26. 忍び寄った陰
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名 前:フレイデリック・イーレース
性 別:男
年 齢:14
種 族:人間
職 業:フォーラッジーガタウン冒険者組合特別職員
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□アビリティ□
レベル: 77 →88
体 力:450 →800
魔 力:885 →1450
力 : 60 →90
素早さ: 68 →98
知 能: 70 →99
□スキル□
ゴミ処理:10
剣 術:7→8 短剣術:6 槍 術:7→8
投擲術:6→7 弓 術:3 体 術:8→9
盾 術:6 棍棒術:1→5 剛 腕:5→8
斧 術:1→5
察 知:8→10 気配遮断:9→10
火魔法:4→8 水魔法:4→7 光魔法:4→6
聖魔法:4→7 土魔法:2→5 水魔法:2→6
風魔法:2→6 ★闇魔法:5
夜目、身体強化、威嚇、遠吠え、精力増強
マーキング、硬化、休眠、四足俊足
求愛ダンス、岩場軽歩、忍び足、不動静止
安静回復、遠目、毛繕い、嗅覚判別
★透明化、★狂化、★悪食、★鉄の爪
★縮地、★体力量大幅増加、★魔力量大幅増加
★体力回復量増加、★魔力回復量増加
★消費魔力軽減、★身体能力増加
★魔法耐性増加、★魔力貯蔵器官
生活魔法
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フレッドのステータスはとんでもない事になっていた。本人もややそう思っているようだが。更にレベルが上がり、スキルレベルも、新たなスキルも増えていた。
種族は人間のままでほっとした。何て思うはずもなく、新たなスキルについて確認する日々がやって来ただけなのだが。
それは突然やって来た。
フレッドの暮らす町、フォーラッジーガタウンを訪れた者達が居た。
この国で4番目に大きい町だけに、それなりに人の往来はあり、これまにでも何度も訪れた事はあったのだが。これまで会わなかったのが不思議なくらいだろう。
それはフレッドの生活パターンもあっただろうし、そもそも冒険者と深い繋がりを持つような一般人は少ない。どちらかと言えば、冒険者組合には近付かない。
荒くれ者も居るし、用が無ければ敢えて近付くような場所でもない。それが普通なのだから仕方がなかったのかもしれないが。
汚い、臭い、危険の3K。そう思われていたのだから尚更に。この町の冒険者組合は全く変わってしまっているのだが。
そもそも興味もないのだから知らない者の方が多いのだろうし、それも仕方がない。いや。だから良かったのかもしれないのだが。
フレッドもフレッドで、よっぽどの用がなければ町に買い物にも出掛けないし、ほぼ組合の中で生活できてしまっていたのだから仕方がない。
森に行く事も多かったし、場合によっては泊まり掛けでも出掛けていたし。
これまで町ですれ違う事がなかったとしても、それ程不思議ではなかったのかもしれない。フレッドが通るのは、なるべく人通りが少ない道を選んでいたのだから。
それでも、偶々町中で会う事もあるだろう。それもこんな人通りの少ない場所だからこそ、それが偶々今日だった。そういう事なのだろう。
髑髏が槍を咥えているロザリオを首から下げている男達がやって来た。それは服の中に仕舞われているので、そんな気味の悪い物を持っているとは気付かれないのだが。
それはトラッシュブルクン教会のシンボル。幹部だけが持つ事を許されていた教会員の証だった。勿論、フレッドは持っていなかったのだが。
以前フレッドが暮らしていた町、もう無くなってしまった町。魔物の大移動から逃げ、各地に散って行った者達は少なからず居たのだ。当然このフォーラッジーガタウンにも居たのだが。
この国で4番目に大きい町なのだから、ここを目指した者達も居たのだから当然に。ただ、これまでフレッドが出会わなかっただけ。
今となっては、その面影もないフレッドを見ても気付く者など居ないと思うのだが。フレッドがそのロザリオを見れば思い出すだろう。その教会の存在も。それが幹部だという事も。
ドガッ 「ぐぶっ」
ゴシャ 「がっはっ」
ゴンッ 「ぶっはーっ」
ドシャッ
「ちっ。大人しく金を寄越せばいいものを。余計な手間を掛けさせやがって」
「まったくだぜ。おいっ。早く金目の物を回収しろ」
「は、はいっ。分かりましたっ」
強請、集りから、強盗に変わった瞬間だった。フレッドが目にしたのは。
その前にどんな遣り取りがあったのかは知らないが、それなりに体格のいい男達が、1人の男を殴り、蹴り、また蹴っていた所だった。
そして倒れた男の服をまさぐり、金品を徴収、いや。強奪しようとしている現場に出会してしまった。
(えっと。あれは賊の類いだよね。今の言葉を聞く限りでは)
そしてフレッドは動き出す。特に考えるでもなく、感情のままに。
「えっと、おじさん達は、盗賊なの?」
それでも疑問をぶつけるフレッド。レベルが上がろうとも、スキルがよく分からない方向に増えようとも、基本的な性格は変わってはいなかった。
疑問は確認したい。それが素朴なものであろうとも、その時に感じたままに質問するのだった。
「ああぁっ! んだテメーはっ!」
男達の1人が突然現れたフレッドに驚きながらも威嚇する。フレッドには何とも感じられないくらいの怒声なのだが。
「えっと、僕ですか? 僕はこの町で暮らしている者ですけど。おじさん達は?」
見ず知らずの人には名前を教える必要はない。相手が名乗ってからにしなさい。面倒事に巻き込まれるといけないので、こう教えられていた。所長によって。
「ああっ! んな事は聞いてねえんだよ! くそガキが!」
突然1人の男が殴り掛かってきた。有無を言わせぬ攻撃は悪くない。相手にもよるのだが。
チンピラ風情の男の攻撃など、今のフレッドからしてみれば、動きが止まって見えるとまでは行かないが、それなりに遅く感じるものだった。
すっ
すかっ
「なっ! なにいっ!」
軽く避けただけなのだが、男には瞬間移動されくらいの衝撃があった。瞬間移動など見た事もないのだが。それくらいの未知の衝撃だったという事だ。
「ねえ。やっぱりおじさん達は賊の類いなんだね。突然殴り掛かってくるなんてさ」
「ちっ。そんなガキ相手に何をやってやがる。とっととやっちまいな」
「は、はいっ。分かりましたっ」
(やっぱりこういう人達は僕の言う事は聞いてくれないし、質問にも答えてくれないんだね。もういいか。倒れてる人も動かないみたいだし、早くしないとね)
すっ すっ すっ
すかっ すかっ すかっ
「ねえ。そっちのおじさん達も仲間なんだよね。このおじさんの」
「なっ。あ、当たらねえっ!」
執拗に殴り掛かってくる男の攻撃を難なくかわしながら、別の男達に話し掛けるフレッド。これでもまだ敵認定していないという事になる。
「ちっ! 面倒だ。お前も加勢して来い!」
「へ、へいっ! 分かりやした!」
(あ、やっぱり答えてくれないんだね。もういいや。早く助けてあげないと)
…… ……
「なっ!」
……
突然、仲間が2人同時に消えた。そしてそれに驚いた男も、直ぐにその場から消えていた。
ザッ
「大丈夫ですか! お兄さん! お兄さん!」
「……、う、うぅ、……」
(うん。これなら大丈夫そうかな)
「《ミドルヒール》」
聖魔法レベル7の中級回復魔法。余程の怪我でなければ、大概は回復させてしまえる魔法だった。
「うっ、あ、ああ。こ、ここは?」
「ここは町の中ですよ。変な3人組に絡まれていたので助けました。体は大丈夫そうですか?」
質問には答える。最低限の情報も添えて、しっかり体の心配も忘れずに。
「あ、ああ。そうだったのか。そうだった。体は、……。だ、大丈夫そうだが、君が治してくれたのか? あ、ありがとう。意識が無くなってしまったはずなんだが、……」
「はい。僕が回復させましたけど、もう大丈夫そうですね。まだ痛む所とかあったら、専門の回復師に診てもらって下さいね。では」
フレッドと同レベルの回復師は居る事は居るのだが、かなり高い回復料を払う必要がある。フレッドも一応知ってはいるのだが、無闇に人を回復させないようにとも言われているのだが。
やはり人の命には代えられない。その思いだけで動いていたのだ。特に考える事もなく、体が動いているのだが。本人も間違っているとは思ってないし、お金を取るつもりもないのだが。
あくまでも自分の好意でやった事。長く関わるのは良くないと判断し、フレッドはこの場を後にするのだった。
「あ、ああ! 待ってくれ!」
倒れていた男がそう呼び掛けた時には、フレッドの姿はもうそこには無かった。自分を殴っていたはずの男達の姿も勿論なのだが。
何故あんな事を平気でする人達が居るのだろうか。盗賊、山賊、ああいった類いの連中も、もう何度も処理してきたのだが、フレッドは不思議で仕方がなかった。
自分には理解できないのだから。聞いても答えてくれないし。そして、この思いは、益々フレッドの中で大きくなって行き、自分を苦しめるまでになってしまうのだが。それはまた別の話。
こうして、フレッドの知らぬままに、トラッシュブルクン教会の幹部がこの世から処理された。
何も残さずに。シンボルのロザリオすらも残さずに。
これが教会関係者だと分かっていたら。フレッドはどうなっていただろうか。
あちらが気付く事は無かったが、ロザリオを見ればフレッドなら気が付いたはずなのだから。
自ら同じ教会員だと告げ、その仲間に入ったのか。
それは違うと拒否をして、同じように処理をしたのか。
『教会員同士で嘘を言わない事』とされているのだから嘘は言えないし。
『教会員同士は出来る範囲で協力する事』とされているのだから協力しないといけないし。
だが、相手が『教会員同士は決して争わない事』、『教会員同士の暴力の禁止』とされているのにそれを守らなかったから、『遣られたら遣り返す事は許可』されているし、『規範を守れない者には厳罰』とされているのだから、これは当然の結果だったのか。
それは誰にも分からない。知らなかったのだから仕方ない。フレッドにとっては良かったのだろう。そんな不毛な思いに悩まさせる事もなかったのだから。
読んで頂きありがとうございます。
22日目にして、『84』PV。
まさかの近似値。
これが実力という事でしょうか。
ですが、まだ負ける訳にはいきません。
もう少し、私は負けません。




