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竜と精霊  作者: クリスタ
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勇者様御一行

ロイス達3人はすぐに部屋を飛び出し、気配のあった場所にかけて行った。


「勇者様、今の子竜のうちなら、何とか倒せるんじゃ無いですか。」


「カイル、慌ててはダメよ、隙を見て仕掛けなきゃ、仮にも竜王の子竜よ、そこらへんの子竜とは訳が違うわ。

それに仮に倒せたとしても、子供を殺されたと知った竜王が報復に動きかねないわ。

しっかり計画を練って行かなきゃ、今は子竜の強さや見た目を観察しに来ただけよ、いいわね?手出しはダメよ。」


「わかってるよ、今の僕でも倒せるのか、どれくらいの差があるのか、確認しに来ただけだから、安心して。」


勇者カイルの御一行がヒソヒソと話していた時、

8人を囲う結果が張られ、8人は唖然とした。


「どういう事!隠密の魔法は使っていたのにバレていたの?!」


「こんにちは」


8人は突如上空から声がかけられ、戦闘体制に入りながら上に構えた。

上空にはロイス、マリア、シエルがゆっくりと降りて来ているのが見えた。


「変な気配を感じて来てみたのですが、私達に何か用でしょうか?」


とロイスが少し殺気混じりに質問すると、

勇者カイルが一歩前に出て答える。


「君が竜王の子だよね?初めまして、カイルと言います。

この世界に召喚された勇者です。」


カイルはロイスの殺気を浴びながら、冷や汗をかいて答えたが、意識を保つのが必死で、今にも逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。


「その勇者様が一体何のようですか?」


ロイスは勇者の力量がある程度わかったので、殺気を弱め、話しやすいようにしてあげる。


「あなたが、世界を滅ぼそうとしていると聞き、それを確かめる為にここまで来ました。

この話は本当ですか?」


「私が世界を滅ぼすですか?世界を救う為に動いてるのですが?」


「え?世界を救う為ですか?え?ミーナどういう事?」


ミーナと呼ばれたエルフの女性が答える。


「カイル、おそらく私達とこの竜族の方との世界の定義に食い違いがあります。

私達は世界=人族ですが、竜族の方々の世界とは人族以外を指しています。」


ミーナに言われ、カイルは驚いた。


「じゃぁ、この竜族は人を滅ぼそうとしているって事だよね?」


ミーナはコクリと頷き、カイルと共にロイスを見つめた。


「あなた方は世界とは何だと思っているのですか?人族の為の世界だとでも思っているのですか?それなら大変甚だしい事態なんですが、今のこの星の現状はわかっているのでしょうか?」


カイル達は何のことかさっぱりわからず、全員が黙り込む。


「今現在、この星では、星自身の維持に必要なマナがかなりの量不足しています。

このままでは100年後にはマナが枯渇し、50年後には小規模ながら星の崩壊が始まる状況です。

理由の大半は人族による大規模な戦争です。

戦争以外にも、人族が増え過ぎた為に、マナの使用量が増加しているのも原因の一つです。

精霊達もマナ枯渇により、年々数を減らして行ってるのが現状です。」


ロイスの話を聞き、カイル達は信じられないといった表情をしているが、現在の戦争の多さに、あながち作り話では無いとさえ感じていた。


「ではあなた方竜族は、人族を滅ぼして、星を救おうとしていると言う事ですか?

それ以外の道は無いと?」


「私の名前はロイスと言います、人族を滅ぼすとこが確定な訳では有りませんよ。

ただその選択肢もあるとは言っておきますが、私達は他の可能性が無いかを探す旅をしている最中です。」


カイルは少し考えこみ、後ろの7人に振り返って言った、


「全然聞いてた話と違うんだけど、どうすればいいんだろう。」


7人は深刻そうに話し合う。

エルフのミーナ、ドワーフのガンダン、ダークエルフのメナス、獣人のダール、魔人のマナンの順に話し出した。


「確かに私達が聞いていた話とも違うわね、一度帰って確認する必要があるかしら。」


「俺が聞いていた話も全然違うわ、逆にこの早いタイミングでわかって良かったかも知れない、どう足掻いても、ロイスと言う竜族と戦って勝ち目があるとは思えない。」


「えぇ、それには同感だわ、私達じゃ到底無理ね、カイルが覚醒いたらもしかしたらはあるかもしれないけど、ほぼ無理に等しいわ。」


「うーん、一度それぞれの里に戻るか。」


「しかし、人類を滅ぼす可能性は無くなってはいないぞ?大丈夫か?」


人族の1人と深くフードを被った1人が、


「しかしやるなら今じゃ無いか?後から滅ぼすと言われて手遅れにならないか?今ならまだ育ちきっていないぞ。」


「えぇやるなら今ね。」


と言いフードの人物が魔力を溜め出した、それに釣られ人族も魔力を溜める。


魔力を感知したロイスが、


「それは敵対行動と見ていいですね。」


と言い、姿を消した。

いきなり消えたロイスを勇者達は感知しようと探すがどこにも気配が無い。

次の瞬間、


パンッ!パンッ!


と言う音と、赤い水が勇者達に降り注いだ。

勇者達が振り返ると、人間とフードの人物がいたところに赤い水溜りが出来ていた。

慌てたドワーフのガンダンが


「待ってくれ!その2人が勝手にやった事なんだ!我々に敵対の意思はない!」


しかし、勇者が一歩前に出てロイスに叫んだ、


「お前は人の命をなんだと思っているんだ!そんな簡単に人を殺してなんとも思わないのか!連れの女の子を見てみろ!今にも泣き出しそうな顔になってるじゃ無いか!」


ロイスはマリアを少しみて、


「君は蚊を殺してごめんなさいと言うのですか?痒みも無く、ただ生きるだけに血を吸うなら、そこまで敵視される事も無いだろうが、痒くなったり病気を移す事で蚊は駆除の対象となっている。

その蚊と君たちの違いは?星のマナを枯渇させ、自分達が悪いとも思わず、放置すれば増えて行き、増えるとまた星に害をなす。

蚊と違って、頭を使い、言葉を使い、仲間を増やす分人族の方がよっぽど駆除対象なのですが?

それにマリアにはその覚悟は出来ているでしょう、じゃなければ帰らせるだけです。」


「人と虫を一緒にするな!人々の気持ちは!愛は!友情は!大切なものを守りたい気持ちに嘘なんてない!

そんな人達を滅ぼすなんて、絶対に許さない!」


「何が違うのですか?あなたは蚊が何を思い生きているのかわかるのですか?私からすれば、あなたと蚊の違いは会話出来るかどうかしかありませんよ。

私は人の命より、星の命が大切なだけですよ。」


とそこまで言うと、ロイスは後ろでフードの人物の気配を感じた。


「テレポート」


と聞こえた瞬間に、勇者達は姿を消した。


「まさかテレポートを使えるものがいるなんて、シエル、どう言う事か説明してくれますか?

あのフードの人物は間違いなく精霊でしたよね」



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