086 閑話・合同お食事会
クララです。
女子会楽しいですね!私の一番は、孤児院の夜中の女子会ですが。
この日参加の、エマ、ポーリン、ジュリア、ノアは、みんなとっても生き生きとしていました!
それは、まだクロエたちの日常が当たり前に続いていた頃。
今の二年生が一年の後期期末試験を終えた試験休みの日。
キラキラ会主催で合同お食事会が開催された。
場所はいつもの「風のみち」だが、ルーカス・エリスのコネで、その日は全会議室が借り切られた。
マリィ 「それでは、キラキラ会主催、『今日、好きになります!』を開始します!」
エリス、ルーカス、クロエ パチパチパチ!
クララは女子控え室担当、クロードは男子控え室担当、アンヌとテオは伝令だ。
一人目の女子が入ってきた。エマだ。
マリィ 「最初の女子はーーー? エマだー!」
エリス 「エマは水属性のエリート、魔法能力、学力ともに高水準にあり、後期試験でもベストテン入りが期待されている。出身は北村、卒業後は村に戻るのではなく、市庁保健部、農業部、商業部に就職したいそうです」
クロエ 「キャリア志向なんだね~」
エマ 「私が一番なの?」
「そう」
マリィ 「エマ、今日のコーディネートを説明してね!」
エマは、ブラウスの上にオフホワイトのニットセーターを合わせ、リボンタイを結んでいる。ボトムはグレーのチェックスカートだ。
「えー、キラキラ会を参考にヴァロンティンヌで相談して決めたよ。春だから明るい色にしたんだ」
クロエ 「ヴァロンティンヌさん、お客さんゲットだね!」
マリィ 「そんなエマのタイプを教えてね?」
「市内で暮らせる人が絶対ね。あとは魔法力はそこそこでいいけど、頭がいい人がいいわ。それから優しくて家事に協力的な人じゃなきゃ嫌ね。あと、欲を言えば背が高い人がいいな」
クロエ 「要求多いな~」
マリィ 「ずばり、誰狙いですか?」
「………ルーカス、クロード、エミールが良かったけど、あなたたちに先を越されちゃったのよね~」
「市内組でいうと火属性の男子狙いということ?」
「………でも、火魔法の男子………あんまり頭が良くなさそうなのよね」
二人目の女子はロラだった。
マリィ 「次の女子はーーー? ロラだー!」
エリス 「ロラは土属性、すべての能力がまんべんなくできる。土属性に限れば上位の実力者。出身は東村、土属性の男子と村に戻りたいそうです」
マリィ 「ロラ、今日のコーディネートを説明してね!」
ロラは、フリルのついた大きな襟ぐりのブラウスに、やや大きめのケーブル柄が可愛らしいピンクのニットカーデを合わせている。ボトムは同じくグレーのチェックのスカートだが、エマとはまた印象が異なる。
「たぶん女子はみんなヴァロンティンヌにしたよ。マリィ達の影響が大きいんだよ。実家に婿を連れて帰れるかどうかの瀬戸際だって言ったら、おかあさんがお金を出してくれたんだ」
「そんなロラのタイプを教えてね?」
「東村に来てくれる人。これが絶対条件なの。うちは私と妹の二人姉妹だからね」
クロエ 「Uターン志向か~」
マリィ 「事情は分かったけど、好みも教えて?」
「背の高い人が好みだから、テオがいいなって思ってたんだけど、遅かったね」
「ずばり、誰狙いですか?」
「………見た目ならサミュエルなんだけど、火魔法だと婿には向かないから」
三人目の女子はポーリンだ。
マリィ 「次の女子はーーー? ポーリンだー!」
エマ 「やったー、ポーリンじゃん!」
エリス 「ポーリンは水属性、ロラと同じくポーリンの能力もまんべんなく高いのだけど、今年の水属性のレベルはむちゃくちゃ高い。水属性の中では下位の成績なの。でも、他学年ならみんな文句なしに一位なんだけどね。ちなみに北西村出身です」
マリィ 「ポーリン、今日のコーディネートを説明してね!」
ポーリンは、スリットネックのジャンパースカートだ。インナーには薄手のニットを合わせている。基本はブラウン系のチェックで、両サイドにポケットが付いている。
「エマと一緒で安心したよ。でも、エマもロラもすっごく可愛いね、私のコーデ地味だったかなあ?」
エマ 「そんなことないよ。そのジャンパースカート、ポケットが可愛いね!」
三人でキャッキャッと盛り上がる。
マリィ 「ポーリンは、ずばり、誰狙いですか?」
「アンドレとかいいなって」
一同 「えーーーー!」「あいつバカだよ?」「意外~」
「でも、イケメンだし。やっぱり衛士の家なのが良いよ」
マリィ 「四人目はーーー? ジュリアだーーー!」
ジュリア 「やっほー」
さっそく4人で盛り上がる!お互いのファッションで大騒ぎだ!
マリィ 「ちょっと、ジュリアのコーデを説明してよ!」
「これはねー、モスグリーンのボレロのジャケットにグレーのジャンパースカートを合わせたんだよ!」
「あなたはもっとカジュアルな感じで来ると思ったんだけどね?」
「これはね!男子を釘付けにするための勝負服なんだよ!清楚で攻めるんだよ!」
「ジュリアは、ズバリ、誰狙いですか?」
「アンドレ!」 「え~私とかぶるじゃない」とポーリン
「アンドレはなんかかっこいい。あとバカっぽくて逆に良い。あと家が衛士!」
「なんか、そこもかぶってるし」 ポーリン。
ジュリア 「次は誰だろ?」
マリィ 「次はーーーー? アンドレだー!」
「「きゃーーー!!」」
エリス 「一部界隈では3バカと揶揄されるアンドレですが、れっきとした衛士の家系。体も大きく将来は衛士隊に入りたいそうです」
マリィ 「アンドレの好みのタイプを教えて?」
「え、いやー? 俺は衛士を目指してるから、家を空けることも多いんで。やっぱり家庭的な子かな?あと、一緒にいて疲れない子がいいな」
男子が次々と呼ばれて部屋に入ってくる。
アンドレに続いて、レオ、サミュエル、デニス(以上火属性)、アルバン、マエル(以上土属性)がやってきた。
マリィ 「今日は、女子4人に手料理を作ってきてもらいました!」
男子一同 「うぉーーーー!」
「でも、女子一人あたり二人前しか作ってもらっていません!」
男子 「えぇーーーー?」
「だから、誰のお料理を食べたいか、事前に決めてもらいます!」
男子 「おぉ~~」
クロエ 「では女子はお料理のプレゼンをお願いしまーす。順番はみんなで決めて下さい!」
エマ 「え?誰から行く?」
ジュリア 「はいはーい、私からいってもいい?」
マリィ 「では、ジュリア、どうぞ!」
ジュリア 「あたしは山鳥のコンフィだよ~ 実はね!クロエに教えてもらったの! 時間さえかければ難しくないからって!
試食したけど、お肉がほろほろで、とっても美味しいよ~ みんな~アタシと一緒にごはんを食べよう?」
マリィ 「男子は誰の料理にするか喋っちゃダメだよ~」
ポーリン 「次は私がやるね! 私のお料理はハンバーグだよ! 私もクロエに教えてもらったの!」
男子一同クロエをガン見する。マリィ 「クロエは対象外だからね」
「このハンバーグというお料理はね~ 信じられないくらい美味しいよ! しかもクロエもまだ作ったことのない、チーズインハンバーグなんだよ! ハンバーグを食べてみない?」
エマ 「私はね、ビーフシチューだよ~ これもクロエちゃんから教わったんだ。でもね、結婚したらいろんなお料理を作ってみたいから一緒に作ってくれる人がいいな~ ちなみに中の牛肉は信じられないくらいジューシーだよ~」
最後はロラだ。
「私は、ポークソテーを作ったの。他の子と比べて地味だったかもね。でも、クロエに豚肉を最高に美味しく食べるための低温調理を教わったんだ。ほら、村のごちそうは豚肉だからね。村で実際に食べるお料理でも、こんなに美味しいんだって味わって欲しいの」
男子シンキングタイム
アンドレ 「何食うかなー?腹が鳴るぜ」
レオ 「あのハンバーグってのを食ってみたいな!」
マリィ 「ちょっと!お料理も大事だけど、お料理を作った人を選ぶんだよ?食い意地に負けたらダメだからね?」
クロエ 「そうそう、どの子もすごく頑張ったんだよ?傷つけるようなこといっちゃダメだよ!」
女子ウェイティングタイム
ジュリア 「だれも選んでくれなかったらどうしよう?泣いちゃうよ?」
ロラ 「選ばれないとしたら、きっと私の料理だよ」
エリス 「ロラの意図が分からない奴に料理を食べさせる必要はない。そのときは私が一緒に食べる」
ちなみに控え室や案内係のキラキラ会メンバーも、今はここに集まっている。
キラキラ会の食事は、主役の女子の料理を際立たせるため、今日はパンとスープのみだ。
マリィ 「では、発表です!ジュリアとごはんを食べたい男子!手を挙げて!」
アンドレ、レオ、「「ハイ!」」 ジュリア 「わあ!」
二人はお互いを見る。かぶってしまったか、という顔だ。
マリィ 「あなたたち、自分の言葉でジュリアを誘うのよ?」
アンドレ 「ジュリアとメシ食ったら、すっごく楽しそうだ! 一緒にメシ食べさせてくれ!」
レオ 「そうだね!アンドレより俺の方が楽しい奴だって、きっとわかるよ!」
アンドレ 「なに~?」
ジュリア 「きゃはは」
マリィ 「次はポーリンです。ポーリンと一緒にごはんを食べたい人~?」
サミュエル 「あ、僕です。ポーリンってとっても可愛いなって思ってたけど、コースが違うと話す機会がなくて………今日はポーリンに僕のこと知ってもらいたいし、ポーリンのこと教えて下さい!」 真っ赤になって言う。
ポーリン 「はわわわ」
マリィ 「告白タイムは最後ですよ~ ではエマとごはんを食べたい人は~」
デニス 「はい!エマさん、俺はどうでしょうか?俺は火魔法だし、家は鍛冶職人だから水魔法と相性が良いと思うよ。なにより、エマの賢そうなところに興味があるよ」
エマ 「ふーん」
「あ、だめ?」
「良いと思うわ、一緒にご飯にしましょ?」
マリィ 「ということは?ロラにはアルバン、マエルなのかーーー? やっぱり土属性には土属性かー?」
アルバン 「豚を美味しく食べさせようって、しっかりしてるなって思ったよ。一緒にメシを食べさせてくれ」
マエル 「クラスが一緒だからね。普段話すことがない、実家の話を聞きたいな」
ロラは赤くなって顔を伏せた。 「うん」
それぞれの料理に合わせてセットされたテーブルでお食事&おしゃべりタイムだ。キラキラ会メンバーは、手分けしてお茶を注いだり、パンを足したりと、サーブに徹している。
男子たち、
「「「うめーーー!」」」
「なあなあ、こんなうまい料理毎日食べられんのか?」
「それはあんた達の稼ぎ次第じゃないの?」
「ごちそうはお金だけじゃなくて時間もかかるの。一緒に料理をするなら食べられるわ」
「村でもこんなに柔らかな豚肉は食べたことないぞ、びっくりした」
「ハンバーグの中から、なんかじゅわっと出てきたー!」
キラキラ会メンバーは部屋の隅でこっそり話している。
アンヌ(なあ、アタシも食べたいんだけど)
クララ(アンヌちゃん、今日私たちはみんなのお世話係だよ)
エリス(ロラに二人も行くとは思わなかった)
ルーカス(エリス、余った二食分はどうするんだい?)
エリス(少しずつ切り分けて各テーブルに追加でサーブする。マリィ頼める?)
マリィ(OK!)
食事のあとはゲームタイムだ。
クロエ 「はーい!みんなでゲームをやりたいと思います!」
「では説明します! これからやるゲームは「親指ゲーム」といいます」
ジュリア 「これが噂に聞くやつ!」
一連の説明のあと、5人ずつに分かれて予選をし、残り2~3名になったところで、合体して敗者を決めるのだ。
罰ゲームは恒例の質問タイムとなる。
マリィ 「今回は核心を突く質問はNGね!それは最後だから!」
その間にキラキラ会メンバーは、食事の片付けとお茶の支度だ。
さあ、場が温まったところで、ティータイム&告白タイムだ!
「じゃあ、ジュリア前に出てきて」
普段陽気なジュリアも、この場になればカチコチだ。
「ジュリアに行く男子も前に出てきて!」
アンドレ 「ジュリア、メシうまかった!ありがとう!俺、改めて思った。ジュリアがいい」
レオ 「なんか、わかっちゃったけど、アンドレとは一生の友達だから、すっきりさせとくよ。俺もジュリアが好きだ」
「「よろしくお願いします!!」」 二人はジュリアに手を差し出す。
ジュリア 「まずレオ、アンタ、とっても良い奴だね!あたしが振ってもアンドレと友達続けてくれるんだね?
「ああ!」
「アンドレ!アタシもアンタが良いよ!アタシのこと大事にしてね?」
「俺を選んでくれるのか?」
「うん!でもレオのこと大事にするんだよ。それが条件ね」
そう言うと、ジュリアはアンドレに抱きついた!
アンドレはがしっとジュリアを抱くと、「わかった!俺もお前がいい!」
アンドレは片腕だけレオに伸ばすと、レオと拳を合わせた。
サミュエル 「ポーリンといっぱい話せて良かった。今日だけでポーリンのことずっと好きになりました」
そう言って手を差し出す。
ポーリン 「私も、サミュエルのことかっこいいって思っちゃった」
手で顔を仰ぐ 「あはは………私ったらどうしちゃったんだろ………」 そう言うと、ぽろぽろ涙を流し始めた。
サミュエルはわたわたすると、「ごめん、ダメだからってポーリンのこと悪く思わないから!」
「ちがうの………………私のことよろしくお願いします」 ぺこりと頭を下げる。
「え、いいの?」「うん」そう言って二人は手をつないだ。
他のカップルは成立しなかった。
アンドレとジュリア、サミュエルとポーリンはそれぞれ先に帰ってもらった。
あとは女子会、男子会に分かれて打ち上げだ!
男子会
クロード 「みんなお疲れ様。結果はうまくいかなかったけど、今回の催し物はどうだったかな?」
レオ 「良かったぜ!振られた奴はまた参加してもいいのか?」
ルーカス 「そうだね、今回呼べなかった人が優先だけど、良いんじゃないかな」 にっこり。
みんなやる気に満ちあふれてきた。
そこへ女子がなだれ込む。
マリィ 「どう?立ち直れた?」
エリス 「一回振られたくらいで落ち込むのはダメ。何度でも頑張って」
エマ 「そうよ、デニスも私に認められたかったら、もっと頑張りなさいよね」
デニス 「え?僕、振られたんだよね?」
エマ 「今回は合格できなかっただけよ。婚約なんかそんなに簡単に決められないもの」
「じゃあ、もっと頑張るよ」
ロラ 「私には婚約はまだ早かったみたい。実家も姉妹だけだから、ジュリアやポーリンのようには決められないの。アルバン、マエル、ごめんね?」
合同お食事会はこうして賑やかに幕を閉じた。
何人かの未来が、ほんの少しだけ前へと動き出したのだ。
エリス「エマは男子への要求が高すぎる」
エマ「そんなことないよ。あれくらい普通だって」
「美人なのに、彼氏なし=年齢のキャリアウーマンが生まれそう」
「がーーーん!ラブラブカップルにバカにされた! クララ~私を慰めてよ~」




