尻に敷かれるとはこういう事?
何で固執するんだ?。
如何した物だろう、
何で此処迄固執するんだ?。
コイツだって良いなと思う男だって居るだろうに、
まあ高校に入れば数倍の人と係わって行くのだし、
今は居ないとしても其の内に出来るんじゃないかな・・、
何だかモヤモヤして一寸嫌なんだが。
明日は仕事だシッカリ寝て明日も安全運転?、違うか!無事故でと言わなきゃ為らないか。
「もう寝よう明日は仕事だ、お前は如何するどこか行きたい所でも有るのか?」
「ここに居るよ、お掃除とお片付け後お正月の用意かな!」
「良いのか?、折角東京まで出て来てるのにつまんないだろ。土産話のネタも無いぞ。」
「別にあたし東京に来た訳じゃ無いよ、たまたま東京に来ただけだから」
首を振った。
「お兄ちゃんがこっちに居たから、たまたま行く先が東京に成っただけだよ。」
「まあ、正月過ぎれば学校も始まるから、其れまでに何処か遊びに行くか?」
<浦安かな?、あそこなら此奴だって楽しめるだろうし、土産話にも困らんだろう?>
「次の休みは浦安に行くか?、随分楽しい所らしいが、みんな言って無かったか?」
「あたし何処にも行きたくない、このお家でずっと一緒に居たい。」
何か嚙み合って無いぞ。
「ねぇ、ホントにここにずっと居ちゃダメ?、何処にも行きたくない、家にも帰りたくない!」
「それは駄目に決まってるだろ!親父たちに心配掛けるだろ!、其れは駄目な事だろ?」
<その眼はやめろ、情が移る。幼少期を思い出し良いと言って仕舞いそうになるから…。>
「それに、俺も何時までも一人身で居る訳にも行かないしな?」
あれ?身震いしたな。
「お前トイレ我慢してるんじゃ無いのか、もしかして昔みたいに暗いと行けないのか?」
キッと睨まれ肩に嚙みつかれた、勿論甘噛み何て物じゃない、コイツ本気で噛みやがった。
「如何してそんな事言うの!、もうあたしそんな子供じゃ無い!」
何かが逆鱗に触れたのか?。
「風雅!今本気で噛んだだろ、痛いってもんじゃ無かったぞ!」
見てみるとしっかり歯形の跡が有る。
「此れどうすんだ?、此れじゃお姉ちゃんと良い事だって出来なく為るだろうが!」
冗談のつもりで言ったんだが、
表情が強張り眼も泳いでいた。
「嘘だよね?、嘘でしょ?、お兄ちゃん嘘だと言ってよ!、やだよどこにも行かないでよ、ずっとあたしと居てよ!」
「一寸待て、一体どうしたんだ?」
「他にも女の人が居るの?、教えてよ?、また帰ってこなくなるの?、もう待ってるのは嫌だよ!」
最後にはしがみついて離れない。
昔から懐いて居たんだが、此の歳に為ってもか?、何時に為ったら兄離れ出来るのやら…。
「もう寝るぞ、明日は9時には出るからな、居眠りで事故など洒落に為らんからな!」
「教えてよ!、どんな人なの?、会わせてよ!」
何でこんなに食下がる?。
「嘘だよ、嘘、誰も居ない、居ないから、いいからもう寝ろ、おやすみ。」
「本当に居ないの?、居ないならあたしじゃダメなの?、あたしずっとお兄ちゃんの妹で居られるの?」
「当たり前だろ、もう寝ろよ!」
背を向け微かに聞こえて居た。
未だ薄暗い中、久しぶりの感覚に眼が覚めた、
でも何か変だ?・・。
今俺の処にその対象になる者は居ない筈だ?
恐る恐る眼を開けその犯人を確認した。
「おはよう、お兄ちゃん眼が覚めた?」
その声を聴き確信した、此れが現実の訳無いな…。
「嗚呼、これは夢なんだ、久しぶりに腕の重み感じてたからこんな夢見ちまうんだ。」
安心して寝直そうとしたところで、強引に現実に引き戻された。
「おはよう!お兄ちゃん!」
最悪な目覚は何度か有った、
が、
今回が生涯の内で一番最悪だろう・・。
「ねぇ、おはよう眼は覚めた?」
俺はなんと答えればいいんだ?・・。
「とりあえず覗き込むのをやめて呉れ!」
「答えてくれるまでやだ!」
気持ちを表すように視界の中に顔が迫って来る。
「判った‼、はっきり目が覚めた!」
遅かった、またやられてしまう・・・。
「さっきもだけど、こうやって起こすの有りかも❤」
「兄妹でしても嬉しくも無いだろ?」
「何で?、お兄ちゃん嬉しく無いの?」
「なっ!」
随分楽しげな様子で指で唇を撫で確認をしてる、
オイオイこれは現実なのか?、
眼の前の光景は現実離れし過ぎてる。
「風雅!、揶揄うのも大概にしろ?」
「揶揄う?」
首をかしげて分からない様だ、直接言わぬと判らんのか?。
「幾ら兄妹って言っても彼氏にバレると大騒ぎだぞ?」
顔が真っ赤に染まった。
「バカな事言わないでよ、彼氏なんか居ないよお兄ちゃん!」
ハィ?、さっきキスしたんだよな?。
「だってお前平気な顔でしてただろ、ならそこ迄の経験が有るって事だろ?」
「バカなこと言わないでよ!、お兄ちゃんが初めてよ‼」
初めてよのフレーズが頭にハンマーで殴られたような衝撃を与え、
そのフレーズが終る事無く木霊していた・・・。
「あたしもう我慢しない、お兄ちゃんを絶対にあたしの物にする、もう絶対泥棒猫には渡さないからね!」
俺って物扱いだったのか?
泥棒猫って事は堤防で釣果を持って行かれるあれか?
そう言えば時々持っていかれたな、
折角釣ったのに。
そうかその持っていかれた魚か、
俺、魚だったんだ、そうだな…、
魚が泳いでる様に走ってるって言われたな…。
「お兄ちゃん、ちゃんと聞いてるの!」
いかん如何して良いか判らないと意識が退行するらしい。
「嘘ついてもダメだからね!本当に今彼女居ない?、良いなと思ってるも人居ないんだよね?」
完全に立場が逆転して居た、尻に敷かれるとはこういう事なのだろうか・・。
「嗚呼、嘘偽りない今は居ないぞ、今はだけどな・・」
有った筈の兄の威厳など無く為って居た。
「ホントだね?、嘘だったら怒るよ!、もう妹の振りするの疲れたのあたし・・・」
遠い目をして、辛そうな顔をしていた・・・・。
「風雅、妹の振りって何だよ?其れとも本気で彼女に成る心算か?」
「なんかオカシイかな?、そうすればお兄ちゃんに近づく奴皆んな退治出来るもん!」
「んな事当たり前だろ、兄妹なんだからよ」
「そうだね…、兄妹ならね…」
でも何かが引っ掛かる、何かがの正体は判らないが・・・。
何か引っ掛かる、何かが…




