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チートなんてない!(連載)  作者: ayane_project


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068 北西村まで

アンヌ「アタシ、村で暮らす方が向いてるかもね」

みんなのドレスやケーキカットも、こちらで描いてます!

https://youtu.be/V3SjtHurQoY

北東村は、村の雰囲気や作付状況は東村と遜色ないように思われた。

唯一の違いは街道沿いでないこと。その点、作物の輸送などでハンディを背負っている。

土魔法師も必要だが風魔法師も必要だと言われた。

私たちの学年ではガストンが村出身だそうだ。

「長男か~」 とロラ。

ガストンも、ロラのこと、長女か~って思ってるかもよ?

このあたりは、流行病の影響が小さかったという。ガストンも4人兄弟姉妹の長男だそうだ。

流通の不便さが、逆にクラスター発生に対する防疫となったのかもしれないね……


北東村を経て北村まで来た。

ぶひん!

お馬さん達は、朝私を見るとマナを催促するようになった。

可愛いヤツらめ!


村長さんと一緒に見知った顔の人が現れた。

「やあやあ、みなさん、お久しぶりですな!

覚えておられますかな?去年の夏に説明役だったアクセルです!」

「みなさんが、わずかの時間でファーティライズまで会得したと聞きましてな、

今日はぜひ私もご一緒にと思って来ましたぞ!」

アクセルさんは土と風のダブルスペラーだ。

北村でも有力者なのだろう。


というわけで、本日の隊列は真ん中にアクセルさんが入った。

「おう、フィルミンさんは見るだけかい?

わしの横に入ったらどうだ?」

「俺は引率なんだが………

まあ、もう皆慣れたから問題ないだろう。お前が入るなら俺も入ってみるか」

ロラ、クララ、ジャンヌ、フィルミンさん、アクセルさん、エミール、クロード、リザの並びになったので、幅を1.5倍の60mに広げて一列になってみた。幅が広くなったから1セットが1,440アールとなる。


4ファーティライズでトランスファーをかけたところ、

「うぉー……なんだこりゃ! 力がみなぎってくるぞ!」 アクセルさん

「見ているのと、実際に受けてみるので、こんなに違うとは…………」 改めて驚くフィルミンさん

この日は10,080アール、つまり100ヘクタールのマナを供給した。


村の広場で夕食となる。

アクセルさん 「信じられんな…………

ちなみにみなさんは、魔法院卒業後の進路はどうするか考えとりますかな?」


クララと私は魔法大学進学、クロードとマリィは商会就職、エミールは衛士隊、ジャンヌは商会か建設課である。

ロラ 「私は東村の長女なので、東村に戻ろうと思ってます」

アクセルさん 「そうか…………」 すごい残念そう。

リザ 「私は西村だから…………北村に嫁げるなら北村でもいい」

アクセルさん 「そうか!西村か!」

フィルミンさん 「しかし西村から有力な土魔法師がいなくなるのはどうかな…………」

「そうだな…………」

マリィ 「それはどういった意味でしょうか?」

…………

リザ 「いけば分かるよ」


夕食の終わりのアクセルさん、

「ファーティライズとトランスファーがこんなに相性がいいとはな………」

まあ、トランスファーを発語する人はあんまりいないし、いても私のようなマナ電池というわけでもないしね。


夜の幌馬車

帆を下ろし、女子8人で寝る。ちょっと狭い。

1台目は、クロード、エミール、テオの3人だ。フィルミンさんは村長宅に泊まる。

村長宅の玄関前に女子の馬車。広場側に男子の馬車を配置する。

アリシア先生が結界を張る。

『風よ、神ヘルメースに信仰を捧げる。我とクロエに悪しきものの気配を届かせ給え、ウォッチ・エネミー』

マリィ

「先生私も練習していいですか」

「やってごらん?」

『風よ、神ヘルメースに信仰を捧げる。我に悪しきものの気配を届かせ給え、ウォッチ・エネミー』

…………

アリシア先生

「成功したようね」

「はい!」


幌馬車に毛布を敷き、4人×2列に寝る。

頭はそれぞれ前後の出口に向け、自分の荷物を枕にする。

上からも毛布をかぶる。

先生・私・クララ・アンヌ

ジャンヌ・リザ・ロラ・マリィ

で川の字になる。

小声でクララ

(クロエちゃんの力、農家の人はみんな喉から手が出るほど欲しそうだよ…………大丈夫かな?)

先生

(長官自らの下で、こうして平等にマナが与えられているうちは、悪さをする奴は出ないと思うけど)

クララ

(でも、ふとしたきっかけで、悪い考えが浮かぶ人が出ないかしら?)

私はクララの目を見て

(でもね。これが私がここに来た理由かもしれないでしょ?)

(……正直、こわいけど…………でも、やらなきゃいけないんじゃないかな?)

…………

(クロエちゃん…………ちょっと変わったね…………)


次の日も8人並びの、1.5倍出力でマナを供給した。

マナ供給は250ヘクタールくらいになった。


「いや~ 本当にありがとうございました」 と村長さん。

「秋の冬耕地や、来年以降も期待してもいいのでしょうか…………?」


「いや、それは市の役員会にかけてみないとな…………

今回は、魔法院の教育内容変更を、かなり強引に押し込んだんだ…………」

村長は是非にとフィルミンさんを拝み倒していたよ。

私個人としては、全然かまわないよ。


それにしても、北村は栄えているね。

北村を抜ける街道は、王都とモデルテ市をつなぐ主要街道だし、現場見学で魔法院の生徒を受け入れるゆとりもある。

実際農地も広かったし、村には職人の家や商店もあった。

粉挽きの水車小屋もあったよ。



次は北西村である。

アンヌがそわそわしている。

テオの村だもんね。


「やっほー サシャかあちゃん、遊びに来たよー!」

「まあまあ、アンヌちゃん、よくきたねえ!」

「元気にしてた?」

テオの実家である。

アンヌすごいなー、ほんとに実家に帰ってきたみたいじゃない?

テオ 「ただいま母さん」

「おかえりテオ

…………あんた、ほんとにいい子をつかまえたね!」

アンヌにみんなを紹介してもらう。

といっても、私、クララ、マリィ、クロードはもう顔なじみである。

「よくきたね、父さん達はもう畑で待ってるよ」

「アタシとテオはかあちゃんの手伝いをするから、マナ補給は任せたよ」

「アンヌちゃん、こっちは大丈夫だから」 とサシャさんが言うと、

「大丈夫、もう四つ目の村だから作業も慣れたからね!アタシやテオの魔法だとかあちゃんの手伝いの方が役に立つんだよ!」

二人ともすっごく嬉しそうだな~


挿絵(By みてみん)


今日のマナ体制は、7人体制だ。

フィルミンさんは今日も列に入るという。

「給金を出すとは言え、休暇中にやってもらってるからな。それに想像以上の効果だし、俺も頑張らんと」

ファーティライズ初心者組に聞いたら、だいぶ魔法も上達したみたい。毎日マナ補給しながら100~200回発語したら、それはうまくなるよね!

幅60m体制でも大丈夫そうなので、北村と同じように立ってみた。

北西村の村長さんもびっくりである。(もう慣れた対応だけど)

フィルミンさんも自慢げだ。(自分の発案だし)


いつものように村の広場で晩ご飯となる。

けど、今日はテオの家族も同席だ。

サシャさんが頑張ってシチューを作ってくれた。

テオのお父さんのガエルさん、上のお兄さんのダレルさん、下のお兄さんのディオンさんで豚をおとして丸焼きにしてくれた。ガエルさんとディオンさんは、種まきを途中で抜けて昼から用意してくれたのだ。

ガエルさん 「上二人は土魔法を授かったんだが、テオは水魔法でな。水魔法だと、村よりも町の方が向いてるだろう?町でやっていけるか心配だったんだが」

サシャさん 「アンヌちゃん、テオと一緒にうちに来たらいいよ。火魔法だからって遠慮することはないからね」

男の子三人だからか、アンヌのことが可愛くって仕方ないみたいだね!

「母さん、火魔法と水魔法なら、やっぱり町で仕事を探さないとダメだよ。

刈り入れの時とかは手伝いに来るからさ」

「テオが忙しいなら、アンヌちゃんだけでもこっちにおいで」

「やだなー母ちゃん、アタシたちもちろん一緒に来るよ!」


上のお兄さんダレルさんは結婚している。

「セリアです」 お腹がおっきいね。

「まだ6ヶ月なのよ」 でも安定期だね。

「あの、健康のためマナをあげてもいいですか?」

アンヌ 「お義姉さん、クロエのマナは絶対健康にいいよ。ぜひ受け取ってみて」

「そう、それならお願いしてみようかしら?」

『お腹の赤ちゃんがすくすく育ち、おかあさんも元気にお産ができますように、トランスファー』

セリアさんはおまじないみたいなものと思ってたみたいだけど…………

「ふわぁ~ 気持ちいい…………体がすごく楽になったわ…………

ありがとう」

今までかけたトランスファーで一番嬉しいかも。


豚をまるごと焼いたので、村人みんなでお祭りのようになってきた。

私は宴会の最後に宴会芸のノリで宣言した。

「みなさーん、トランスファーを発語します。

聞いて下さい!

『ここにいる人みんなが健康で、幸せになりますように!エリア・トランスファー!』

手を空に向かって打ち上げた!

私の手からマナの花火が打ち上がった!


ぱーーーーん!

「「「「おおおお!!!!」」」」

かんぱーい!


「いいぞ!クロエ!」 アンヌ

「やり過ぎだって…………」 クララ

ごめんね、てへぺろ!


北西村はモデルナ市域で最も農業生産量が高いそうだ。

テオによると農奴の数も多く、農奴小屋で自活しているとのこと。

こっそりテオに案内してもらった。

豚肉をひとかたまりもらってきた。モツが中心だけどね。

テオ 「今日は宴会になったから、差し入れを持ってきたよ」

農奴達が争って、言葉もなく、ガツガツと奪い合うように食べる。

みんな肉に飢えているよね。私も孤児院の食事を思い出した。

マナがないとご飯も制限されちゃうんだよね…………マナがないと半人前にさえなっちゃうんだ…………私にも分かるよ。


『みんなのマナが増えて、どうか少しでも健康に幸せに生きられますように、エリア・トランスファー』


エミール 「僕は衛士の家だし、ジャンヌは商家だけど」

ジャンヌ 「そうね。農家だと土魔法は強いって、改めて思ったよ」

エミール 「まあ、2~3年で戦闘魔法や防御魔法も習うからね」

ジャンヌ 「そうそう、防御は土魔法が絶対だから」

エミール 「進路はそれからだね」

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