3 対抗戦へ向けて 1
「みんな、無事、参加報告が終わったよ。これで晴れて、今年の対抗戦メンバーだ」
日野先輩が、みんなを見回した。
「三年の私と結愛。一年は天見、伊山、柊。倉木は女子の補欠に入ってもらうことになった」
五人が、それぞれうなずいた。
「試合は、八月六日。それまで、どうか力を合わせて、頑張ってほしい。それぞれに都合はあると思うが、やっぱりやるからには、優勝したい。みんな、頼めるかな」
「いいっすよ、先輩。私もやるからには、全力でないと、気が済まない質ですから」
と、美紅は一歩前へ出る。
「自信はないけど、全力でやります」
ソラがそう言うと、みんなの視線は柊に向く。
「僕も、できるだけ頑張りますよ」
その言葉を聞いて、先輩たちはほっとした様子だった。
岡崎先輩がみんなに言った。
「私は、小学校で百人一首の大会出たことあるの。だから、今回は私が基本を教えるわ」
「ただし――」
岡崎先輩の目が少しだけ鋭くなった。
「優勝目指すなら、それなりの覚悟はしてね。競技かるたって、見た目よりずっと厳しいから」
「はい」と元気のいい声が返る。
「大会は八月、あと三か月ほどしかないの。だから、これからは、放課後、毎日出来る者で練習したいの。和室を取っておくから、そこに来て。もちろん、できる時でいいから。ただ明日の土曜は、朝から一度集まってもらえるかな。まずかるたの基本を説明したいの」
みんな、真剣にうなずいている。こうして、私たちの三校対抗戦が始まった。
八月六日。まだ三か月以上もある。
まあ、なんとかなるだろう。
ソラには、そんなふうに思えた。
熱い夏は、まだまだずっと遠くに感じていた。




