069 マナと土地
作者です!物語についてChatgptに地図を頼んだら、西村が勝手に果樹が盛んになっていました。
いわれてみれば、マナの設定上いいアイディアかも!
みんなのドレスやケーキカットも、こちらで描いてます!
https://youtu.be/V3SjtHurQoY
私たちは北西村をあとにし、西村に向かった。
北西村の村境まで農道を進むと、そこからはモデルテ市の南西を流れるフィーネ河の河畔へと下っていく。
西村は、農道を下りきったフィーネ河沿いの低地にあった。
フィーネ河に近づくにつれ、河沿いを走る街道が見えてきた。
この街道は、モデルテ市西門を出て西北西に隣市へと続いていく。
村の広場は、私たちが辿ってきた北西村からの農道とモデルテ市からの街道が交わるところにあった。
あー……つまりフィーネ河は河岸段丘を作っているんだね。
北西村から北村、北東村にかけては、丘陵を形成しやや小高い。
そして、東村にむけて緩やかに下っていく感じ。
そう考えると、西村の河川沿いは、少し畑作に向いていないのかもしれない。
土壌は明らかに違うようだ。
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婚約式のあと、後期期末試験の前の時期に、キラキラ会は魔素学の勉強を復活させていた。
ほら、みんなそれまでは魔素学どころじゃなかったし!
魔素学概論の第2章は、魔素の分布だった。
発表者はクララとマリィ
「…………
…………
…………
というわけで、マナの分布には土地の高低や境界門との距離によって、濃度に差があるという研究が上がっています」
クララのまとめだ
私 「マナにも種類があるってことだよね」
クララ 「研究者が地面を掘ってマナを測定したところ、地中深いところにマナが大量にあるらしいと分かったのだけれど、そのマナのあるところに植物を植えても、あまり育たなかったらしいの」
「お日様が当たっても?」
「ええ、しかも、深ければ深いほど植物を育てる性質はないみたいなの」
「何のためにあるマナなんだろうね?」
「私たちのマナ値を計った測定器もそうだけれど、マナ値測定の器具は最近の発明なの。
もっとあちこちで測定しなければはっきりしたことは分からないんじゃないかな?」
マリィ 「このような地中のマナ値測定の結果、農業には、ある程度標高があった方がいいらしいわ。
といっても、数十メートル程度で、あまり高地になっても気温が低くて育ちにくい作物もあるらしいけれど」
クララ 「モデルテ市の周囲には標高が高い土地はないけれど、王国北部の山岳地帯で、空気中のマナを計測した結果も出ているわ。高い山で計測されたマナにも、地中深くのマナと同様の傾向が見られたわ。
ただし、高山ではマナのせいか、気候風土のせいか、原因は評価が難しいって」
マリィ 「境界門の近くでも同様の傾向が見られたそうよ」
アンヌ 「まるでマナが、標高の高いところ、地中の深いところ、境界門のまわりにあって、王国を守っているみたいだな~」
私 「それは言えるかも。
そうすると環境を守るためのマナと、動物の健康を維持したり、作物を育てるマナは性質が異なるのかもしれないね」
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私はひと月前の、そんな会話を思い出した。
西村は、モデルテ市の中で最も境界門に近く、なおかつ低地である…………
フィーネ河はモデルテ市で向きを変え、南へ、そして境界門へと続いている。
(……だから西村は作物が育ちにくいんだ)
西村の中心は、フィーネ河の河畔に面しており、フィーネ河を渡る橋を挟んで両側に点在している。
フィーネ河北岸は、河岸段丘の影響で十分な耕作地を得られないと思われた。
村の広場は橋の西側、北西村からの農道とモデルテ市からの街道が交わるところにあった。
街道はここで橋を渡り、対岸に続いていくが、だんだん境界門との距離が離れていくのだそうだ。
村の活気は、明らかに他の村より低かった。
主要街道に面して総合力のある北村、最大の農業生産力のある北西村との差が甚だしい。
リザ 「クロエちゃん、どうかよろしくお願いします…………」
今日のマナ体制も、フィルミンさんを入れて7人体制だ。
「さあ、総仕上げだ。今日もやるぞ!」
クララとクロードには、魔素学の時の話をして、ファーティライズ・ハイの重ねがけをお願いした。
私のトランスファーも間隔を短くしてみた。みんな思い切り発語してくれたらいい。
夕食は私たち一行だけで簡素な食事にした。
村にあまり負担をかけたくなかったからだ。
夕食のあとで、リザの家族に挨拶に行った。
リザは兄と妹がいたそうだが、流行病で既に他界しているそうだ。
「もう3年たつからね…………
悲しいし、寂しいけれど、うちだけじゃないから…………」
この村では、流行病の影響が大きかったということなのだろう。
リザのうちはご両親と叔父叔母夫婦、そこの男の子二人で農家を営んでいた。
それに農奴が4人一緒に暮らしている。
そこは東村と同じ方式だ。
北村や北西村の農奴が農奴小屋で共同生活を営んでいたのは、そこでの農業が、それだけ農奴の労働力を大規模に活用することができる生産力があることの証でもある。
みんな、リザが一年生にもかかわらず、ファーティライズを発語できるようになったことをとても喜んでいた。
夜中に馬車からこっそり抜けようとしたら、
「護衛対象が危ない真似しちゃダメよ~」 アリシア先生も起きてきた。
「クロエちゃんの考えそうなこと、分かるから」 クララも。
「私もウォッチ・エネミーかけ直すからね」 マリィも。
黙ったまま、みんなで広場の真ん中に移動し、エリア・トランスファー・ハイをかけようとした時、
ふと、補助発語って、ロー、ノーマル、ハイだけなのかな?と疑問に思った。
ゲームのガチャみたいに、スーパーとかウルトラとかつけたらもっと効果が上がらないかな?
(『西村のみんなが幸せになって、土地のマナも増え、作物がいっぱいとれますように、エリア・トランスファー・スーパーハイ』)
打ち上げ花火ならぬ打ち上げマナもサイレントモードだよ!
私のマナは夜の霧のように村に降り注いだのだった。
おやすみなさい。
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西村の作業も終わった。
あとは市に帰るだけだ。
リザ 「やっぱり自分の村で頑張りたい」
マリィ 「気持ちを新たに、だね!」
ロラ 「婚活でリザに負けないようにしないと」
リザ 「やっぱり土魔法師の男子がいいな」
私 「土魔法師って地味な印象があったけど、とんでもないね」
クララ 「クロエちゃんがとんでもないのよ…………」
ジャンヌ 「あの、エミールはもう私のものだからね?」
「分かってるよ」「惜しいことをしたかも」 リザとロラ。
リザ 「みんなありがとう。秋の収穫時もお願いしてもいい?」
ロラ 「私からも」
フィルミンさん 「こりゃ、忙しくなるな!」
私たちは10日の旅を終えて、モデルテ市に戻ってきた。
早くおかあさんに会いたいな。
それに、ヴァロンティンヌ服飾店とのお化粧やドレスの型紙の契約でしょ?
ラ・ターブル・ドールとの鳥肉の卸しと、にわとり情報の確認。
それに明日は28日、さちの誕生日だ!
やることいっぱいだぞー!
ところが西門をくぐり、中央広場までやってくると、なんか広場の雰囲気がおかしい。
市の告知板に人が集まっているようだ。
魔法院の正面玄関前で、簡単な解団式のようなものを終えると、私たちも告知板の前に行ってみた。
内容は、
市民の減少で税収が減ったため、人頭税を見直すというものだった。
――つまり増税である。
リザ 「私は間違っていた。魔法院は男をゲットする場所なのよ」
アリシア先生 「いい考えね!決してミレーヌみたいになってはダメよ~」
私 「そういう先生だって独身じゃない」
アリシア先生 「私はいいの!魔法に人生をかけるから!」
それでいいのかアリシア先生!と思った方は、リアクションを!
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