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竜と精霊  作者: クリスタ
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賢者マノンと超長距離砲

アンムートとの謁見から、ロイスは世界の情報を集めていた。


ロイスは現在、直径20mある球体の中で、各世界にいる、ワイバーンなどの竜種が見ている映像を、球体の内側に映し、戦争の痕跡や侵攻状況など、大規模なマナ使用をしようとしている場所を探していた。


「ロイス様」


球体の外から声が聞こえ、声の主がいるであろう場所の球体を、一部開けた。

そこには、見た目的には40代程の、肩まで金髪を伸ばした、美しい女性エレンが佇んでいた。


「1週間後の早朝に、バーダスとガラン帝国が開戦すると知らせが入りました。

凡その場所は、ガラン帝国北東にある、ジブラ海溝若しくは、その先のジゴン平原になるとの事です。」


ロイスは少し疑問に思い尋ねた。


「ガラン側が、海戦を選ばないなんて珍しいね」


ガラン帝国の本島の周りには100を超える島が点在しており、要所になる島には、誰も攻め入れない程の要塞が築かれ、守りに関しては世界1とも呼べる国であり、島国と言うこともあり、海や川などの戦に関して右に出る国はいない程の国である。

なのに、わざわざ陸に上がる理由がロイスには謎であった。


「はい、これは確証の無い話なのですが、バーダス側が、超遠距離砲と呼ばれる魔法の開発に着手しているらしく、その開発を阻止しようと、ガラン帝国側が攻め入る形になったと思われます」


ロイスは少し驚いた顔で、


「500年くらい前に、バーダスの街が一つ滅ぼされた魔法?あれを今再現するのは、不可能だよね?大気中のマナが圧倒的に足りない筈なんだけど......奴隷でも生贄にしてるのかな?それでも1万人くらいは必要だから、厳しそうだけど.......ちょっと調べてくるね」


そう言い、ロイスは球体を解除し、30m程上空に飛び上がり、竜の姿に変わると超高速でバーダス側の方角へ飛び立った。


ロイスは飛びながら様々な事に考えを走らせた。

まずは超長距離魔法だ、これは約500年ほど前に、当時最強と謳われた賢者マノンが使った魔法で、マノンの弟子のローラと言う少女が、魔人族に弄ばれ、虐殺された事により、マノンがその魔法で、犯人のいる魔族領の街一つを跡形もなく消し飛ばしたのが最初の発動である。

当時の聖皇国シュバルツの王アレス・シュバルツと王妃ミレーユ・シュバルツの説得により、一度の発動後、マノンによる使用はなされなかったが、その後70年程経過した頃に、マノンの弟子である、ソーキと言う魔術師がマノンの封印した、超長距離魔法の解読に成功し、聖皇国シュバルツ領の街を一つ消し飛ばした。

その後シュバルツの王アレスの子カーツと賢者マノンの話し合いにより、その魔導書の廃棄とソーキの処刑により、超長距離魔法の使用法は失われていた。

しかし、現在魔の国バーダスにより超長距離魔法を復活させるに至った経緯が謎であった。


もう一つはガラン帝国についてだ。

魔の国バーダスの内部情報の取得方法も謎だが、なぜ海戦を選ばすに、バーダスを攻め込むのかだ。

予測としては、バーダスがすでに超長距離魔法の使用をいつでも開始できる状態にあるのかもしれない。

この辺については行けばわかるだろう。


そしてロイスの思考は、バーダスへ行く途中、聖皇国シュバルツと魔の国バーダスの国境にある、魔の森、別名不可侵の森の最深部にある精霊の森について思考を巡らせた。


精霊王は星と共に生まれ、竜王は歴代の王の知識などを引き継いでいる為、2種族は親交が深い、また直接神と会話している国も、竜、精霊、魔の国バーダス、聖皇国の聖女の4ヶ国しか無い為に、比較的この4ヶ国は争い合わず、バランスを保つ形となっている。


その中でも精霊王は1番寿命が長く、世代交代などもしない、死ぬ概念が基本無い為、体が消滅してしまっても、星のマナが増えれば、また新しい精霊として生まれてくることが出来る為、各種族とは一線を期していると言っていいだろう。

その精霊の国がバーダスに行く途中にある為、帰りに一度、挨拶に寄ろうかとロイスは考えていた。


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