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二日酔いの朝と、新たな来訪者

翌朝。

ギルドの宿舎の一室で、俺は凄まじいうめき声で目を覚ました。


「うう……頭が割れるように痛い……。世界が、世界が震えている……」


「水……水をくれ……。聖女の光魔法でも、この呪いは解けないのか……」


床に転がっているガウルさんとレオンが、頭を押さえて悶絶していた。


ビールの効果

――【酔神の狂宴】がもたらした圧倒的なバフの代償、それは地球の全人類が恐れる最強のデバフ『二日酔い』だった。

異世界の住人である彼らには、アルコールを分解する肝臓の経験値が足りていなかったらしい。


「言ったでしょう、あれは強いお酒だって。エレインさん、なんとかなりませんか?」


部屋の隅で、同じく顔を青くしているエレインに声をかける。

彼女はビールを飲んでいなかったが、昨日の光景の衝撃(と、少しだけ部屋に充満した酒の匂い)で参っているようだった。


「む、無理です、カズト様……。私の解毒魔法(キュア・ポイズン)を何度もかけましたが、全く効果がありません……。これは毒ではなく、神の与えし『理性の試練』です……」


「ただの二日酔いなんだけどね……。あ、そうだ。これなら効くかも」


俺はマジックバッグから、日本の自動販売機でよく見かける、小さな緑色の缶を取り出した。


【ウ〇ンの力(ウコンエキスドリンク)】。


これも、召喚時にカバンに入っていた「夜のお供」だ。

【鑑定】。


========================

【アイテム:ウコン配合エキスドリンク】


付与スキル:【肝臓の神護(サパト・レバー)】効果:あらゆる毒素、呪い、アルコールによるデバフを『100%』即座に消去する。

さらに、24時間、あらゆる状態異常を完全に無効化する。

========================


「ほら、ガウルさん、これ飲んでみてください。良薬口に苦し、ですよ」


「うぐ……もう何でもいい、早くその頭痛を止めてくれ……!」


ガウルさんがウコンドリンクをゴクンと飲み干す。

直後、彼の身体から黒いモヤのようなものがシュウウウ……と蒸発していった。


「……はっ!? 頭痛が、消えた……!? さっきまでの地獄のような苦しみが、嘘のように消え去ったぞ!」


「おお、俺にもそれをくれ!」

とレオン。


ウコンドリンクの圧倒的なデトックス効果により、二人は一瞬で健康体へと戻った。


「カズト、お前は本当に何者なんだ……。人を神にする酒を持っていたかと思えば、その神の呪いを一瞬で解く聖水まで持っているなんて……」


ガウルさんが畏怖の念を込めて俺を見る。

ただのウコンなんだけどな。

そんな時、宿屋の主人が部屋のドアを叩いた。


「カズトさん、大変です! ギルドの前に、また変な奴らが来てます!」


「え? ディルムッドの奴ら、もう気がついたんですか?」


「いえ、王都の騎士じゃありません。……なんだか、ものすごく大きな耳を持った、狐の獣人の女の子です。カズトさんの『匂い』を追ってきたって暴れてます!」


狐の獣人?

俺にそんな知り合いはいないはずだが。

嫌な予感がしつつも、俺たちはギルドの正面広場へと向かった。

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