音。

ためらいのない、王の兵の足取り。


(……見つかった)


ノクスとイリスを胸に抱いたまま、エリオネは息を殺す。

赤子の体温が、やけに熱く感じられた。


「エリオネ」


低く確信に満ちた声。

振り返らずとも分かる。

声の主はレオナルトだ。


「その子たちを連れて、どこへ行くつもりだ」


答えず、エリオネは一歩下がる。

その瞬間、兵が動いた。


「……っ!」


反射的に、力が溢れる。

空間が歪み、白い裂け目が生まれかける。


「無駄だ」


レオナルトの冷たい声と同時に、魔力を封じる結界が張られた。

エリオネの膝が床につく。


「もう分かっている。お前の力も、この子たちの意味も」


レオナルトの視線が、双子に向けられる。

エリオネの血の気が引く。


「やめて……!」


必死に抱きしめるが、兵の腕が伸びる。

眠っているはずのノクスが、まるで何かを感じ取ったかのように、ピクリと反応する。


(お願い……)


イリスの体が、腕から引き剥がされた。


「いやぁぁっ!!」


叫び声が、虚しく回廊に響く。


「イリス!!」


小さな泣き声。

遠ざかる、娘。


「安心しろ。王宮で育てる。大切に“使う”」


残されたノクスを、強く抱きしめる。

母の異変を感じたのか、ノクスは目を覚まし、泣き声を上げた。

その瞬間、白い光が2人を包む。


「……結界の中だぞ……出れる訳が……」


そのレオナルトの言葉と共に、2人は溶けるように消えた。

残されたのは、泣き止まないイリスだけだった。

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