関所モズ
旅は順調に進み、マリアの人化特訓も順調に進み?3人は1週間歩き、もう少しでガンダーの手前にある玄関口と呼ばれる街、ドワーフ国関所街モズまで1時間と言うところに来ていた。
「もう少しでモズに着きますね。
モズには関所があって、ガンダーに入っても問題ないかの質疑がされますが、今回は身分を証明するものが何も無いので、アバン様に頂いたネックレスを見せようかと思います。
マリアは夜な夜な特訓してたみたいですが、人化の方は順調ですか?」
「バッチリよロイス!大人になったマリアを見て惚れちゃっても知らないんだからね!」
とシエルが何故か自信満々に言い出し、マリアはモジモジし、
「ロイスさん見てて下さい。」
と言い、変身する。
マリアの身長は160cmに伸び、胸は推定D、引き締まった腹筋に少し肉付きの良いヒップ、顔は綺麗とも可愛い系とも取れるバランスで、全体的に見ても非常にバランスの取れた姿をしていた。
服装もシエルと同じように、ブーツにショートパンツを履き、白シャツに赤のベストといった、姉妹コーデである。
「素晴らしいですね」
ロイスは見惚れてしまった。
その様子を見たマリアとシエルは、ヨシ!となっていた。
「それでは行きましょうか。」
と言い、3人はモズに向かって歩き出す。
3人は街道を外して歩いていた為、モズに着く少し手前で街道に出て、驚いた。
「凄い行列じゃ無いですか?」
「戦争の影響じゃないかしら?ガンダーに武器や防具を求めてやってくる商人の馬車がほとんどのようね。
馬車の手前に徒歩で進んで行く人達の後について行けば、少しだけスムーズに中に入れそうだけど、誰かに聞いてみないとわからないわね。」
「後方の馬車の人に聞いてみましょうか。」
とロイスが言い、馬車に近づいて行く。
「すいません、お尋ねしたいんですけど、よろしいでしょうか?」
「はい?なんでしょうか?ご覧の通り時間は有り余ってますよ。」
と商人風の人が笑いながら答えてくれた。
「馬車の人達と徒歩の人達で並ぶ場所が違うんでしょうか?」
「そうですよ、私達商人はみんな仕入れの為に馬車で来るので、手続きが色々あるし、馬車用の道も制限があるので時間が掛かるんですよ。
私の位置から考えると、後2日はかかりそうです。
一般の人がただ入国するだけだったら、馬車の列の左側を進んで行けば、すぐ入れますよ。」
と商人は苦笑いしながら答えてくれた。
「入国するだけで大変なんですねぇ」
「このご時世戦争ばかりで、武器と防具が売れに売れるからね。
稼ぐ為には仕方ないんですけどね。ハハハ」
「ありがとうございます。頑張って下さい」
「いえいえ、お役に立てたなら良かったです。
私はシュバルツに本店を構えてるガードロス商会のテッドって者です。
また機会があれば商会に寄って下さい。」
「覚えておきます、ありがとうございました。」
と言い、商人と別れ、ロイス達は馬車の列の横を歩いて行く。
「いい人でしたね、けどこの列で2日も待たされるんですか。」
とマリアが疑問に思い、ロイスが答える。
「ガンダーへの道は山道ですからね、馬車が通るには専用の広い道がいるから、それに時間がかかるんじゃないですかねぇ。」
「なるほど、けどそれだけドワーフの装備が優秀だと言う証拠ですね。」
と話しながら進み、3人は関所の前に着く、順番に身分を証明する物を提示し、前の人が通されていく中、3人の順番になった。
「次の方、身分の証明になる物の提示お願いします。」
とドワーフの門兵に言われ、ロイスは精霊王に貰ったネックレスを見せる。
「ちょっ!ちょっと待ってて下さい!」
門兵が慌てて関所の兵舎へ走って行く、それを見た周りの人達もなんだ?なんだ?とこちらを見てきて、ロイスは「しまった」と思った。
「すいません、面倒な事になるかもです。」
「どう言う事ですか?」
「アバン様に貰ったネックレス、思いのほか、効力があり過ぎたみたいです。」
門兵5人くらいが慌ててやって来る。
「お待たせしてすいません!先程のネックレスをもう一度拝見させて頂いてよろしいでしょうか?」
と言われロイスはネックレスを差し出した。
他の門兵より、装備が少し派手な門兵がネックレスを受け取り、何やら本をペラペラめくりながら、ネックレスと本を交互に見ている。
ピタリと本をめくる手が止まり、ジロジロとネックレスと本を交互に見てから、こちらに目を向けた。
「こちらのネックレスはどこで手に入れた物ですか?」
とロイスに聞き、ロイスは正直に答えた。
「アバン様から頂いた物ですが、何か問題ありましたか?」
アバンの名を聞き、一瞬沈黙が流れる。
「申し訳ございませんアバン様と言うのは、もしかして、精霊王の?」
恐る恐る門兵が聞いて来て、ロイスは頷いた。
少し偉いっぽい門兵が、本を持つ門兵を見て、2人で頷き合うと、
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
とロイス達3人に聞いた。
「ロイスです」
「マリアです」
「シエルよ」
と3人が答え、
「ロイス様、マリア様、シエル様、こちらはどうぞ」
と言われ、3人は他の人達と違う門の方へ通された。
門を抜けた先には、外に並んでいる商人の馬車より、明らかに豪華な馬車が用意されており。
「どうぞこちらへ、お乗り下さい。」
と促され、
「どう言う事ですか?」
とロイスが聞き、帰って来た言葉が、
「この馬車でガンダーへ行きますと、そのまま王ドボル・ガンダン様のいる城に行けますので。」
と言われ、ロイスは「しまった。」と思ったが、すでに手遅れだった為、諦めて3人は馬車に乗り込んだ。
「すいません、目立ちたくは無かったのですが、精霊王の紋章がここまでとは思っていませんでした。」
「ロイスはアバン様を舐めてます?
精霊王の紋章なんて、世界で数えるくらいしか持ってませんよ?」
シエルの指摘にガーンとなってしまうロイス。
と言うよりも、シエルにツッコミを入れられた事にだろうか?
そしてマリアも続く、
「ロイスさんて、何でも知ってそうで、意外と世間知らずなところがあるんですね。クスクス」
と言われ、1人落ち込んでいた。




