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カッペが遂に大都市東京を走る?  作者: カビゴンと一緒


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今まで通りの妹

全ての選択を間違えたんだ…

「いってらっしゃ~い、気を付けてね~っ!」

 今日も見送って貰い本社へ向かう、誰かに見送って貰うのは良い物だ。

 無事に帰る事を待って居る者が居る、有難いと本当にそう思う。



 昨日の話の続きの決着は、例の二人があの様に為って仕舞ったかも聞かせて上げた、

 風雅の望むその先に真面な未来が無い事、家族までをも裏切って仕舞う事に為る事を。


 多分、久しぶりに会った事で家族を好きな事と、人を愛する事が混同してしまって居る筈、

 頭から否定して仕舞うと、逆に意固地に為って仕舞い悪い方へ傾くのは目に見えている。



 今後は勤務シフトを連絡して上げる事、

 寂しくても嬉しい事が有っても、

 勿論何も無くても良いから、

 声を聴きたくなったら何時でも電話掛けて来いと。


 此れで元の仲の良い兄妹に戻れる筈。


 今は冷却時間が必要な筈だ将来の事を見据え、

 高校卒業までに成りたい物を探し進路を考える事、

 そこで今回の件は一旦決着が着いた、

 今は時間が必用だ何れ良い方向へ向うと思う。



 併せて簡単に躰を許す事をしない約束もして呉れた、

 もう誰も悲しむ顔は見たくない。

 此れで漸く俺は兄の面目果たせたかな、

 妹は可愛い妹の儘で居て欲しいそう思う。



 そして乗務の間で秋葉に立ち寄り或るものを購入した、上野の受け取り業務の途中である。

 時間が十分有るのを確認の上だ、そう約束を守れる様に。


 ただ計算違いも在ったのだが・・。


 其の後は官庁街の巡回コース、官邸への記事、最後は大久保での火災現場のピックアップ、

 近場で終わり市街地の渋滞位で乗務は<RZ>のみ。



 最後は締めギリギリで新宿付近の大渋滞抜ける、<RZ>の本領発揮あれだけ混まれると小回り利かぬ<Γ>じゃ流石に辛い、市街地王者キングの名は伊達じゃない、追って来れる者も居ない筈。


 ミラーを内に倒し渋滞に飛び込んで行く、幅が足りねばフロント沈ませミラーを潜くぐり交して行く、客を拾うのに好きに動くTAXIの動きを先読みし右、左と交し続ける。


 車の動きと併せて歩道に立ち手を上げる者を見付けて行く、此れが出来ねば我先に突っ込んで行くTAXIの開くドアと心中に為る。


 麹町を抜け後は<何方どちらだ>時間と前方内堀へ入る車両数から<内回りか外回りか?>左折数が頬倍<内回り!>黄色に変わるタイミングで飛び込む。


 竹橋傍の社なら迷わず左折だが、我が本社はシグナルのタイミングでは右折した方が早い。

 距離は少し遠く為るが内堀内回り議事堂前、警視庁前通過このタイミングなら<ノンストップで行ける!>読み通り赤から青に変わって行く。


 残り五分で手渡せ是で本日の乗務は無事終了。



「お先に失礼します!」

 後は無事に帰るだけ、今日はツンデレ娘に接触無し帰宅もまた<RZ>信じて居る訳では無いが、「留守番頼むな」とタンクを撫で一声かけて社を後にした。


 この時間は平井大橋でネズミ捕りさえ気を付ければ特に問題無いだ筈。


 予想通りサイン会場が設けられており、指示速度で敢えて走っていると直前まで煽って居たドイツ車が痺れを切らし抜いて行ったが、サイン会場に招待されて居た。


 何時もの場所に隠れて居る者は無かった、お蔭で特に問題無く帰りつく。



「ただいま、今帰ったよ!」玄関を開けた。

「お帰りなさい♥」ニコニコしながら待って居た。

 此の一言で今日一日の緊張が全て解かれる、此の言葉を聞くために無事に走り続けた。



「それ、なあに?」手に提げていた電気メーカーの紙袋に気付いた様だ。

「嗚呼、後で見せてやるから、楽しみにしてろ。」

「分かった、じゃあご飯にするね!」と言い台所に向かった。


「ご馳走様、今日も美味かった。」

 今日も好物が揃って居た、まあ良く知って居るもんだと感心した、ただ是が続くと重量が嵩みそうで怖いのだが、太ってると迄は言わないが是が続くと間違い無く其方に向かうに間違いない。


「お粗末様、じゃあ片付けるね」と片しに掛かる。

 片付けも終わり、さっそく聞いて来た。

「それ、なあに?」紙袋を指さした。

 此れで不安を少しは改善出来るだろう、先々の事も落ち着いて考えられる筈。


 取り出し、一つを包装を解いた。


「此れで何時でも連絡が付くだろう、安心して呉れ留守電付きだ、居なくても伝言が残る。」

「もう一つは?」と聞いて来たので、

「家に付けてくれ、親父なら直ぐに取り付けられるから。」

 まず自宅に人が居ない事は考え難いが、コイツが居ない時に掛かって来たかと思わない様にするには良い方法だと思う。


「帰りに荷物に為るといけないから、他の荷物と一緒に自宅に送ってやるよ」

「良いよ、持って帰るから。」と言ったのだが。

「帰りの空港迄は如何する、電車で行くか?それとも俺の後ろに乗って行くか?」

「お兄ちゃんの後ろに乗って行く!」即答だ。


「お風呂涌いてるから、一緒に入ろうよ。」

「馬鹿か、昨日の夜に話しただろうが!」と怒ったのだが。

「わかってるよ!、また頭洗って、もうバカな事しないよ約束したから!」

「そうなのか?」

「昔みたいなお兄ちゃんと兄妹の思い出作って、いっぱい持って帰るの♥」



 背中を洗って貰って、頭を洗って上げた。

 本当に昔に戻った様だ、コイツもその心算らしい。

「そう言えば買って来たのは食べたのか?」

 例のクッキーの事である。


「おいしかったよ、最初は変なカッコしてたからびっくりしたけど?」

 昔と同じこんな風に話し言ったっけ、眼の前で体を洗ってんだが…。


「すごく甘かった!、こっちの人ってあんな美味しいの食べてるの?」

「偶にじゃ無いか?、あんなのしょっちゅう食べたら大変な事に為る!」

「そうだよね~!」

「先に上がるから、温まって来いよ?」

「温まってから上がるね!」

 と言って居た。



「もう遅いから俺は寝るぞ、如何する?」と布団に入り聞いてみたが変わらず、

「一緒に寝て良い?」と聞いて来た。

「おいで。」と言うと潜って来る。

「お兄ちゃん、帰りたく無いけど約束したから、あたし帰ってから良く考える!」

「そうしてくれ。」

「あたし今まで通りの妹で居て良いんだよね?」

「あの可愛い妹で居て呉れよ、そうすれば何時でも会って上げられるから。」

「分かった、あたしお兄ちゃんの妹に戻るから・・。」

「それでいい。」

 泣きじゃくる頭を撫で続けていた・・。



 本当に寂しい思いさせて居たんだとツクヅク思ってしまう。

 一度でも帰って居ればこうは為らなかったのだろうか?。


 俺が選択を誤らずに、家族にしたい人が居ると伝えられていれば・・・。


 後の選択で仏心を出さず其れこそ、他の輩と同じ様に接して居れば・・。


 嫌、其々の選択は兎も角、三つ目の選択は何度繰り返しても俺は多分出来ないだろう・・。


 もし別の選択肢を取ったなら、コイツも俺も仲の良い兄妹きょうだいで居れたのか?。

 コイツは俺の帰省を愉しみに待って居る、そんな可愛い妹でいて呉れたのだろうか?。



 今と為っては如何足搔いてもあの場面には戻る事は出来ないのだ・・。


元に戻れたんだろうか?

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