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17. 確認と説明と

本日2話目となります。ご注意下さい。



 魔物に限らず、悪魔や人間でさえも倒すとレベル経験値が入る。そしてそれをゴミ処スキルで処理すると、スキル経験値が入る。これはフレッドにのみ与えられているスキル特典なのだが。


 それがどう還元されるかは分からない。フレッドが暮らしていた町に、老齢の元冒険者が居たとか、悪魔の老夫婦とか、魔物とか。いずれかから手に入れたスキルなのだろう。


 思い当たりそうなものもあれば、全く出所が分からないものもある。フレッドに至っては、何がなんだか分からない状態だった。自身のステータスなのに。



 でも、名前は自分のもので間違いないのだから、これが今の自分のステータスというものなのだろう。そう理解するしかなかった。今のところは。


 所長や副所長が紛い物の魔道具を売り付けるような組織ではないのだが、そこまでは思い至らなかった。フレッドなだけに。さっきのやり取りは見ていたが、既に皆信用しているだけに。



◼️◼️◼️◼️◼️

 名 前:フレイデリック・イーレース

 性 別:男

 年 齢:12

 種 族:人間

 職 業:フォーラッジーガタウン冒険者組合特別職員

◼️◼️◼️◼️◼️


□アビリティ□

 レベル: 66

 体 力:340

 魔 力:720

 力  : 47

 素早さ: 52

 知 能: 49


□スキル□

 ゴミ処理:7


 剣 術:5  短剣術:5  槍 術:5

 投擲術:5  弓 術:3  体 術:7

 盾 術:5  棍棒術:1  剛 腕:4


 察 知:8  気配遮断:8


 火魔法:3  水魔法:3  光魔法:3

 聖魔法:3


 夜目、身体強化、威嚇、遠吠え、精力増強


 生活魔法

 □□□



 初めての見るのだから当然なのだが、リングに魔力を流してステータスを表示させようとすると、頭の中に浮かんでくるのだ。このような文言と数値が。


 誰とも比較する事は出来ない。あくまでも自身の数値で比較するしかない。だが、これが初めてなのだから、これが凄いのか、普通なのか、劣っているのかすらも分からない。


 それも仕方がないのだろう。こんなものがある事すら知らなかったし、自分にゴミ処理以外のスキルがこんなにあるなんて。そう思ってしまっても。12歳の純粋な少年なのだから。



 ただ、レベルに関しては、かなり上がってしまっているだけに、今後はなかなか上がり難いとは思うのだが。


 上がったとしても、比較が自身だけなのだから、スキルレベルを重点的に確認して行く事にはなるのだろう。戦闘して行くのならば。



 所長も副所長も驚きで固まってしまった。信用してくれているのは嬉しいが。まさかここまでとは。


 フレッドだから。質問されれば答えるし、ここでは全く隠す必要はないと思っているのだから、素直にありのままを答えた結果だった。


 勿論、所長は初めに言った。


「何度も繰り返すが、基本的にはスキルについての詮索はしないものなんだ。だから、話したくない事は本当に話す必要はないからね。でも、これも出来る範囲でいいから教えておくれ。


 これは、この魔角の魔人族の件にも関係してくるかもしれないからね。何より、お互いの為にもなるかもしれない事だからね」


 そして、副所長も含め、ここでの話は、フレッドのステータスに関しての話は口外無用。


 フレッド自身にも、ここに居る限りは、この2人以外にステータスの話はしないように注意していた。これは流石にヤバイから。冗談でも本当でも。



 しっかり話も聞いてくれるし、自分を心配してくれて色んなアドバイスまでしてくれる。しかも、約束までしてくれるなんて。フレッドは嬉しかった。純粋に。純粋だから。


 自分にこんなに興味を示してくれる大人は初めてだったかもしれない。スキルを授かってからは特に。だから言われるがままに頷き、「はい。分かりました」と、それに従う意思を示したのだった。


 フレッドが平気で嘘を言えるような人間でないのは分かっていたが。それでも信じられなくてステータスプレートでも確認する事となった。あまりにも想定外の話だったから。


 勿論、フレッドも同意の上で。これも初めてだったから興味もあったし、これが本当に自分のものなのかも確認したかった。だから了承した。3人でフレッドのステータスを見る事を。



 結果は当然ながら一緒のものだった。フレッドはほっとした。間違いではないようだったから。

 

 これにはやはり所長も副所長も更に驚いた。嘘ではなかった事にではない。それは分かっていた事だったはずなのに。それでも驚いてしまったのだ。


 普通では有り得ない数値なだけでなく、これ程までのスキルを取得していたのだから。何故かも分からなかったのだし。当の本人でさえ。


 それも嘘ではない事も明白だった。態度でも分かるし、フレッド自身も初めて見たのだから、誤魔化し様もなかったはずだ。そもそもそんな気すらないのだが。



 2人は思った。とんでもない拾い物をしてしまったぞと。ゴミ処理スキルのはずなのに。それはどうでもよかった話。この2人には関係のなかった話。


 やろうと思えば1人で楽々暮らして行けるだけの能力値はあるし、恐らくそれなりの暮らしも出来るだろう。無理さえ、無茶さえしなければ。


 そこはやはり12歳の子供だったのだ。人が善いのは分かる。見たままの純粋な正直者である事も。だからこそとんでもない拾い物だった。拾い者。



 教育次第では、環境次第では、いかようにも化けてしまえる化け物になれる少年なのだ。化け者か。いや。まだまだ成長期の少年なだけに、訓練次第ではレベルも上がるだろうし、スキルレベルも上がって行くはず。


 だが、本人はそんな方向に行く事は望んでいないような。ただ平和に生きて行きたいような雰囲気が漂っているのだ。


 これはこれで重要案件がまた1つ。しっかり協議して事を進めなければ。


 何もせずに本人のしたいままに見守るのか。しっかり教育もして、それなりの戦士となってもらうのか。冒険者組合の為、人類の為に。それとも、ここでは手に負えない案件だから、更に上を頼るのか。


 誰にも言わないと約束した以上、早計な判断は出来ないが、そういう事も視野に入れておく必要はある。



 これからの2人は、更に忙しい毎日を送る事になるのだが、それはまた別の話。


 フレッドには知りようもないし、関心もない。あるのは自分のステータスの確認だけだ。今のところはだが。



 持ってきた魔石の魔物を倒したのはフレッド。これは分かった。当然だろう。このレベルでこのスキル。どれを使っても容易に倒す事が出来たかもしれない。


 ゴミ処理スキルで処理したとは思わないだろう。知らなければ当然に。ゴミ処理スキルの有用性は直接見たのだから理解しているし、だからこそ、それ以上の質問はしなかった。


 出来なかったのだが。思いもしなかったのだから。まさか魔物も、悪魔も処理したのはこのゴミ処理スキルだなんて思わないだろうから。流石の所長でも。副所長でも。



 それに、フレッドからの話でも、廃村での出来事は更に辿々しくなってしまっていたのだから、補足補完されてしまっても仕方がなかったのだ。


 誰が自分が殺されるかもしれなかった時の状況を流暢(りゅうちょう)に話せるだろうか。12歳で。しかもフレッドなのだから尚更に無理だろう。



 だから、『老夫婦、まともな建物、1つだけ、デービールウイング、気付いたら建物の中、沢山の料理、僕を食べるって、毒の料理、少しずつ、じっくり時間を掛けて、動けなかった、だからその隙に、1番の早さで、なんとか成功』。



 途中でフレッドが顔色を悪くしてしまったので、話をさせるのはここまでにして一旦休憩。出て来た言葉を継ぎ合わせ、組み立てて。所長と副所長で物語を作って行った。勝手に。


 その時のフレッドは、こんな記憶もゴミ処理スキルで処理できればいいのにと思ったが止めておいた。2人が真剣に話しているのに、スキルの確認をするなんて。いや。もしもがあっても怖いから。


 フレッドは、2人の組み立てた物語を聞かされるまで、暫しステータスを眺めて癒やされるのだった。



 出来た話は強ち間違いないではなかった為、フレッドは頷いて肯定を示した。


 結果が合っているのだから、フレッドにとってはそこまで細部に拘るような話ではなかったし、やはりあの時の記憶は思い出したくない部類のものだから。これは仕方がなかったのだ。



 悪魔と言えども老夫婦。相手はどう見ても子供のフレッドだ。それなりに油断も隙もあったのだろう。よく分からない技の名前もあったようだが、要はフレッドは直ぐには殺されなかった。


 じっくり太らせてから口にするつもりだったのだろうか。だから逆に沢山の料理に少しずつ毒を盛り、じっくり弱らせて行った。体がある程度動けなくなるまで。


 そこまでして何とか最速の一撃、正確には二撃で止めを刺したと。


 だいたいこんなような事を言っていたはずだ。フレッドの耳にはそう聞こえていたはずだ。頭に残っていたかどうかは別問題だが。遠い話のような感覚で聞いていたのかもしれない。他人事のように。



 それでも納得してくれたのだからいいだろう。嘘は言っていないし、教会員同士ではないのだから、そもそも適用されないし。


 それよりも早く1人になって落ち着きたい。そんな気持ちの方が強かった。12歳の子供なのだから。たった1人で悪魔を倒してしまえるのだが。



 廃村までのおおよその距離を知る為に、そこからこの町まで何日くらい掛かったか。それだけ聞かれて、漸く解放される事となった。今日のところはだが。



本日、もう1話更新予定です。

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