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チートなんてない!(連載)  作者: ayane_project


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65/70

065 職員会議は荒れる

クロエ「作者さん、読者の方が婚約式の歌を聴いてくれないんです」

作者 「なにが悪かったんだろうね?」

みんなのドレスやケーキカットも、こちらで描いてます!

https://youtu.be/V3SjtHurQoY

3月14日の職員会議は荒れた。

いつもは、3日間の成績の集計と、翌日の成績発表の準備だけの単純な仕事だった。


事実二年生、三年生は滞りなく成績を集計し、発表用の張り紙を作成し、個人成績表をチェックして終わった。

あとは、翌日以降に三年生が寮を退去し、二年生が三年生の部屋へ、一年生が二年生の部屋へ移り、新一年生の受入準備をすれば、一年間の行事も終わるのだったが………


パオロ

「え~、それではこれから、一年生後期の成績確認を行います」

そこには、なぜか市の要職の面々が座っている。

今日は商業部、衛士部の長官も来ていた。

衛士部の長官はヴィクトールである。


担任達もやりにくそうだ。


「まず、マナ基礎値ですが、お手元の資料が成績となります。

試験当日にもご説明しましたが、過去の基礎値を50点とした場合の成績となります。

前期は過去平均の35%増でしたので、50点換算では67点で、前期と同様のアップ率となります。


今回の平均マナ値は、111.6点。約2.2倍という高い数値となります」

フェデリーコ市長 「今の市政にとって朗報だが、さすがに高すぎるのではないのかね?」

アルデリック出納長 「他学年の結果と比較をしたい。二年生、三年生の結果も教えてくれ」

彼はエリスの父親である。娘が高得点を出している手前口を挟みにくいところだが、数字のことになるとやはり口を出さざるを得ない。

パオロは、他学年は例年とほぼ変わらないという結果を示した。

エメリック総務長 「すると今年のみの特殊要因があるということだな。その分析をお願いする」

エメリックもベルナールの父親である。子供の成績が悪いから口を挟んでいると誤解されないよう慎重に話している。


パオロ 「はあ、属性発語訓練の授業中にマナ譲渡を豊富に実施できたことで、このような結果が出たと考えております」

エメリック 「それにしても後期の伸びが異常ではないかね?」

「途中からバルディーニ先生にもエリア・トランスファーでご助力頂きましたし、マナ譲渡する生徒の実力も上がった結果と思われます」

ラファエル保健長 「いや、これは同学年のみに限定していい話ではないですよ!現場でどれだけ魔法師が不足していると思っているのですか!」

パオロ 「確かに、確かに」


そこでバルディーニが発言を求めてきた。

「該当の生徒はマナが豊富ですが、属性発現がないという異例の状況でした。農奴とするのはマナ不足の現状で得策ではないとの判断から、聴講生待遇として入学させました」

みな、初めて聞く話である。

「しかし今回の試験で魔法発現が認められたため、正式に魔法院生徒として編入する手続を取っています」


「従って、来年度からは基本的に他の生徒と同一の授業を受けることになります」

フィルミン農業長 「それはダメだ!マナ供給を減らすなんぞ社会の損失だぞ!」

現場の各長官から同様の反対意見が出る。

「今までうまくいってたんだ。同一学年はやってもかまわないだろう?」

「みんな食いっぱぐれるんだぞ!」

「流行病がはやったらどうするのですか!」

「特別授業で他学年もやればいい!」


そのとき、バルディーニから凄まじい負のマナが発せられた!

「この少女は特別な生い立ちであり、保護者には王都教皇庁と王国自らが名を連ねている」


「従って、市政の立場で、その対応に口を挟むことは許されない」

静かな声だった。だが、誰も逆らえなかった。


パオロは例の命令書を知る立場だ。

「あ~ みなさん穏便にお願いします」

………

………

………

みな、バルディーニの負のマナにあてられ、口を閉じ冷や汗をかいている。


挿絵(By みてみん)


ヴィクトールも事情を知る立場である。

(やれやれ、助け船を出すか)

「ラファエルさんやフィルミンの危機感も分かるが、とりあえず属性魔法も既に高水準にあるんだ。

マナ譲渡の手法も大事だが、今問題なのは、ヒール、キュア、ファーティライズを生徒に学ばせることじゃねえのか?」

みんなクロエの話題から話がそれ、心から安堵したのだった。


ところが今度は属性魔法の教育方針で議論が始まった。

フィルミン 「四月はもう小麦の種まきだ。今からでも農家に派遣してくれ」

パオロ 「いや、生徒も既に春休みの予定を立てているでしょうし、寮の部屋を変更したり、我々教師にもやるべきことが」

「クロードという生徒は既にファーティライズを発語していたじゃないか」

「い、いや、個別に依頼することはできると思いますが」

「臨機応変にいこうや!」

ジュリエット 「建設課も春の長雨前に水路対策が必要です!」

フィルミン 「それは種まきのあとで大丈夫だろう!」

「粘土から成型して建設に回すまでに、一定の時間が必要なんです!」

「それでもメシが優先だ!」

市長 「ファーティライズのあとで建設課に回ってもらうよう、我々で工程を考えましょう。

4月以降の授業では、それを組み込んでもらい、休暇の間については成績発表の公表の時に生徒と個別交渉をするというのはどうですか?」

フィルミン 「………うむ、わかった」


ラファエル 「水魔法の生徒にヒール、キュア、クリーンを教えるカリキュラムも組んでもらわなければ!」

ヴィクトールも黙っていられない 「待ってくれ、2年前期は防御魔法を学ばなければならないんだ。属性魔法の幅が広がるのに、自分の身を守れないのは危険だから、ここでカリキュラムを組んでるんだぞ」

パオロは2年前期の発語訓練を見直すことを約束する羽目になった。


市長 「では、生徒達のマナは十分に伸びているため、一限の神話授業は、当面停止します。

その時間を属性魔法の従来のカリキュラムに当て、二限は各長官からの要望の高い魔法訓練を組み込むことでいいでしょうか?」

誰も異論を唱えなかった。


今度は自由課題である。

「見たことも聞いたこともない魔法が続出したんだぞ!」

「誰が教えたんだ?」

「そもそも評価が可能なのか?教師も使えないんだろう?」

パオロ

「自由課題で新魔法を発語した生徒によりますと、婚約披露式での余興の出し物を考えた際に工夫したとか」

「余興で新魔法ができるのか?」

「家庭で料理をする際に便利な方法を考えたとか………」


市長と各長官は顔を見合わせる………

「ちょっと料理で不便を感じたら、リフリッジレイター?という謎魔法が生まれるの?」

「火魔法がパチパチ火花が出たら、招待客に受けるからというものもあったぞ?」


「「「「「一体誰が考えたんだ?」」」」」


パオロ

「クロエという、例の生徒だそうです………」


みな、むすっと黙り込むバルディーニの顔色をうかがうしかなかった。


________________________________________


後期の成績が発表された。

……いや、今回の私、かなり良かったんじゃないかな?


大教室には成績が1位から順に全員張り出されている。

順位・生徒名・コースーマナ基礎ー属性魔法ー自由課題ー学力結果ー総合成績(600点満点)


01位・クララ・水ーーー200ーーー150ーーー50ーーー196ーーー596

02位・エリス・水ーーー180ーーー150ーーー50ーーー186ーーー566

03位・マリィ・風ーーー170ーーー150ーーー50ーーー186ーーー556

04位・アンヌ・火ーーー200ーーー150ーーー50ーーー142ーーー542

05位・ルーカス・風ーー140ーーー150ーーー50ーーー192ーーー532

06位・クロード・土ーー136ーーー146ーーー50ーーー190ーーー522

07位・ジャンヌ・土ーー125ーーー119ーーー27ーーー167ーーー438

08位・クロエ・風ーーー200ーーー000ーーー32ーーー198ーーー430

09位・テオ・水ーーーー141ーーー146ーーー50ーーー091ーーー428

10位・エミール・土ーー129ーーー119ーーー30ーーー148ーーー426

11位・エマ・水ーーーー125ーーー119ーーー27ーーー153ーーー424

12位・ノエミ・土ーーー109ーーー119ーーー25ーーー167ーーー420

13位・ルイ-ズ・火ーー119ーーー130ーーー22ーーー125ーーー396

………

25位・アーサー・風ーー086ーーー119ーーー30ーーー093ーーー328

………

27位・ベルナール・水ー065ーーー065ーーー13ーーー178ーーー321

………

………

36位・レオ・火ーーーー068ーーー083ーーー24ーーー091ーーー266

37位・アンドレ・火ーー070ーーー076ーーー17ーーー101ーーー264

38位・マティス・火ーー065ーーー083ーーー13ーーー097ーーー258



パオロ先生

「まず、みなさんの成績は極めて優秀な内容でありました………」

声に力がない。


なんか、前期と違ってパオロ先生ったらくたびれてるなー

前期はあんなに喜んで発表してたのに。


「マナ値、属性魔法は従来と比べることもできないほど、高い結果でした。

また、自由課題にも大変前向きに取り組んで頂きました………」


「学力試験の結果も例年以上でした」


「ひとつだけ注意頂きたい点は、今回魔法力の振るわなかったと思っている生徒でも、従来の平均点を超えており、前期の35%アップ以上であったことです。

ですので、腐ったりする必要がないことを申し添えます」



このような講評のあと、


「このあと担任の先生から個別の成績表配布と講評がありますので、順番に呼ばれるまでこの大教室で待機してください。

なお、春休みの活動について、市庁からお話のある生徒がおりますので、担当官がいる場合はそのお話にも耳を傾けるようお願いします」


「成績表を受け取った生徒から、本日は順次解散と致しますが、明日から寮の部屋を入れ替えしますので、その準備をお願いします」


と締めくくった。


________________________________________


成績1位 クララ(596点・水コース)の場合

「失礼致します」 丁寧にお辞儀

「クララちゃん、一年間よく頑張ったわね!」 ミレーヌ先生

「ありがとうございます」

そこになぜかフィルミン農業長が同席している。

「きみは土コースにも所属しているそうだが、ファーティライズは発語できるのかね?」

「はい、できます」

「何!できるのかね!」

「はい……」 と訝る。

「そうか!ちなみに休みの間何か予定があるのかね?」

「いえ、家の掃除くらいですが」

「それは重畳。実は今、春小麦の畑にマナを供給する人員が不足しておってね。給金を出すと言ったら、参加する気はないかね?」

(お父さん達の遺産を増やすチャンスね)

「はい、お誘い頂ければ、ぜひ参加させてください」 と頭を下げる。

「そうかそうか、君は本当に優秀だね!」

フィルミンは、詳しい話は後ほどと機嫌良く言い、土コースのシャンタル先生の部屋へと、急いで去って行った。

「随分急な話ですね」 とクララはミレーヌに問う。

「そうなのよ!実はね!

………

………

………

もう、すっごく長時間だったの。お腹がすいてすいてたまらなかったわ!」

クララはミレーヌから職員会議の愚痴を延々と聞かされるのだった。


成績2位 エリス(566点・水コース)の場合

「失礼致します」 丁寧にお辞儀

「エリスちゃーん、ルーカス君との婚約披露式素敵だったわ~」 ミレーヌ先生

「私のルーカスはいい男」

「く~ なんてうらやまけしからん!

でも、あのドレス、そしてあのキス!」

エリスの頬が赤くなる。

「あ~ 魔法は魔法で面白かったけど、なんで男も捕まえておかなかったのかしら!昔の私!」

「後悔先に立たず」

「く、くやしい~ こんな時は美味しいものを食べないと!

次の女子会の企画を希望します!

先生もお泊まりで参加します!」

エリスは、ミレーヌから寮の引越後に女子会を開くことを約束させられるのだった。


成績3位 マリィ(556点・風コース)の場合

「失礼致します」 丁寧にお辞儀

「そこへ座れ」 バルディーニ

「お前の成績は、後期も問題なかった。マナ値、属性魔法、自由課題と、魔法力のすべてにおいて高得点であり、国語力94点、計算力92点と学力も水準に達している。」

「ありがとうございます」

「ただ、今後商家に嫁ぐのであれば、契約能力で国語力が、売上計算等では計算力が一層求められることだろう。今後とも勉学に励むように」

「ではこれを受け取れ」成績表が渡された。

マリィは、バルディーニから、過去最長の言葉を受け取り、驚愕していた。


成績4位 アンヌ(542点・火コース)の場合

「失礼致します!」 元気に入室

「おう、そこにかけろ」 ガスパール先生

「お前は今回も問題なし。ほれ成績表を受け取れ」

「ありがとうございます!」

「おまえ、婚約披露式に何で俺を呼ばねえんだよ!」

「え~ 女は呼んでも男はちょっと~」

「ヴィクトール先輩、また泣いたんだろ?」

「まあ………」

「そんな面白い見世物、俺に見せないなんて恨むぜ!」

「はあ」

………

………

………

アンヌはガスパールからヴィクトールの若い頃の無茶や、ニナとの馴れそめなどを延々と聞かされるのだった。


成績8位・クロエ(430点・風コース聴講生)の場合

「失礼致します」 おそるおそるお辞儀

「そこへ座れ」 とバルディーニ

「おまえは今回自由課題で、オリジナルトランスファーとオリジナルスリープが認められた」

「はい」

「おまえが聴講生となった理由は、マナ基礎値は高いが、属性魔法が使えないからであった」

「はい」

「今回の試験でこの前提が崩れたため、二年生から魔法院への編入が認められた」

「明日からの寮における部屋の変更に合わせて、神殿から魔法院寮に引越をしなさい」

ぱあっ

気づけば、顔がほころんでいた。

「ありがとうございます!」


「あ、でもアリシア先生や、さちはどうすればいいのかな?」

「ヴィクトール殿の考えではアリシア殿の護衛兼魔法特別授業は継続とのことだ。

魔法をいくつか習得したといっても、攻撃魔法も防御魔法も使えないわけであるし、魔素学の研究上も先達の指導は必要であろう」

「助かります」

「サチについては、身寄りもないし、懇意にしているソフィ殿が預かっても、日中は面倒を見るものがいなくなる。

孤児院で生活することが本人のためではないか?」

「いえ、でも、さちのスキルは、なぜか私と関連しているので………」

………

「サチを夜間寮に宿泊させ昼間は孤児院で預かる方法と、おまえが寮生活を諦め今の生活を継続する選択肢がある」

「よかれと思う方法を選びなさい」

私は前者をお願いした。

その方が、自分にもさちにも良いことに感じたのだ。



「あの………

ソフィおかあさんを代理人として認めて頂いたと聞きました。

ありがとうございます」

「うむ。

おまえにもソフィ殿にも、教会にとっても、おそらくよいことであろう」


「いずれは養子縁組も認めて頂けると伺いました」


「そうだな。

そこはソフィ殿の決意次第だろう………」

その理由を、バルディーニが語ることはなかった。


クロエ「アリシア先生も寮に引っ越してくれるんですか?」

アリシア「そうだよ~24時間体制だからね~」

「楽しみです」

「私もだよ!魔法院の寮か~何年ぶりだろ?昔とおんなじかな~」

昔のアリシア先生が気になる方は、リアクション(ブックマーク・評価)をお願いします(・_・)(._.)

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