新しい年に・・。Ⅳ
バカだ俺は…
「アハハ!、バカか俺は!」
乾いた笑いしか出て来ない、
自分のした事だ誰も恨めない・・。
<如何すんだこれ?明々後日に帰すんだぞ後一日しか無い、何処かに停めて様子見るか?>
コンビニか?何か無かったか?、記憶を辿って居た、元日だスーパーや一般商店は開いてない、商店兼ねたコンビニもどきは在るが、勿論休みさて如何しよう、気ばかり焦るが中々無い。
「ど~おしたのお兄ちゃ~ん♥」
何か何時もと声が違う、背中に冷や汗が出て来た・・。
「一寸コンビニにでもと思ってな、中々無いんだな此れが!」
<早く、早く何か出て来い!>
と思った所に助け船が見えて来る、
赤い看板で白髪、白髭のオジサンが見えて来た!
ラッキー此れだコイツも楽しみにして居た!
今迄こんなに頼もしくオジサンを見た事は無かった・・。
「飯食って行こう、食べるの楽しみにしてたよな!ケンタッキーだぞ!」
だがその返答にどん底に叩き落とされて仕舞った・・、
「ごめんね~、お兄ちゃ~ん怖かった時にちょっとズボン濡らしちゃった♥」
なんてこったい如何すりゃ良いんだ?。
「でも食べたいなぁ~、あたしどうすれば良いの~♥」
まさかこんな痴態を誰にも見せる訳に行かない、選択の余地なし帰宅の一択通過した!
「お兄ちゃ~ん、食べたいよ~♥」
駄々捏ね始めたよ・・・、諦めて引き返した・・・。
「あ・り・が・と・う、お兄ちゃ~ん♥」
もう如何とでも為れ、そう言えば初めてバイクで連込に入ったのもΓだった…。
降ろす訳に行かない、無理を承知でドライブスルーに入る、此処でも話題を提供して仕舞う。
「お客様、中にて注文頂けますが?、宜しいのですか?」
声に戸惑いが現れていた・・。
「嗚呼、構わないよ、〇セット二つお願いします。」
「受け取り窓口迄、おくるじゃ無かった、バイクをお進め下さい。」
明らかに向こうも動揺して居た・・、
暫くは話題に事欠かないだろう・・。
受け取り、支払いを済ませて一路自宅へ向かう。
<冷めちまうかな?、コイツも風邪引かないか?先ずは風呂だ!>
そんな事が頭を過って居た。
怖がらせないギリギリの速度で走り切り自宅へ到着、降りた姿に愕然とした。
<途中で停まらずに正解だった、確かに是じゃ降ろせない>
ハッキリ判る程度に為って居た。
「ほら直ぐに家に入れ、そんな姿を誰にも見せられないぞ!」
「お兄ちゃんは見ても良いんだ♥」
駄目だコイツ頭のネジが飛んでやがる、
早く正気に戻れよ!
荷物を引っ手繰る様に家に放り込み、
直ぐに風呂に湯を張り始め、
暖房のスイッチ入れた。
「直ぐに風呂に入るから、汚れた服を脱いで置けよ!」
そう言ったんだが・・。
「え~っ可愛い妹なんだから脱がせてくれるんじゃ無いの~」
<ダメだ、コイツ完全にポンコツに為ってる、眼も潤んでいやがる・・>
ため息だけが出た・・。
電子音のチャイムが鳴り風呂が沸いた。
「ほ~ら、風呂入って来い、その間に洗って置くから」
未だ其の格好の侭だった。
「いっしょに入ろう、脱がせてよ~、お兄ちゃん」
今日やって仕舞った事の後悔が怒涛の勢いで襲って来て居た、
<何処に落とし処が在るんだ?、此の結末の答えは・・、如何なるんだよ?>
「嗚呼、判った、判った一緒に入れば良いんだろう?」
もう投げやりだった。
「ほら脱いで、上着!、ズボン!、洗濯機に入れて漬けて置くから後も早く脱いじまえ!」
「や~だ、まだ残ってる~、あたしぬげないの~」
<勘弁してくれよ、下着迄かよ裸で風呂に飛び込んで来るのとは訳が違うんだぞ、男が下着脱がすのは事の最中に脱がす時位しか無いだろう、妹が全く違う者に見えて来る、不味いぞ是!>
「は~や~く~♥」
催促が掛かった・・。
<もう如何とでも為れ!>
下着を脱がせに掛かる。
「腕を上げてくれ!」
ブラを脱がせた、
「ほら、脚を上げて!」
下も脱がせに掛かる、
「ほら、左脚も!」
完全に別人に見えた、何故だ?、何度か見てるだろうに・・。
眼に入らぬように洗濯機に放り込んだ。
<コイツ完全にスイッチ入って居やがる、限界の恐怖に耐えたは良いが、其れから一気に解放されてイッチマッテやがる、此の儘無事に済むのか?考えが取っ散らかって答えが見出せない>
「お兄ちゃ~ん、寒いよ~早くあっためてよ~♥」
「そうだな寒いよな、直ぐに温まろうな!」
手を引き風呂へ進んだ。
<もう如何とでも為れ、もうこうなったら為る様にしか為らない・・>
考えるのを放棄した・・・。
「温まろうな。」
そう言い湯温を確かめ、何時もの様に肩からお湯をかけ始めた。
「温かいね、今日はありがとうお兄ちゃん、あたしを守ってくれて。」
「嗚呼、でも大した事じゃないさ、当たり前の事をしただけだ。」
「それでも、普通できる事じゃ無いし、簡単な事じゃ無いんだよ?」
湯を浴びた事で多少正気に戻って来たのか?
受け答えが通常に戻って来たている・・。
「あたしここに来て良かった、昔は小さかったから可愛がってくれたのかな?そう思ってた!」
「そんな事は無いぞ、幾つに為ってもお前は俺の妹だからな、此のバトンを受け取って呉れる者が出て来るか、俺が守るべき相手が出来る迄、その役目は変わらないからな…。」
そう言い終わると振り返り、何とも言えない表情をして此方を見ていた。
「しょうが無いだろう、判って居ると思うが俺ら家族には他に頼れる親族は無いんだから、今家族を守ってやれるのは、俺達家族同士しか居ないんだ、まさか爺さん婆さんに頼れんだろう?」
前を向き直し、小さく頷いた様だ。
「お兄ちゃん、今日も頭洗ってくれる?」
是だけは何時もと変わらないのか…、
「嗚呼、分かった。」
多少落ち着いて来たのか?、
でも毎日髪って洗う物なのか?。
アイツらはこんなに頻繁に洗って無かった気がする、傷むからって言ってた気がするんだが?
学習出来無い大馬鹿者だ!




