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竜と精霊  作者: クリスタ
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火と鍛治の神サラマンドース

3人が広場に着くと、ロックリザードが3体横たわっていた。


「ロイスさんが放った魔法の跡が全く見当たらないんですが、私のは何となくわかりますね。」


「私のレーザーは髪の毛より細くして、高熱を持たせてますからね。

この頭頂部にある少し黒いホクロみたいなのが私が放った魔法の跡ですね。」


マリアはその跡を見るが、


「ただのシミですねこれ。」


「ちなみに素材として売る場合、血抜きするか、このまま凍結させないと、全身に血が回って食材としての価値が下がるので、値段が下がってしまいます。

だから今回は凍結保存して、私の空間魔法で保管しときますね。

ロックリザードは血も高値で売れるはずなので。」


「ロイスさんは何でも知ってるんですね。」


とマリアが感心していると、


「南北時代の竜王が冒険者として暇潰ししてたみたいなので、そのおかげですね。」


「南北時代は結構荒れてましたよね?

お父様が唯一激怒したって言ってました。」


「あの時のアバン様は凄まじかったみたいですね。

当時の竜王も戦争には参加せず、南の国の首都にいたのですが、不可侵の森から遠く離れた場所なのに、アバン様の魔法を感知出来ていたみたいですね。

それより、ここでなら竜の姿に戻れるので、一気に飛んで行きましょう。」


と言い、ロイスは竜に戻り、マリアとシエルはロイスの背に乗り、飛び立って行った。


ロイスは一気に上昇し、エバフ山脈の1番高い山の火口付近まで飛んで行く。

途中、ロイスの姿を見つけたワイバーン達が大慌てしていたのはスルーした。


エバフ山脈

標高7584mと、この世界最大の山で、現在も火山活動を繰り返している。

山頂付近はサラマンドースが管理している場所で、噴火する事は無いが、神域として、普通の人間が立ち寄れる場所では無い。


その山頂付近の少し平らな場所にロイスは着陸する。


「少し熱いところですね、ここにサラマンドース様がいらっしゃるのですか?」


「はい、あそこに柱があるのが見えますか?

そこにサラマンドース様の鍛冶場があります。」


「サラマンドース様は鍛治もされるのですね。」


と喋りながら3人はサラマンドースがいる場所に歩いていく。

近付くにつれ柱の正体が露わになっていく。

柱ではなく煙突だったようだ、下には大きな鍛冶場があり、現在火は付いていないが、使い古された事がわかる。


3人は鍛冶場に着くと、片膝を付き、


「サラマンドース様、初めてお目にかかります、竜王ベルドランドの子ロイスと申します。

神々の使命の為、旅をしている最中にご迷惑を承知で立ち寄らせて頂きました。」


ロイスがこう述べると、


「かまへんよ、アーマンドの息子さん、うちもアーマンドには世話になったからねぇ。

堅苦しくせんでいいから、楽にしぃや。」


と言いサラマンドースが姿を現す。

赤髪ツインテールの若い女の子の姿だが、体付きはしっかりしている。

ハキハキした喋り方も明るい性格な印象を受けた。


「ありがとうございます。」


「そっちの子はアバンの娘やろ?アバンに子供が出来たって聞いて、ビックリしたわぁ。

そんで精霊の上位の子やなぁ、最近進化したんか?まだ若いねー。」


「初めましてサラマンドース様、マリアと言います。

お噂はお父様から予々伺っています。

よろしくお願いします。」


「サラマンドース様、初めまして、光の上位でシエルと言います。

よろしくお願いします」


とマリアとシエルも挨拶し、


「堅苦しくするんやったら消えるで?

何の用で来たんや?」


と言われ、ロイスが答える。


「まずは各地を回るつもりでいるので、各地方の神々に挨拶を、がメインですね。

後はその時に今後の各神々の考えなどを聞かせて貰えたら、私自身嬉しいですね。」


「そう言う事かいな、私的にはあんたが決めたらいいわよ、そう言う話で私らは決めたからね。

今更とやかく言う事は無いわ。

その責任や覚悟もあんたなら持ってるやろ?

まぁ押し付けてるようで悪い事してるのはわかってるけどね。

今を生きるあんたが、今後どうしたいかを考えて決めた事に私がなんか言う事は無いわよ。」


「はい、覚悟も責任も重々承知しているつもりです、それで母アーマンドとサラマンドース様の会話の中で、母から伝えられていない部分がありまして、それを聞きたくてまいりました。

人類の世界の起源と南北の王の役割についてです。

母に隠された部分が多く、わからない事だらけでして。」


「んーアーマンドには聞いたんか?」


「いえ、母の性格上聞いても無駄だと思い、この話はしておりません。」


「それで口の軽そうな私のところに来たんかいな。」


「すいません」


「まぁええわ、けどアーマンドが、隠してるんやったら私も喋れんな。

まぁけどヒントだけは渡したるわ。

南北の王達は、あんたと同じ使命を受けとったけど、私利私欲に走ったんやな。

どの神に言われたかまでは、教えられへんけどな。

人類の起源も、どの神にどう言われたんか調べたら、自ずと答えは出るわ。

私から言えるんはそこまでやな。」


「そうですか、わかりました。」


「その知識は持ってたんか。

私を試したんやな、厄介な小僧やなぁ」


と言いサラマンドースは笑い出した。


「大した事言えんかった代わりに、あんたに武器渡したるから、ちょっと待っとき。」


と言いサラマンドースは金槌を手に取り、鍛冶場に火を付けた。

サラマンドースが、左手を溶岩に掲げると、溶岩の中から光球がゆらゆらと飛んで来る。

光球が鍛治台の上に来て、サラマンドースが金槌を打ち付けると、眩い光が発せられ、3人は眼を瞑った。

光が落ち着いて行き、3人か眼を開けると、そこには一本の剣と一本の杖が置かれていた。


「この剣がロイスのやつで、この杖はアバンの娘のやつな。」


と言い、サラマンドースがこちらに投げて来たので、慌てて掴む。

掴んでみると、すぐにわかる。

剣に力があり過ぎて、今の自分には使い慣らせないと。

マリアも同様に思っただろう。


「あんたらにはまだ、早いかもしれんけどな、それ使えるくらい頑張りやって、事や。はっはっはっ」


とサラマンドースはまた笑い出す。


「ちなみにその素材はオリハルコンとヒヒイロカネを混ぜた私のオリジナルやからな。

大事に使いや、ほなもう帰り。」


と言い、サラマンドースは消えていった。

残された3人は、受け取った体制のままポカーンとなり、サラマンドースが消えかかって、


「「ありがとうございました」」


とロイスとマリアが叫んだ。



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