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竜と精霊  作者: クリスタ
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魔王軍との対峙

ロイスが竜の島を飛び立ち、2時間程が経った時、魔の国バーダスのジゴン平原が見えて来た。 

しかし、遠目からもわかるような結界がジゴン平原の中心より少しバーダス側の場所に張られていた。

直径100m程のそれは外側から中が見えない仕組みになっていて、普通の人間なら、結界に進むといきなりガラスの壁にぶつかる様な物だろう。

ロイスが魔力探知で中の様子を探る。



「バイル様、もうすぐ魔法陣が完成します。」


「あぁ、奴隷と魔石の到着は予定通り明日には着くのか?ガラン帝国の軍が後1週間程でこちらに着くと情報が入っているが?」


「はい、奴隷も魔石も共に明日の昼頃には到着する予定で御座います。先程輸送部隊の者が知らせにまいりました。」


「なら到着次第直ぐに発動準備に取り掛れ、明日の夜に放射する。」


「かしこまりました、では失礼致します」


会話が終わったその瞬間、


パリンッ


バイル率いるバーダスの魔人の軍が張っていた結界が破壊された。


バーダスの軍は何事かと驚き、上空にいる、莫大な魔力を秘めた何かに畏怖した。


バイルもそれに気付き、上空にいるロイスに向かって叫んだ。


「竜族が何故ここにいるんだ!」


ロイスは人化し、ゆっくりと地上に降りて来た。

ざっと魔人の数を数えると50人程いるだろうか、全員がこちらを冷や汗をかきながら見ている、中には腰を抜かし、震えている者もいる為、ロイスは溢れる魔力を、極力0に近付けて、バイルに話しかけた。


「貴方がここの責任者ですか?この魔法の事はわかって使おうとしているのですよね?どこに撃つ気ですか?」


ロイスが魔力を抑えた為少し楽になったのか、バイルは落ち着きを取り戻そうと、小さく深呼吸し、ロイスの問いに答える。


「この魔法は超長距離魔法で、ガラン帝国の首都に向かって放つ予定だ。貴様は竜族ならこの星の状態はわかっているであろう!?邪魔はしないで貰いたい!」


「使った後の事は考えていますか?魔神様の指示ってことですよね?」


バイルは少し考えてロイスの問いに答える。


「使った後の事は、魔の国丞相のダラス様が処理すると聞いている。魔王様もそれに承諾し使用許可が出ている。魔神様については我々にはわからない事だ。」


ロイスは少し困った様な顔をし、バイルに考えを伝えた。


「では1日待っていて頂けますか?直接魔王様に聞いて来ますよ。もし待てないと仰るなら、今ここであなた方を殲滅する事もやむを得ないのですが。」


バイルは驚き、恐怖した。

いくらここにいる魔人全員で襲いかかっても、目の前の竜族には指一本も触れる事なく殺されるとわかる程の魔力を最初に感じていたからだ。

魔神様曰く、竜王は神に匹敵する強さを誇る。

単純に武力だけならば、神すら殺せると伝えられている。

目の前にいる、竜族が誰かはわからないが、わざわざここまで来て忠告してくるからには、竜王に匹敵する力を秘めているのだろうと考えている。


「わかった!どちらにせよ、動力が届くのは明日だ。

明日のこの時間くらいなら待っている。

全員作業は中止だ!今日は引き上げるぞ!」


バイルは周囲の魔人達に中止を宣言し、野営地にかえろうと、振り向き歩いて行った。

それを聞いた魔人達は、ロイスへの恐怖からか、我先へと野営地の方へかけて行く。


それを見届けたロイスはまた空中に飛び上がった後に竜の姿へと変わり、魔の国バーダスの首都バラヘルムの方へと飛び立った。


五分程飛ぶと、目の前に首都バラヘルムの中央にそびえ立つ、魔王城が見えて来る。

魔王城は基本ダークグレーの城壁をしており、中央に円柱型の塔の様なものが伸び、左右対称で、中央の塔より少し低い塔が2本建っている。

魔王がいるのは中央の塔の最上階で、このまま飛んで入る事も出来るが、竜の姿では全て破壊してしまうし、失礼にあたると思い、魔王城城門の上空で止まり、人化し、先程驚かした事もあり、自身の魔力を遮断し、降りて行く。


「貴様!何者だ!」


空からいきなりロイスが現れた為、魔王城の門番が手を前に突き出し、すぐにでも魔法を放とうと魔力を込めながら聞いた。


ロイスは動じる事なく、答えて行く。


「いきなり来て申し訳ありません、竜王ベルドランドの子ロイスと申します。魔王様にお取り継ぎ頂きたいのですが。」


ロイスが答えながら、竜の魔力を門番にだけわかるように少し解放して答えると、門番は驚き、片膝をついて礼を行い、


「失礼しました!竜王の縁者の方とは知らず、大変失礼な事を、お許しください。」


ロイスは微笑み、


「いきなり目の前に現れたのです、私こそ驚かせてしまいすいません。なるべく早く魔王様にお取り継ぎ頂きたいのですが、構いませんか?」


門番は立ち上がり、


「すぐに確認致しますのでしばしお待ちください。」


門番はそう言うと、直属の上司、魔王軍団長ラバールに念話を飛ばす。


「ラバール様、職務中に失礼します、現在城門前に、竜王ベルドランドの子ロイスを名乗るものが見えておいでです。」


「やはり来たか。魔王様のところまで、案内してくれ。私は丞相に連絡を取り、すぐ魔王様の元へ向かう。」


「畏まりました」


門番は念話を切り、ロイスへ顔を向け、答えた。


「ロイス様、謁見の許可が出ましたので、案内致します、ついて来て下さい。」


ロイスは門番の返事を聞くと、


「ありがとう、よろしくお願いします」


と答え、門番の後に続いて行く。



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