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竜と精霊  作者: クリスタ
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竜人の集落②

食事を終えたロイス達は、竜人達に連れられ、集落を見て回った。

酒場や生活用品店、街から来る人用の宿舎や竜人達の鍛錬場、後は鍛冶場や住居があるだけだ。

ロイスはふと気になった事を聞いた。


「ここには何人くらい暮らしているのですか?酒場や生活用品店などに利用するお金などはどうしてるのですか?」


同行していた、竜人族の1人が答える。


「質問に関しては私がお答えします。

バッツと申します、よろしくお願いします。

現在ここには85名の竜人が暮らしています、集落内で竜人達がお金を使う事はありません。

酒場ではひと月の消費量が一人一人決められています。

生活用品は事前にわかっているものは翌月に納品、急遽必要な物などは、狩りで仕留めた獲物や使わなくなった物などで物々交換になっています。

後は鍛冶場があるので、そちらで修理するか、素材を集めて製作してもらうかで、暮らしています。」


「なるほど、皆さん協力して上手く回っている感じなのですね。」


とロイスがいい、バッツの話を聞いたマリアが質問する。


「皆様、仲が良いのですね、胡椒を売ったお金はほとんど、お肉以外の食料や生活必需品などになるのですか?」


「そうです、奥様。

お金というよりは、胡椒と物資を交換の形が多いです、少しお金に変えたりはしますが、もしもの時の備蓄用で置いてあるだけで、ほとんど使いません。

お金だけあっても、食べられませんからね。

たまに物資が足りなくなる時があるので、その時は部隊長のヘイルガスさんの部下が2〜3名街に買い出しに行ってくれています。

ここから街までは往復で1週間かかるので、余程では無い限り行く事はありませんが。」


マリアは奥様と呼ばれ、顔を真っ赤にしながら必死に話を聞いていたのを、横からシエルに茶化される。


「奥様だって、良かったねぇ」


シエルのにやにや顔に我に返ったマリアが、


「こっ、胡椒はどうやって出来るのですか?」


「それでは、まずは胡椒の木から見て頂いた方が宜しいかと思いますので、集落の裏手の畑の方に参りましょう。」


と言い、バッツが先導するように歩き出した。

集落の裏側に出ると、およそ四方200mくらいの畑が広がっており、周囲を森に囲まれた不思議な光景であった。


「ここは主に葉茎菜類や根菜類などを育てている畑です、そしてその周りに森のように茂っているのが、コショウノキになりますので、近くに行ってみましょう。」


と言い、バッツは集落の柵に沿って、コショウノキがある方へ歩き出す。


「これがコショウノキになります、この緑色の丸い実が胡椒になります、緑色のまま収穫し、乾燥させた物が黒胡椒と呼ばれる物です。

畑の両サイドは主に黒胡椒用の木で、奥側にある木が白胡椒を作る木です。

白胡椒はこの緑色の実が赤色になるまで、成熟させ、水に浸し、皮を剥いだ物の事を指しています。

先程召し上がって頂いたお肉にかかっていたのが、黒胡椒で、白胡椒は少しマイルドな辛味になるので、スープなどに入れたりします。」


「これが胡椒になるんですね、思ってたより凄く手のかかるものなんですね。」


「収穫時期には忙しいですが、貴重な収入源なんで、それにロイス様に美味しいと言っていただけただけで、我々の日頃の苦労が報われました。

今日はお越し頂き、本当にありがとうございます。」


「いえいえ、あなた方が頑張って来た証ですので、胸を張って下さい。」


ロイスには作物を育てる事の大変さが伝わった為、心から感謝と尊敬の念を抱いた。

胡椒のような小さな物でも、手間暇をかけ、愛情を注いでるからこそ、美味しい物ができるのだろう。

バッツは感動のあまり涙ぐんでしまった。


「ありがとうございます、これからも美味しい胡椒を作り続けて行きます。」


その後も、胡椒を乾燥させる場所や農具などの使い方を紹介してもらい、夕方になったころ見学会は終了した。

一同は今日泊まる宿に案内してもらい、夜にはまた食事会をしたい事を伝えられて、バッツと別れ際に、


「本日はありがとうございました。

準備が出来次第お迎えにあがりますので、それまではゆっくりして下さい。」


「ありがとうございます、あまり大袈裟にはやらないようにお伝え下さい。」


とバッツにロイスが答え、


「私達からもありがとうございました。

貴重な体験をさせて頂きました。竜人の人達の生活が見れて良かったです。」


「私からも御礼を言わせて下さい。

貴重な体験ありがとうございました。」


とマリアとシエルも続いて御礼を述べ、バッツは帰って行った。

バッツと別れた3人は宿の主人に部屋を案内してもらうが、宿の主人が緊張で階段を踏み外し、落ちそうになっていた事は、見ないフリをした。


「こちらの部屋から順番にロイス様、マリア様、シエル様とお使い下さい。

月に一度商人が来た時くらいしか使いませんので、何も無い部屋で申し訳ないのですが。」


「いえ、屋根とベッドがあるだけで、充分過ぎますよ。

ありがとうございます。」


「勿体無いお言葉です。

では後ほどよろしくお願いします。

失礼します。」


と宿の主人に言われ、3人は各々の部屋に入って行った。

ロイスが部屋に入るとすぐに、


コンコンっと扉がノックされ、気配からマリアとシエルが来たのがわかった。


「入って貰って大丈夫ですよ。」


と言い、2人は部屋に入り、


「ロイスさん、少し気になった事があったのですが。」


「マリア達も気付いていましたか、これから少し見に行こうと思ってたところです。

一緒に行きますか?」


「私にお役に立てる事があるかはわかりませんが、連れて行って下さい。」


「大丈夫ですよ、気配からして大した事は無いと思うので。」


「気配からして、8人でしたよね?」


「ですね、シエルさんは何か心当たりありませんか?」


「人数だけで言えば心当たりはあるわよ、けどこんなに早くこんなところにいるのは不思議ね、今どうにかなる力は無いはずだし、自殺願望でもあるのかしら、ってのが私の意見よ。」


「どういった人達なんですか?」


「勇者様御一行よ」


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