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カッペが遂に大都市東京を走る?  作者: カビゴンと一緒


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見せたくて、そして見たかった姿

その服は…

「如何したんだ其の格好は?」

 目が離せず見入って仕舞い、其れしか言葉が出なかった。

「去年卒業した友達のお姉さんに借りて来た!、汚しちゃダメだよ!」

 懐かしい格好だった、この服だったよな俺の学校の制服は・・。



「来年この制服着るつもりだったけど、今日でおしまいだよ!」ホントに此処に居る心算か?。

「汚すと大変だから、着替えて来るね!、しっかり覚えた?お兄ちゃん忘れないでね!」

 そう言い、次の間へ入って行った。


 <そうか、年が明けたら高校生なんだ、漸く実感できた>



「ご飯食べるよね?、先にお風呂にする?」よく聞くセリフだな他意を感じるのは俺だけか?。

「飯にしてくれるか、.腹が減った!」しかし随分着替えに掛かるな?彼是10分程経って居た。

 借り物だから仕舞うのに気を使ってるのか、其の内台所から音がした、着替え終わった様だ。


「お兄ちゃん、お待たせしました!」

 食事を運んできたのだが、その姿に又固まって仕舞う。

「本当に見て欲しかったのは、こっちなんだよ、お兄ちゃん!」

 眼から涙が零れていた。


「今しかこれ着れないから、今のあたしの制服だから来年はもう着れなくなって仕舞うんだよ、だから見て欲しかった。本当は入学式でこの姿見て欲しかったの、我慢してたのずっと!」

 顔は笑いながらも、大粒零しながら泣いて居た・・。


 <猛烈な罪悪感に襲われた、如何して帰れない事に為ったのか優先順位を何故間違ったのか>


「初夏も。夏も。冬も。帰って来ない、次の夏も。冬も。また夏が来ても会いたい人が来ない」

 悔し泣きした顔のまま、その顔を上げて眼を逸らさずに此方の眼を見つめ続けている。


「だからここまで来たの!、きっとお兄ちゃんは帰って来ない、一度だけでも私の制服姿を見て欲しかった…。」

 掛けて上げる言葉が見つからない、何を掛けて上げても嘘に為って仕舞いそうだったから。



「本当に悪い兄ちゃんだな、こんなに悲しい思いさせてゴメンな…。」其れだけを伝えた…。



「あたし、お兄ちゃんと電話して直ぐ解ったの、きっと帰れない事に為って居るんだって!」

 頭の良い子だと思って居たが、あれだけで解る物なのか?喧嘩した恋人同士でも言うだろう?



「ここで会わなかったら、このままずっと会えなくなってしまうのが分かったから・・。」



「ホントにここまで来て良かったと思ってる、空港でお兄ちゃん見た時に大好きだった頃と違ってた、前は我儘を言うあたしを見て何時も困ったような顔をしたけど、直ぐ笑って呉れたよ?」

「嫌、お前が見えた時可愛いあの頃と違って綺麗に為ってたから俺の妹か?と思っただけだ。」

 小さく頭を振り、此方を見据え寂しそうな表情になった。


「私の知ってる昔の明るい笑い顔じゃなかった、愛想笑いみたいな笑い方だった、きっと悲しい事有ったんだって、直ぐに分ったの。」

 <良く見抜けたな、昔通りに接して居た心算だったのに・・・。>


「最初はあのお手紙見つけて、この人と別れてそうなったんだって思ったの?」



「何でお嫁さんにしなかったのって、其の人なら応援して上げられた、そしてあたしも終らせる事も出来る・・。」発する言葉が変わる度に表情も変わり、寂しそうだった。



「でもそれは違ってた、またお似合いの彼女が出来るよって、言うつもりだった、なんなのよあたしのお兄ちゃんを奪って、壊して、傷つけて、あたしから取り上げて、飽きたらポイ捨て?」



「あたしね、お兄ちゃんが上京した年は寂しかった、次の年は会えないのが悲しかった、去年胸が苦しくて、今年胸が痛くて堪らなく為って…。」



「気付いたの、あたしお兄ちゃんを待ち続けている間に、大好きな家族じゃなくて、一人の男の人として好きに為っていたの!、だから許せないのよ、なぜ私達が辛い思いするの?」



「あたし、ここに居たい!、もう我慢したく無い!、あたしが傍に居たいの、ずっと、ずっと笑って二人で暮らすの!」

「そんな事出来る訳無いだろ、そもそも親父達にどう言うつもりだ!」

 暫く待ったが、答えは帰って来なかった・・。



「直ぐに答えを出す必要無いだろう、もう一度よく考えろよ。自分でも言って居ただろう?高校出たら、就職なり、進学なりで家を出なきゃ行けなくなるだろう?」

「やだ、もう痛くて堪らないの」そう言い胸を押さえていた。

 見て居るのが辛かったが此処で肯定してしまうと、コイツも家族に会えなく為って仕舞う。


「高校出る迄に、もう一度考えろよ。俺ももう一度考えて置くから。」


「その後上京して来ればいいだろ?ここから大学なり職場に通うなら兄妹きょうだいとして胸を張って此処に居られるだろ?、今焦って決めなくても良いんじゃ無いか?」

 とは言ったが此の先如何するか考えないといけない様だ。


「其より飯にして呉れ!、折角美味いもの作ったんだろ?、その後土産も有るから。」

「うん、ご飯にしようね!」

 やっと笑って呉れた、もう一度正面から向き合い話し合う必要が有るな。

 <此の後ゆっくり時間かけて話し合ってみるか、俺も此処で停まってはいけないんだ!>


 眼の前の食卓には好物だけが並んでいる、本当に良く憶えていた物だよ…。



 運ばれた食事を摂りながら何から切り出すかを考えて居た・・。


何処から話をすれば良い?

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