2 三校対抗戦⁉ 1
新入生歓迎会が終わった。だが、生徒会にとっては、ここからが本番だった。
日野会長たちは、二、三年生にはほぼ声をかけ終えていたが、結果はゼロ。
そして月曜の朝。
いよいよ一年生にも募集がかかった。
朝のホームルームで、スピーカーから日野会長の溌剌とした呼びかけが校舎に響き渡った。
三校対抗戦募集の放送が終わると、俺はクラスに申し込み用紙を配ったのだが、一組の反応は、やはり芳しくない。
「まあ、みんな学校を代表して盛り上がるっていうのは、いいもんだぞ。是非前向きに考えてくれ」
「いやあ、先生。今年の種目っていうのがネックでしょ」
元気者の井澤が、したり顔で言う。
「やはりそこか」
「だって『かるた』だもん」
「『かるた』って、あの小学校のときにやったやつか?」
井澤の後ろの伊山が、井澤に尋ねる。
「違うよ、ほら、これちゃんと読めよ。百人一首だよ」と、今、配ったチラシを見せる。
「ああ、あの古典でやったやつか」
教室が静かになった。
「先生、これで、俺らが選ばれる可能性ある?」
「まあ、お前の場合、ちょっと不安だな」
「なら安心だ」
クラスが笑う。
今年の対抗種目は「かるた」。百人一首の札取りだ。これは、なかなか素人にはハードルが高いと国語科の俺でも思う。部活ですら時間をとられるのをいやがるうちの生徒たちだ。今さらそんなことに時間を割いてくれるとは思えなかった。
俺はため息をついて、ざわめく教室を後にした。
今日は月曜、選手名簿の提出期限は、今週いっぱいだった。
第八十九回三校対抗戦
今年度種目:競技かるた(「百人一首」)
参加人数 :男女で五名
条件 :競技かるた経験者は、一名まで
ルール :公式競技かるたに準ずる 五人による団体戦
・三校による総当たり形式。
二戦の勝敗で優勝を決定する。
時 :八月六日 立秋の前日 午前九時開会
場所 :甲子社高校 総合体育館
〜君も、この夏、伝統ある戦いに名を刻め!〜




