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カッペが遂に大都市東京を走る?  作者: カビゴンと一緒


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66/72

なんの為の嘘?

納得が行かない

「多分これが最後に為るから、喰って置きたい物が有るんだ。」

「じゃあ今から行くか、閉店迄は未だ二時間程在る。」

 オタクの奴が<MBX>俺が<GR>で走り出す。



 その店の僅か300m位前、女の子がスクーターの横で途方に暮れてた、公衆電話も其処から遠い場所、見捨てても置けず声を掛けたんだ。

「こんな所で如何したの?」

「エンジンが全然掛からないの、家は遠いし…。」

 泣きだしそうな顔してたんだけど。

「多分直ぐに走れるよ、診て上げるからキー貸して?」

 様子を見て原因も判り直る事伝えると顔を上げて‥。

「あれ?、クマさんだったの?、去年同じクラスだったけど覚えてる?」

 エンジンの修理も終わり、簡単に説明して上げて…。



「・・・・そうしないと又同じ事が起きるから、明日以降で良いから守ってね!」

「解りました、今度会った時にジュース奢るね!ありがとうクマさん!」

 お礼をって言うから今度会った時にジュースで良いよって言ったんだよ、

 そして笑って帰って行ったんだ。


 俺って馬鹿だろ学校の傍まで来た時に遂に思い出したんだ。

 <嗚呼、丸いたい焼き喰ってない!>

 結局其の侭上京し懐かしい思い出の味に、次に帰った時にと思って居たんだけどな…。



「まあそんな事が在ったんだよな、結局丸いたい焼、喰い損ねた儘来ちまったから、今でもそれだけは後悔してる。」

 横で溜息付かれてた。


「言って呉れば幾らでも買ってきてあげたのに、ホントドジだよね!」

「帰れないって困ってたんだ、其処迄気の利く位だったならとっくに彼女が出来てるよ。」

「おバカだねお兄ちゃん、彼女にするチャンスだったかも知れないのに?」


 嫌々と手を振り。

「だってあの頃俺だぞ、何て呼ばれてたか知らないだろう?」

「熊のサーカス!」

 何で知ってる?学校でだけの筈だが?。


「教えてくれたんだよ、名前知らない様だから、そっちは教えといた!結構可愛い人だったよ、勿体無いから帰って来て声掛けて、口説いて彼女にするんだよ!」

「多分帰れないから、会ったら宜しく言って置いて呉れ。」

 寂しそうな眼をしていた。


「さあて、そろそろ出掛けるか。今日は買い物するんだろ?」頷いて立ち上がる。

「そうだね、早くしないと帰るの遅くなるもんね。」とだけ言い家を出た。



「あ~肩が痛い、腰も!」

 兄の威厳を保つ為全部荷物を持って来た。


「お正月の分も有るからね、今日から美味しいご飯だよ!」

 嬉しそうに笑っていた、良かったんだなこうしてまた会う事ができて。

 しかし随分気合い入っているな?、腕捲りし食材が溢れんばかりに積み上がっている。


「何か手伝うか?」と言い台所に入って行ったんだが…。

「お兄ちゃん、お邪魔!」取り繕く間も無く追い出され、出来上がりを待っている。



 他にする事もないのでTVのニュースを見ていた。

「また殺人か、次は強盗かよ、?何でこんなに物騒なニュースばかりなんだろうな?」

 向こうでは旬の物が水揚げされたとか収穫されたとか、悪くて事故のニュース位だったのに、後から鼻歌が聞こえて来る、この子にはずっとあの平和な地で過ごしてほしい。


 たまに観光で都会に出て来る位で充分だ、

 コイツに旦那が出来るまでなら俺が付き添える。


「出来たよ、運ぶの手伝って~‼」声がかかった。

 その声の主が悲しむ顔を視たく無い、そう願わずに要られ無かった。



「凄いな!」

 眼の前に広がる景色に他の言葉が出なかった。


「凄いでしょう、しっかり習って来たから味も保証するよ!」

 まるで実家の御祝い事の時の様、

 あのチビが此処迄出来る程に成長したんだ、

 でも其れだけ長い時間が過ぎて仕舞った証か。


「見てないでたべてよ!お兄ちゃん!」

 その呼び掛けに引き戻された。

「凄く、食べ辛いんだが、そんなに気になるのか?」

 身動ぎせず此処を見ている。


 食べずに居たのが我慢できず、里芋を眼の前につき出された。


「食べさせて上げる、あ~んして!」いやいや兄妹でする事では無い。

「そんな事は、好きな奴とやれよ。」と言って聞かせても…。

「はい、あ~んは?」全く引く気は無い様だ、誰に似たんだ?。

「自分で食べるから、勘弁して呉れ!」でも箸は空中で止まったまま動かない。



 遂に降伏して仕舞い諦めて口を開けた、

 其の味に記憶が遡る両親不在で弟妹に食事を作って上げ、兄弟妹三人で食卓を囲んで居た頃に・・。



 特に今俺に次を食わそうと企んで居る目の前の奴、

 小学校に入っても箸が上手に使えず何度も食べる筈の相手に遊ばれて居た、

 見かねて雛に餌を上げる様に口に運んであげていた。



「嗚呼、美味いよ是が作れる様に為ったんだな」

 筑前煮(がめに)はお袋の味と変わらない。

「ハイ、あ~んして」

 と次を放り込まれる、

 生姜の利いたハンバーグの具と言うのだろうか、

 其れを包んだ揚げ餃子もどき、

 祝い事の席に必ず並んだ物だどれも懐かしい味と香りだ。


 <如何んコイツ俺を洗脳する心算だ、故郷の味で帰る様に仕向けて居るんだ、危なかった>


「ねぇ、お兄ちゃんおいしい?」

 意志薄弱な俺は聞かれると…。

「嗚呼、本当に美味しいよ!」

 としか答えること以外に出来なかった。


 珍しく電話が鳴り、出ようと立ち上がりかけると…。

「出ちゃダメ!」

 と制された。


「あたしが出る!お兄ちゃんは出ちゃダメなの、あの人だったらあたしが撃退する!」


「ハイ、どちら様ですか?」

 と出たのだが、直ぐに…。

「ごめんなさい、ごめんなさい!」

 と言い出す。


 <何の事は無い、実家から電話が掛かっただけの事、でも何で謝ってんだ?>

 アレ?、気が付く、俺もコイツも無事に到着した事まだ伝えて無い、怒られて当然だ。


「悪い!、悪かったてば、そんな攻めるなよ、連絡を忘れた俺が悪いんだから!」

 是は兄の役目だ。

「大丈夫だ、怪我一つ無いし風邪も引かせてないから任せて呉れ、無事に帰して見せるから!」

 ひとしきり説明して手招きする、代って呉れと言って居る事を伝えた、怒って無い事も。


「うん、ご飯食べ終わったよ・・・大丈夫それも作って上げたよ!」

 相手はお袋だ報告らしい。

「そうだよ・・・お兄ちゃんずっと一人で居たよ片付け大変だった」

 んっ、何か違和感が有る。

「そうずっと出来なかったみたいで・・・たまに作ってもインスタント」


 何だ、食事の事か。


「そうだよねもう居ても良い筈なのにね・・・上京してからもあれじゃ彼女出来ないのかなやっぱりお兄ちゃんじゃ無理なのかもね・・・うん・・・そう少し瘦せたみたい」

 何で嘘を付く?。


 <何を言ってるんだ?お袋たちにお前までが嘘を付く必要が有るんだ?嘘は俺だけで充分だ>


「うん本当にお仕事忙しいみたい纏ったお休み取れないみたいで・・・可哀相だよね・・うん、途中で案内してもらった・・そう新聞社だから大変みたい、そっちと違ってニュースも・・・

 そうだよ事件とか事故とか・・そう思ってた以上にお仕事有るみたい・・また電話するね!」

 受話器を置いて、報告会は終わった様だ、声を掛けたがスルーされた、お片付けと連呼して。



 納得が行かない、俺は俺のした事で両親に嘘を付いて仕舞った、是から先も多分ずっと・・。

 でも、妹が俺の為に噓を付く必要は無い筈、その意味が無い、何かの意図が有る筈・・・。


何の意図がある?

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