表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜と精霊  作者: クリスタ
9/16

精霊の森

ロイスが帰路に付いている途中、現在地と竜の島の中間には精霊の森がある。

竜族の王は継承魔法で過去からの知識や力を受け継いで行く。

精霊達は基本死ぬと言う概念が無く、ほぼ全員が不死に近い、ただ彼等は星からのマナを吸い生きている為、現在星のマナの力が弱まって来ている事で、力の弱い精霊達は、少しづつ存在を消していっている。

その中で最も力のある、精霊王アベルに挨拶をする為、ロイスは精霊の森に立ち寄るつもりでいた。

精霊王はこの星と共に生まれ、神達よりも長くこの星を見て来ていた。

神々は、星の管理をほぼ精霊達に任せ、当時は不可侵を貫いていた。

長い時を経て、植物や動物、人が生まれる所を見て来て、多方面で星の管理をしているようなもので、精霊王に知らぬ知識や時代は無いとされている。

6年前だが、そんな精霊王に何故か子供が産まれたという記憶だけが残っていた。

ロイスからすれば、精霊が子供を産むなど未だかつて聞いた事のない事で、その真意を確かめる為にも精霊王への挨拶と出産の祝いの為に精霊王の元へ向かう。

ちなみにベルドランドは興味なかったらしく、アーマンドだけは挨拶には訪れているが、事の詳細はロイスの記憶には無かった。


精霊王の森に入るには、案内をしてくれる精霊を待つ必要があった、まず空から直接精霊王の森に入る事は出来ない、精霊王の森は魔の国と聖皇国の間にある、不可侵の森と言う場所の一部に存在している。

不可侵の森と言うのは、大昔にまだ魔の国と聖皇国が出来る前、神々が人と関わる前に、当時北の王と南の王が大陸の二大勢力として君臨していた時代。

現在は人族と精霊が良好な関係を続けているが、それは神々が人の世に干渉しだしたからである。

当時は精霊達は人族を嫌っていた、星からのマナ、恵みをもらい生活している精霊達にとって、人族の争いはとても看過できるものではなく、次第に北の国と南の国の争いが、精霊王の森の近くまで広がって行き、森を焼き、人々が死に、荒れ果てていく様に、怒りした精霊王が、森全てを包み込む結果を張り、内部を精霊以外の生存を許さない程のマナ濃度に変え、南北の王含め、何百万人もの人々を無に返して壊滅させた歴史があった。

表現的には高濃度のマナにより焼き消えたと言った方が伝わるかもしれないが、人のみを選び、塵も魂も残らず消し去った為、人が無に返したと言った方が適切だろう。


それを見兼ね神々が降りて来る、竜の島には竜神アンムート、魔の国には魔神カーズ、聖皇国には聖母神カルス、精霊の国に至っては精霊王アバンが神と言っていいだろう。

その4神により、4国間では良好な関係が築かれ、現在まで続いている。

4神の降臨は瞬く間に世界中に広がり、慈悲を求め、平和を願い、魔の国には魔族が、聖皇国には魔族以外の人々が集まり、後に力に重きを置いた魔の国で魔王が誕生し、平和と愛を伝えたものが聖王、聖女とし国を栄えさせて行った。



ロイスが精霊の森の入口へと降り立つ。


「確かここで待てば....」


「♪〜〜〜〜〜〜♪〜〜〜」


ロイスが待っていると、微かに歌声が届いて来た。


「歌で出迎えられるのは、初めてに思いますね」


そう言い、ロイスは歌が聞こえる方へと歩いて行った。


「♪〜〜〜♪〜〜〜」


ロイスは聞き心地の良い歌にしばらく耳を貸していると、


「ご清聴ありがとうございました。」


そうニコリと笑いこちらを振り向き挨拶をしてくる、女の子。

外見は金髪の少女で、歳は6歳くらいだろうか?しかししっかりと自分の意思を持ち、無邪気な子供という感じではない、そして不思議な事に、精霊と人間の魔力の2種類を感じ取ることができる。


「初めまして、ロイスと申します。

綺麗な歌声に惹かれ、勝手ながら聴き入ってしまいました。」


「嬉しいご挨拶ありがとっ。

初めまして、精霊王アバンの娘、マリアと言います。

お父様に言われ、貴方をお待ちしておりました、次期竜王ロイス様。

私の旦那様になる人だと聞いています。」


マリアは屈託の無い笑顔で言った言葉に、ロイスは一瞬キョトンとなった。


「旦那様?ですか?

それは一体どう言う事でしょう。」


「私も詳しくは知らないのです。

お父様に言われたので、お父様に聞いてみてください。」


マリアはそう言い、精霊特有の魔力を流す。

すると、森の中に突如扉が現れ、マリアは扉を引いた。

中から精霊の森の澄んだ魔力が漏れ出し、清々しい魔力の風が、ロイスを包み込む。


「ではロイス様、ご案内いたしますね」


「よろしくお願いします」


マリアの後に続いて扉を通り抜けると、眼前には様々な精霊が姿を現し、楽しそうに飛び回っている。

気候は春のように穏やかで、精霊の澄んだ魔力を含んだそよ風が吹き、なんとも心地良い空間である。

マリアの後に続いて歩いていると、1人の精霊が声をかけてくる。


「マリア様、その人が将来の旦那様かい?素敵そうな人で、良かったねぇ」


言われたマリアは頬を赤らめ、


「ソマリスさんやめて下さい!恥ずかしいじゃないですか!」


マリアが可愛く怒ってると、ソマリスと呼ばれた精霊が「ふふふ」と笑いながら手を振って茶化してくる。

ロイスはキョトンとし、


「ソマリス様、婚姻の事は初耳でして、私も困っている所なのです。

それにおそらく正式なものでは無いと思いますので、あまり茶化さないで頂けると...」


ロイスの返答を聞いたマリアが、ロイスに振り返り、


「ロイス様は私とでは嫌なのですか?」

と悲しげに聞いて来た。


慌ててロイスは、

「いえ、そう言う事では、なにせ前例も何も無い事で、竜と精霊が婚姻などと想像も付かず、それにマリア様のような美しい方が、私などとは勿体無い話でありますので。」

ロイスは頬を赤らめ必死に言い訳をしていると、それを聞いたマリアも一層と頬を赤らめ、2人で照れくさそうにしているのを見たソマリスが、


「お似合いの2人じゃ無いかい、若いっていいわねぇ。」

とニヤニヤしながら、気まずそうな2人をほったらかして、去って行ってしまった。


その場で少しの間、照れる2人が可愛いのか、周りからの精霊の視線がとても恥ずかしくなり、ロイスが口を開く。


「マリア様、精霊王アバン様の元へお願い出来ますか?」


「はい!ついて来て下さい!」


そう言い、マリアは先程より少し早歩きで歩いて行ってしまった。

その後をロイスが少し微笑ながら続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ