第十二章 拘束
「なんということだ…」
オスカーは頭を抱えた。
フィシスからの証言とエルシーを通じたナシアスからの報告で、事態が最悪のものになったことを知った。
「エルシーを貸したりするのではなかった…」
悔やんでも後の祭りである。すでに同じようなことがあったことを一平から聞いてはいたのだから。
「一体どこへ行かれたのでしょう?」
ウートが手揉みをしながら落ち着かなげに言う。
「おそらく…ガラリアだろう」
「ガラリアですと?まさかそんな…姫自ら敵の陣中へ?」
オスカーの立てた予想は事実と寸分違わなかった。さすがは実の父親、娘の性格をよく知り尽くしている。
「パールはエルシーを通して一平どのが囚われたことを知った。しかも、真の狙いは自分にあると言う。誰より大事な一平どのの危機を手を拱いて見ていることなど、あの子にはできまいよ。おそらく、自分の身柄さえあれば一平どのを解放できると考えたのだろう。
自分に空間を飛び越える芸当ができることに気がついたのか、単純に一平どのを助けたい思いだけで跳んだのかはわからぬが、あの子の行き先は十中八九ガラリア。一平どのの元だよ」
オスカーの推測を聞き、ウートも溜飲を下した。
「さもあらん…。願わくば、お二人がご無事であらんことを…」
「不測の事態だが、一平どのの元に行ったのならむしろ安心。彼はパールを命を賭けて守るだろう。その身に少しでも自由があればの話だが…」
トリリトンの人々が、かようなことに心を砕くことになるとは露ほども思わず、一平は以前閉じ込められたことのある部屋で瞑想をしていた。
ガラティスがパールを使って何をしようとしているのかを、心を落ち着かせて考えてみようとしたのである。
トリリトンには追っつけナシアスから連絡が行くはずである。まさかオスカーがパールをガラリアに寄越すことなどあり得ないので、自分で脱出する算段をもしなければならない。
が、瞑想は程もなく妨げられた。ガラティスが従者共々来室して来たのだ。
「腹が減っておろう。ガラリアの特産を用意させたぞ」
徐に目を上げてガラティスを一瞥すると、再び元の姿勢に戻って一平は言った。
「せっかくのご配慮だが無用だ。食事は既に済ませてある」
「まあ、そう言わず。わしも相伴するゆえ、 一時酒肴を共にしようぞ」
「貴様などと席を同じくする気はない」
すげなく突っ撥ねる一平にため息をひとつ吐いてガラティスは食の準備を続けさせた。
整えられた酒肴の席は簡単なものだったが、ポセイドニアの北海の珍味が取り揃えられていた。中にはあのポクリもあって、一平は苦い思いで罪のないその実から目を背けた。
時刻はちょうど晩餐の頃合い。ガラティスは自分の腹が空いていたと見え、一平が手を出そうとしなくても構わず蛇酒を口にし、つまみを口に運んだ。見ていて面白いものではないが、一平はそれをそれとなく観察していた。何気ない素振りや癖などから、ガラティスの心の動きを読み取れるように、酒を飲む頻度や何が好物か、仕種はどうか、などに留意して見ていた。
一通り食べ終わるとガラティスは言った。
「すまんのう。わしだけ食べて。…代わりに何か欲しいものがあれば調達するぞ。して欲しい事はないか?」
あったとしても、それはガラリアには不都合なことばかりだ。何も所望する気はなかったが、取り敢えずこれだけはもう一度聞いてみようと一平は口を開いた。
「ガラティス…おまえの考えるところのパールの力とはどういうものか、やはり明かす気はないのか」
いくら考えても、どうにも腑に落ちないのである。
対するガラティスの答えはこうだった。
「好きなように想像するがいいさ。そも、大方の予想はついているのではないか?何といっても、おぬしの妻のことだ。姫のしでかしたことを考えれば、大体の見当はつこうというもの…」
(しでかしたこと?何のことを言っている?)
「少なくとも、シェリトリどのと会うた時に一度、わしと再会した時にも一度、その力はこの世に現れた。…おっと…」
これ以上は禁句だ、とばかりにガラティスは口を覆った。
(何だ?何を指している?オレの知っていることか?シェリトリ⁈シェリトリだって?)
一平は目まぐるしく思考を巡らせた。記憶を辿り、その頃パールに何があったかを必死に思い出そうとした。
しかし一平はパールからシェリトリを突き飛ばして逃げてきてしまったことと、ピピア女神の力によりガラティスの元から逃れてきたことしか聞いていない。その時一緒にいた相手にどういう現象が起きたのかは、本人も意識していないので伝わっていないのだ。
一平に答えを与えまいとするかのように、ガラティスは話の矛先を変えてきた。
「姫の力は勿論だが、わしはのう、一平どの。おぬしにも今回大変興味を持った。…いや、惚れ込んだと言ってもよいな」
何を戯けたことを言い出すのかと、眉間に皺を寄せながら一平は吐き捨てた。
「やめてくれ。気色の悪い」
「おや、そう言われたことがこれまでにない、とでも言うのか?おぬしほどの男だ。崇拝者はごまんといるだろう?人が人の人柄に感服したと言っているのだ。どこが悪い」
「オレはおまえが嫌いだ。まともな人間とは思えん」
既に一平はガラティスの前で自分の感情を包み隠すのをやめている。正直な気持ちで通常ならば口にしない失敬なことをはっきりと告げてやったが、ガラティスはなぜか喜んでいる。
「それ、そこよ。おぬしはそう思っているのだろう?わしのことを。当然だとも。わしはおぬしの妻を寝取ったのだからな。憎い、顔も見たくない、殺したいと思うのが自然の成り行きよ。しかし、先程のおぬしはそのようなことはおくびにも出さなかった。平然と、公式の使者としての役割を果たしていた。なかなかやろうと思ってできることではない」
「任務に私情は挟めぬ。基本中の基本だろうが」
「建前はな。弁えていても実際に守れる人間は少ない。だがおぬしはその数少ない傑物の一人らしい」
「ずいぶんと持ち上げるものだな。何を企んでいる?」
「これは異な。正直な感想を述べているだけだと言うのに。…まあよい。勘繰るのなら勘繰れ。目論見がまるでないわけではないしな」
しばし考え、ガラティスはひとり頷いて言った。
「…わしはな、おぬしか欲しいと思い始めているのだ」
「だから気持ちの悪いことを言うな」
男に『欲しい』と言われて嬉しがる男性は少ない。勿論一平も御免だった。
「早とちりするな。おぬしのような人材がこのガラリアにも欲しいと言うておるのだ。パールティア姫の力も無論だが、おぬしにも是非ガラリアに来て働いてもらいたい、とな。
むしろ器量としては姫よりもおぬしの方を買っているのだ。例の力がなければパールティアなどただの小娘。一人前の女性とも言い難い」
「パールを愚弄するな」
懐柔しようと思うのなら口にすべきではない悪口雑言を、このガラティスという男はすぐに使ってしまう。姑息な手段を弄するくせに立ち回りは上手くないらしい。それとも故意か。
「いや、これは失敬。根が正直なものでついな。
…ガラリアに来てくれれば、もっと美しい大人の魅力たっぷりの女を遣わそうぞ。それこそよりどりみどりだがどうだね?」
「無用‼︎」
有り難迷惑な進言を一平は一蹴した。
「頑なな男だな。…まあ、そこも魅力のひとつではあるが…」
ナシアスではないがゾッとした。ガラティスの目つきが今までと違う。両刀使いはおまえの方じゃないのか、と奇しくも同じ感想を抱いた。
「どうだね。ひとつ一晩共に過ごしてみてお互いをわかり合うというのは?どんなに早くても姫がここに来るには四日はかかろうし…」
「……」
戯言をほざくのは大概にしろ、と一平は渋面を作って黙り込んだ。一平が黙っているのを都合よく受け取り、ガラティスは拒絶の意思なしと勝手に決め込んだ。
一平に擦り寄り、その肩に手を掛ける。上腕から手先へ向かって掌を滑らせる。強靭だがしなやかな筋肉が逞しい起伏を描く感触を楽しみ、次いで上衣を引き摺り下ろした。露わになった肩甲骨や胸筋をうっとりと眺め出した。
あまりのことにむしろ呆気にとられ、一平は抵抗することさえ忘れた。よしんば抵抗したとしても両手両足には枷が嵌められている。大した逃げ場はなかった。
「よせ!」
我に返って、何をする!?と続けようとしたその時。
目の前に突如眩い光が現れた。
「!!」
驚きはしたが危険は感じなかった。不自由な手で光を遮りながらも、この光をどこか懐かしいものとして感じている自分がいた。
直後に衝撃が来た。破壊的なものではない。ガラティスが何者かに激突されて一平の上に倒れ込み、のし掛かってきたのだ。
見れば俯せになったガラティスの背中に何かが乗っている。転がった状態だがそれは人だ。髪が長く女性と思しい。ドレスの色はレモン色、そして髪は珊瑚色だった。
(パール!!)
振り仰いだ顔は正しく愛しい妻の顔そのものだった。
そしてパールの姿をした者はガラティスを踏み台にして伸び上がり、一平の名を連呼して飛びついてきたのである。
「一平ちゃん…一平ちゃん、一平ちゃん、一平ちゃん…」
「パール、おまえ…」
明らかにパールは一平を目標として自力でやってきたのだ。それがわかって一平は呟いた。
「…ばかな…」
パールをここに居合わせないためにいろいろ
考え、苦労して策を練ってきたというのに、全てを不意にしてくれたのだから溜め息の一つや二つ出ようと言うものだ。
ちょっとした違和感を感じてパールは一平の肩に埋めた顔を上げた。パールが抱きついた時、一平が抱き締め返してくれなかったことはまずなかったからだ。
視線の先には変わらず優しさを湛えた眼差しがあったが、目を下に転じてその理由を知った。一平の手足は戒められ、着衣は不自然に乱れている。
「…ひどい…」
暴行の痕こそなかったが、身体の自由を奪うという行為そのものに嫌悪を感じた。ガラティスは一体一平に何をしたのか。考えても育ちのよいパールには思いつけさえしなかったが、最愛の一平が辛酸を舐めさせられたことには違いないと悲嘆に暮れた。
同時にガラティスが自分の下敷きになっていることに気づいて動揺した。慌ててガラリア王の上から降りると手を差し伸べて身を起こすのを手伝った。
「ご…ごめんなさい、ガラティスさま。私、つい…。お怪我はございませんでしたか?」
こんな奴を労る必要などない、と一平は憤ったが、戒められたこの身ではそんなことすら止められない。
「ふふ…ふ…」
何がおかしいのか、ガラティスは含み笑いを始めた。
「!?」
素直すぎるパールはもはや頭でも打って…と余計な心配をしたが、いきなり腕を掴まれ身を竦ませた。
(ガラティス…さま!?…)
「パール!逃げろ!」
一平は叫んだがパールにそのような芸当ができるわけもない。
「くそ…。パールに触わるな!この淫乱オヤジ!」
罵声を浴びせるしかできることはなかった。
妖しいガラティスの目の光に流石のパールも怯えた。
「いやっ!」
バチッ!!
パールが身を引くと同時に電撃のようなものが光って、ガラティスは手を引っ込めた。
「おわっ!!」
だが、前回の時のような力はない。いきなり静電気が発生した程度に過ぎない。
痛かったはずだがガラティスは笑っている。
「これよ、これ…。この力だ…。わしの欲しいのは姫のこの力よ」
半ば狂人の態を晒しながらガラティスは繰り返した。
(何だって?)
「え?…」
一平は自問し、パールもガラティスの言っている意味を考える。
勿論一平は初めて目にする。だが、不意に思い出したことがあった。
もう五、六年も前のことだ。パールと二人でトリトニアを目指していた時、南極の海で吸血植物に襲われた。パールを守るつもりが逆に雁字搦めにされ、危機に陥ったところでパールに救われたことを。
その時一平は右腕を除いた全てを塞がれ、血を吸われて朦朧としていたが、何かが眩しく光ってから急に楽になった。
―パールが何かをしたのだ―
一平は遠のく意識の中、そう思ったのだ。
その時の光と同じだ、と今になって一平は気づいた。
「そういう…ことだったのか…」
呆然と呟くのを聞き咎め、ガラティスの口調が厳しく変わる。
「やはり知っておるではないか…。しらばっくれおって…」
「一応言っておくが、今の今まで気づかなかったさ。…そんなことよりガラティス。貴様この力を一体何に使おうと言うのだ。パールに何をさせる気だ!?」
「知れたこと…。わしに手向かう奴をおとなしくさせるために使うのさ。魔術を応用すれば兵器にもなる。増幅すればどんな軍隊も一網打尽だ」
「貴様…」
どこを攻めようと言うのかは言わずもがな、聞かずもがなだった。現在事を構えようとしているのはわがトリトニア。よりによって、パールに母国を攻め滅ぼさせようというのか…。
一平の怒髪が立った。
「誰がさせるか!!」
「よくよく身の程を弁えない男だな。その状態で何ができると言うのだ」
鎖に繋がれた一平には何もできようはずもないと気が大きくなっているガラティスは、パールに弾かれてもゆとりがあった。良い人を質に取られているのだからパールにも行動の自由はないはずだ、と。
「さあ、姫。こちらへ」
一平の陰に隠れるように逃げ込んでいたパールを手招きする。
パールにも薄々わかっていた。ガラティスがなぜ自分のことを召喚するのか。
だが行きたくはない。そんなことのために呼ばれたのなら尚更だ。しかし、一平を自由にするためには自分が行くしかない。そのためにガラリアへ来たのだ。心を決めかね、パールは葛藤する。
「愛するご夫君がどうなってもいいのかね?」
途端にパールは青ざめる。拷問、という言葉が頭に浮かんだ。そんなのは絶対に嫌だ。
パールは震える足を一歩踏み出した。
気づいた一平が出来る限り身体をずらして進路を妨げる。
「一平ちゃん…」
「…行くな…」
押し殺した声で、ガラティスから目を離さぬままに一平は言った。
「でも…」
「あいつの言うことを信用するな。おまえが行ってもオレを自由にすることはせん」
「そんな…」
まさか一国の王ともあろう人が約束を守らないとは思いもよらないパールである。
「あんな奴の言うことよりオレの言うことを信じろ。行くな」
以前にも同じようなことを言われた。あの時は…確かエスメラルダがひどいことを言ったのだ。
「一平ちゃん…」
あの頃からも変わらない。一平は自分のすべき道をいつも示唆してくれる。自分も報いたい。一平の役に立ちたい。
「ガラティスさま…」パールは呼び掛けた。「お願い、もうやめて。戦など起こさないで。この人を解放してください。パールは…いえ、私は…できるならガラリアの人々のお力になりたいと思います。私の力が必要だと仰るのなら、協力するに吝かではありません」
「パール!!」
何を言い出すのかと一平は思わず大声を上げた。
「でも…窺ったところ、その力は平和に繋がる力ではなく、戦に役立つ力だとか…。それでは…それは私には無理です。有り体に申し上げて、私は自分の力を制御できません。いつも必ずしも、使おうと思って使えるものではないのです。
癒しの力ならばそれも大分コントロールできるようになってきました。でも…こんな力なんて…私は自分でも知らなかった…」
「ほう…。以前わしは姫のこの力で跳ね飛ばされたが、それも知らぬと仰るか」
「え?そんな…。それはいつ…私が?本当に私がしたのですか?」
真実自覚のなかったパールであるが、ガラティスは鵜呑みになどできぬ性格だ。
ガラティスは嘘をつくなと怖い顔をしている。
「それは…大変申し訳ないことを致しました。知らずにとは言え、とんでもないことを…。ここに謹んでお詫び申し上げます」
パールはそう言って頭を下げた。
「詫びることなどない。こいつがおまえを攫ったからだ。立派な正当防衛だ。ガラティスの口車に乗るんじゃない」
一平は制するがパールはこの点は動じない。
「いいえ。人を傷つけたのなら理由がどうあれ謝らなければ。そうでしょう?」
人が傷つくことを何より嫌うパールだ。そう考えるのは道理だ。一平には否定できない。それがパールなのだ。
パールはガラティスに向き直って言う。
「でもどうかお咎めは私だけに。夫を含め、トリトニアの人々には何の責任もありません」
言質をとった、とばかりにガラティスはほくそ笑んだ。
「では姫に責任を取っていただこう。ガラリアに滞在することでな」
「話をすり替えるな!」
一平が叫ぶ。
「私が…滞在すればよいのですか?」
「そう。しばらくでよい。姫のお姿を毎日拝見できればの。…以前に申したであろう。わしは姫に恋焦がれておったと」
詭弁だったが当時パールはそれを信じた。そして手籠めにされかけた。そのことを思い出し、思わず後退る。
「ご安心召されよ。あの時のようなことはせぬ。姫がご夫君一途なのもよくわかったし、下手に手を出してはその力でこちらが危ない。見ているだけでよいのだ」
「しばらくというのは、どれくらいですの?」
「そうさのう…。いつまででもいてもらいたいが、取り敢えず、ひと月ほどでどうじゃ。…そうだ、いい考えがある。ご夫君にも共に滞在していただこう。どうだね。それなら安心だろう?わしは今回一平どのと膝を交えて彼のお人柄に敬服したのだ」
よくもまあ心にもないことをペラペラと言えるものだとある意味感心する。
「耳を貸すな、パール。トリリトンにはアスランが待っているんだぞ」
言いくるまれそうなパールを引き戻すため、一平はアスランを引き合いに出した。
「!!…アスラン…」
パールは今気づいた。一平のことを心配するあまり、アスランを放り出してきてしまったことに。今頃泣いているかもしれない。
「そうか。かわいい坊やのことが心残りなのだな。よいよい。坊やのことも呼び寄せればよい。親子三人仲睦まじく、旅行のつもりでどうかね」
「……」
「パール!!!!」
思いをトリリトンに馳せるパールに一平は強い調子で呼び掛けた。
「そいつの言うことを聞くな。甘言だ。惑わされるな。おまえの居場所はここじゃない。トリトニアだ。トリリトンの右宮だ。アスランの待つ。二人で目指してきたのはここじゃない。トリトニアだ。戻ろう。帰ろう。トリリトンに…」
「一平ちゃん…」
パールが振り返る。一平の真剣な眼差しがある。必死の瞳がパールの心を射抜く。
「おいで…」
一平の口から魔法の言葉が発された。いつ、いかなる時も、パールはこの言葉に引き寄せられる。一平の元に行きたくなる。
けれど、ただそれだけでは一平は解放されない。
どうすればよいのかパールにはわからない。
「帰るんだ、一緒に。…おいで!」
突如、パールは悟った。その方法を。
一平にしがみつき、強く願う。
(ピピア女神さま!)
その瞬間パールの身体が光る。額に徴が浮かび上がった。
その光に、一平も巻き込まれる。
膨張して、直後弾けた。
戒めの環だけがゆっくりと落下していった。
二人の姿はどこにも見えない。




