表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/45

序章028

 年が明ける。


 大晦日は二人で過ごす。テレビをつけて、年越しの番組を見る。見ているようで見ていない。画面の中で誰かが歌って、誰かが笑って、カウントダウンが始まって、ゼロになる。新年。


 凪と奈々未は特に何もしない。乾杯もしない。お酒は飲まない。奈々未はまだ体を戻している途中だから。凪も飲む気にならない。


 日付が変わった瞬間、奈々未が「あけましておめでとう」と言う。小さな声。いつもの声。


「あけましておめでとう」と凪も言う。


 それだけ。年越しの儀式は、それだけで終わる。去年の正月は、両親がいた。母が作ったおせちがあった。父が一杯だけ日本酒を飲んだ。凪は奈々未を連れて実家に行って、母が奈々未の分のおせちも用意してくれていた。奈々未が「こんなに立派なおせち、初めてです」と言って、母が嬉しそうに笑った。


 今年は何もない。おせちもない。実家もない。両親もいない。二人だけの正月。


 元旦の朝、いつもの寺に行く。初詣。今度は少しだけ人がいる。近所の住人が数組。列はできていない。本堂の前に並ぶ必要もない。


 奈々未は手を合わせる。いつもより少し長い。正月だからか。元旦だからか。新年の祈りがあるのか。


 凪も手を合わせる。今日も言葉は見つからない。でも一つだけ浮かぶ。


 今年は、もう少しましな年になりますように。


 奈々未が去年の暮れに言った言葉。あのとき凪は「なるよ」と答えた。根拠のない呪文。今日もそれを繰り返す。手を合わせながら。なるよ。なりますように。


 手を下ろす。奈々未が手を下ろすのを待つ。奈々未が目を開ける。凪を見る。


「今年もよろしくね」と奈々未は言う。


「よろしく」と凪は言う。


 帰り道、甘酒を売っている屋台がある。小さな屋台。おばあさんが一人で出している。紙コップに甘酒を注いでいる。湯気が立っている。


「飲む?」と凪は聞く。


 奈々未は少し迷ってから「うん」と言う。


 二人分買う。紙コップを手に持つ。温かい。甘い匂い。麹の匂い。冬の空気の中で、甘酒の湯気が白く立ち上る。


 奈々未が一口飲む。「温かい」と言う。


「温かいな」と凪は言う。


 歩きながら飲む。甘い。温かい。正月の味。去年の正月に母が作ってくれたおせちとは違う味。でも正月の味。


 奈々未が甘酒を飲みながら、空を見上げている。元旦の空。青い。冬の青。高い空。雲がない。


「いい天気だね」と奈々未が言う。


 いい天気。それだけの言葉。でも奈々未が空を見上げて「いい天気」と言ったのは、退院してから初めてかもしれない。天気のことを口にする余裕が、少しだけ戻っている。


 一月の半ば、奈々未がNPOに復帰する。


 前日の夜、奈々未は鞄を準備している。テーブルの上に、中身を並べている。手帳。ペンケース。財布。携帯の充電器。飴の袋。ハンカチ。ティッシュ。一つずつ確認して、鞄に入れる。


 凪はソファからそれを見ている。奈々未が鞄を準備する姿を見るのは、久しぶり。退院してから奈々未は毎日家にいた。鞄を持って出かけることがなかった。寺に行くときはコートのポケットに財布を入れるだけだった。


 鞄を準備している奈々未は、少しだけ以前の奈々未に見える。何かの準備をしている奈々未。入院の準備をしていたときとは違う。あのときは生まれてくる子供のための準備だった。今回は、自分が外に出ていくための準備。


「緊張する?」と凪は聞く。


「少し」と奈々未は言う。「久しぶりだから」


「無理しなくていい」


「うん」


 翌朝。凪がいつもより少し早く起きる。台所に行くと、コーヒーが二つ用意されている。凪の分と、奈々未の分。奈々未が自分の分も淹れている。カフェインを控えていたが、今朝は自分の分も。仕事に行く日だから。仕事の朝にはコーヒーを飲む。以前の習慣が、一つ戻っている。


 二人でテーブルに座って、コーヒーを飲む。向かい合って。いつもは凪だけがコーヒーを飲む。今日は二人。二つのカップがテーブルの上にある。湯気が二本立っている。


 凪が先に家を出る。玄関で靴を履く。振り返ると、奈々未が廊下に立っている。まだパジャマ。凪より後に出る。NPOの始業は凪の会社より遅い。


「行ってきます」と凪は言う。


「行ってらっしゃい」と奈々未は言う。


 いつもと同じ。いつもと同じやりとり。でも今日は、この後に奈々未も出ていく。凪が先に出て、奈々未が後から出る。二人とも外へ出ていく。二人とも仕事に行く。当たり前のことが、久しぶりに当たり前として機能する。


 凪はドアを閉める。


 チェーンの音がする。カチャリ。奈々未がチェーンをかけた。年末から続いている。毎朝かけてくれる。その音を聞いてから、凪はエレベーターに向かう。


 その日の夕方、凪は少しだけ早く帰る。奈々未がNPOから帰る時間に合わせて。


 ドアを開ける。台所に灯りがついている。味噌汁の匂い。


「おかえり」と奈々未の声がする。


 いつもと同じ。でも今日の「おかえり」は少し違う。声に張りがある。いつもより少しだけ、声量がある。ほんの少し。


 凪はリビングに入る。奈々未が台所にいる。エプロンをしている。動きが少しだけ速い。以前の奈々未の動きに、少しだけ近い。


「どうだった」と凪は聞く。


 いつもは凪が聞かれる側。「どうだった」と奈々未に聞かれて、「普通だった」と答える。今日は逆。凪が聞く側。


 奈々未は少し止まる。手を止めて、凪を見る。


「子供たちが覚えていてくれた」と奈々未は言う。


「覚えてた?」


「うん。一人の子が、私の顔を見て走ってきた。『ななみせんせい、おひさしぶりです』って」


 おひさしぶりです。施設の子供がそう言った。奈々未のことを覚えていた。名前を覚えていた。走ってきた。


 奈々未の目が、少しだけ潤んでいる。泣いているのではない。泣きそうなのでもない。ただ、目の表面に水分がある。感情が目に来ている。嬉しさが。


「よかったな」と凪は言う。


「うん」と奈々未は言う。「よかった」


 その夜、奈々未は少しだけ多く話す。施設の子供たちのこと。誰がどれだけ大きくなったか。誰が新しく入ったか。職員の誰がどう変わったか。奈々未がいない間に何があったか。


 凪は聞いている。奈々未が話すのを聞いている。相槌を打ちながら。ときどき質問をしながら。


 奈々未が話している間、凪は奈々未の顔を見ている。輪郭が、少しだけ戻っている。声に少しだけ張りがある。手が動いている。話しながら、お茶のカップを持ったり置いたり、手帳を開いたり閉じたり、無意識に手を動かしている。以前の奈々未がそうだった。話しながら手が動く人間。退院してからしばらく、手が止まっていた。動かなくなっていた。テーブルの上に伏せたまま、動かない手。


 今夜は動いている。


 奈々未が仕事に復帰し、二週間が経つ。


 毎日ではない。週に三日。月曜と水曜と金曜。それ以外の日は家にいる。医師と相談して決めた頻度。いきなり毎日は体に負担がかかる。少しずつ増やしていく。


 通い始めてから、奈々未の生活に時間割ができる。月曜はNPO。火曜は家。水曜はNPO。木曜は家。金曜はNPO。土曜は寺。日曜は家。


 時間割があると、日が形を持つ。形があると、空白が減る。空白が減ると、考えすぎる時間が減る。


 凪はそれを見ている。奈々未の生活に形が戻っていくのを。


 NPOに行った日の夜、奈々未は少しだけ多く話す。子供たちのこと。


「今日、六歳の女の子が絵を描いてくれた」


「何の絵」


「家族の絵だって。でもその子に家族はいないの。だから想像の家族」


 奈々未はそう言って少し黙る。子供が想像で描いた家族の絵。いない家族の絵。奈々未にはその子の気持ちがわかる。奈々未も施設にいた。奈々未も家族がいなかった。奈々未も家族の絵を描いたことがあるのだろうか。


 凪は聞かない。聞かなくてもいい。奈々未がその子の絵を見て何を感じたか、凪には全部はわからない。でも一部はわかる。


「その子に何て言った?」と凪は聞く。


「上手だねって言った」と奈々未は答える。「それから、この家族はどんな家族なの、って聞いた」


「何て答えた?」


「みんなで夕ご飯を食べてるんだよ、って。テーブルの上にハンバーグがあるの。大きいハンバーグ」


 凪は少し笑う。大きいハンバーグ。子供が想像する家族の夕食に、大きなハンバーグがある。


「いいな」と凪は言う。


「うん。いいよね」と奈々未は言う。少し笑う。口角が上がる。今日の笑いは、少しだけ以前に近い。体が先に笑って、心がそれについている。順番が戻りかけている。


 戻りかけている。でも完全には戻っていない。


 NPOに行かない日——火曜と木曜——の奈々未は、まだ少し違う。家にいる日は、やることが少ない。掃除をする。洗濯をする。夕食の準備をする。でもそれが終わると、空白の時間がある。空白の時間に、考えてしまう。


 凪が帰ったとき、火曜と木曜の奈々未の顔は、月曜や水曜の奈々未の顔と、少しだけ違う。NPOに行った日のほうが、目の奥の光が手前にある。家にいた日のほうが、少し奥に引っ込んでいる。


 その差を、凪は毎日見ている。


 ある日、NPOから帰った奈々未が「今日、抱っこした」と言う。


「赤ちゃんを?」


「うん。二ヶ月の子。新しく入った子」


 凪は少し身構える。赤ちゃんを抱っこした。奈々未が。退院してから初めて。


「大丈夫だったか」と凪は聞く。


 奈々未は少し考える。


「大丈夫だった」と奈々未は言う。「でも、少しだけ泣きそうになった」


「泣いたか」


「泣かなかった。我慢した。子供の前では泣きたくないから」


 子供の前では泣かない。施設の子供たちの前では。あの子供たちには、泣いている大人を見せたくない。あの子供たちは、大人が泣くと不安になるから。自分が悪いことをしたのかと思うから。だから泣かない。


「その子、軽かった」と奈々未は続ける。「二ヶ月だから。五キロくらい。すごく軽いの」


「温かかった」と奈々未は言う。声が少し変わる。少しだけ震えている。でも泣いていない。「体温が高いの、赤ちゃんって。大人よりずっと温かい」


 凪は何も言わない。聞いている。


「抱っこしてたら、寝ちゃった」と奈々未は言う。「腕の中で。すーって。寝息が小さくて」


 凪はしばらく黙っている。奈々未も黙る。


 二人の間に沈黙がある。でも重い沈黙ではない。軽くもない。ただ、そこにある沈黙。


「また明日も行く?」と凪は聞く。


「明日は家の日」と奈々未は言う。「明後日行く」


「そうか」


「うん。明後日もあの子がいると思う」


 奈々未は赤ちゃんのことを「あの子」と呼んでいる。名前を知っているだろう。でも今夜は名前で呼ばなかった。なぜか。凪にはわからない。


 二月に入る。


 冬が少しずつ緩み始める。まだ寒い。コートは手放せない。でも日差しに温かさが混じる日が出てくる。十二月の日差しとは違う。少しだけ柔らかい。少しだけ近い。


 凪の仕事は変わっていない。久保の下で書類を出して、差し戻されて、修正する。その繰り返し。でも凪の中で、何かが少しだけ変わっている。久保の言葉が、以前ほど深く刺さらなくなっている。鈍くなったのとは少し違う。鈍くなったのではなく、帰る場所が確かになったから。夜帰れば、奈々未がいる。奈々未の「おかえり」がある。その「おかえり」が少しだけ元気になっている。少しだけ声に張りがある。


 帰る場所が確かだと、昼の痛みが少しだけ軽くなる。少しだけ。


 岡田は変わらない。昼食を一緒に食べる。凪が「奈々未が仕事に復帰した」と言うと、岡田は「そうか。よかったな」と言う。短い。でもその「よかったな」は本当に思って言っている声。凪にはわかる。


 ある週末、二人でいつもの寺に行った帰り、奈々未が「少し歩こう」と言う。


 いつもは寺から真っ直ぐ帰る。今日は「少し歩こう」と。凪は「ああ」と答える。


 住宅街を歩く。いつもと違う道。寺の裏手を通って、公園の横を通る。小さな公園。遊具が二つか三つ。ブランコ。滑り台。砂場。誰もいない。二月の土曜日の午前中。寒いから子供たちはまだ出てきていない。


 奈々未が公園の柵の前で立ち止まる。ブランコを見ている。空のブランコ。風に少しだけ揺れている。


「春になったら」と奈々未が言う。


 凪は奈々未を見る。奈々未は公園を見ている。空のブランコを見ている。


「春になったら?」


「ここ、子供たちでいっぱいになるかな」


 ここ。この公園。春になれば暖かくなる。子供たちが出てくる。ブランコに乗る。滑り台を滑る。砂場で何かを作る。春になれば。


 凪は少し考える。奈々未が「春になったら」と未来の話をしている。退院してから、奈々未は未来の話をほとんどしなかった。明日の話はする。来週の話はする。でも「春」のように、少し先の季節の話はしなかった。


 未来の話ができるようになっている。少し先の季節を想像できるようになっている。


「なるだろうな」と凪は言う。「桜が咲く頃には」


「桜」と奈々未は言う。「桜、見たいな」


 桜を見たい。春を見たい。ここではない季節を見たい。今ではない時間を見たい。


 凪はその言葉を、静かに受け取る。


 奈々未が前を向き始めている。未来を見始めている。完全にではない。まだ途中。でも「春」という言葉が奈々未の口から出てきた。冬の中にいる人間が、春のことを口にした。


 二人で公園の前を離れて、また歩き始める。住宅街を通って、商店街を通って、マンションに向かう。


 歩きながら、奈々未が凪の腕に手を添える。腕を組むのではない。コートの袖を、指先で軽くつまんでいる。つまんで歩いている。


 以前は腕を組んでいた。付き合い始めた頃。でもいつからか組まなくなった。凪が聞いたことはない。奈々未も説明したことはない。ただ、自然にそうなった。組まなくなって、でも離れてもいない。袖をつまむ。その距離感。


 凪はそれに気づいている。気づいていて、何も言わない。袖がつままれている感触が、コートの布を通して腕に伝わってくる。


「ね」と奈々未が言う。


「うん?」


「ありがとう」


「何が」


「待っていてくれて」


 凪は少し止まる。足が一瞬止まって、また動く。


 待っていてくれて。奈々未が何を指して言っているのか。この三ヶ月のことか。退院してからの日々のことか。泣いている夜を見守っていたことか。体が戻っていくのを隣で見ていたことか。寺に一緒に行ったことか。NPOに復帰するまで待っていたことか。全部か。


 凪は「待っていた」という自覚がない。待っていたのではなく、ただそこにいた。隣にいた。それだけ。待つという能動的な行為ではなく、いるという受動的な状態。


 でも奈々未にとっては、凪が「いた」ことが「待っていてくれた」ことになる。奈々未が回復するまで、離れないでいてくれた。変わらないでいてくれた。毎朝コーヒーを飲んで、行ってきますと言って、夕方帰ってきて、おかえりを聞いて、手を握って眠った。その繰り返しを続けてくれた。


 それが「待つ」ということなのだろう。


「俺のほうが」と凪は言いかけて、止まる。


「凪くんのほうが?」


「俺のほうがありがとうだ」


「何が」


「いてくれて」


 奈々未は少しだけ歩く速度を落とす。凪の袖をつまんでいる指の力が、少しだけ強くなる。


 二人で歩く。マンションが見えてくる。エントランスの灯りが点いている。


 奈々未が「帰ったらコーヒー淹れるね」と言う。


「砂糖は」と凪は言う。


「一つ」


「足りないな」


 奈々未が少し笑う。口角が上がる。今日は上がってから戻るまでの時間が、少しだけ長い。一秒か二秒。以前のように「すぐ戻る」に近づいている。完全に同じではない。でも近い。


「二つにする?」


「一つでいい」


「じゃあ足りてるでしょ」


「足りてない」


 奈々未はまた笑う。今度は声が少し出る。笑い声。小さな、短い笑い声。声を出して笑ったのは、いつ以来か。退院してから、声を出して笑ったことがあったか。凪は思い出せない。たぶん、今日が初めて。


 マンションに入る。エレベーターに乗る。自分の階で降りる。ドアを開ける。


 家の中に入る。温かい空気。暖房をつけたまま出た。コートを脱ぐ。靴を脱ぐ。


 奈々未が台所に行く。やかんに水を入れる。火をかける。コーヒーの粉を出す。カップを二つ出す。砂糖の瓶を出す。


 凪はリビングのソファに座る。台所から、やかんが沸く音がしている。コーヒーの粉の匂いがしてくる。奈々未が何か言っている。聞こえない。たぶん独り言。前は独り言を言わなかった。独り言が出るということは、頭の中が少し活発になっているということ。


 リビングの隅に、紙袋がまだある。ベビー服とおむつ。三ヶ月前から同じ場所に。


 奈々未がコーヒーを持ってくる。凪の前に置く。砂糖入り。


 凪は一口飲む。甘い。温かい。


 窓の外に、二月の空がある。冬の空。でも十二月の空とは少し違う。少しだけ明るい。少しだけ柔らかい。


 春はまだ来ていない。でも来る。来ることがわかっている。それだけで、冬は少しだけ軽くなる。


 奈々未が向かいに座って、自分のコーヒーを飲む。カフェインを控えていた奈々未が、今は自分の分も淹れている。仕事の日だけでなく、休みの日にも。自分のカップに、少しだけミルクを入れて。


 二人でコーヒーを飲んでいる。テーブルの上に、二つのカップ。湯気が二本。


 紙袋はまだそこにある。寺には来週も行く。泣く夜はまだある。笑い方はまだ完全には戻っていない。久保はまだいる。全部、まだある。


 でもコーヒーが二つある。「おかえり」がある。チェーンの音がある。「春になったら」がある。


 足りないものはある。でもあるものも、ある。


 凪はコーヒーを飲み終えて、カップを置く。奈々未がカップを下ろす。目が合う。


 奈々未の目の奥に、光がある。まだ遠い。でも三ヶ月前より近い。少しずつ近くなっている。


 凪はそれを見て、少しだけ口の端を上げる。


 大丈夫かどうかは、まだわからない。でも今日は、奈々未が声を出して笑った。


 それだけで、今日は十分。

明日も20時に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ