竜王の間にて
「シエルさん先程はすいません、軽率でした。」
「構いませんよ、別に年齢とか気にしてませんのでwww」
「シエル!ロイスを揶揄わないで下さい!怒りますよ!」
「マリアも普通にロイスと呼べて良かったじゃない」
と言いシエルはケラケラ笑っていた。
マリアは顔を真っ赤に染め黙り込み、ロイスは少し体が揺れた気がした。
「少し飛ばしますね。」
ロイスはそう言い、マリアにかけていた風の結界を少し強めた。
マリアのだけ...
「あ"ー......あ.....」
シエルは必死にしがみ付くが、言葉が出ない。
1、2分程続き、無事島に到着した。
「はぁはぁ、覚えときなさいよロイス!はぁはぁ」
「あれ?結界かけてましたよ?」
「マリアだけじゃないのぉー!」
「何故、マリアの中に戻らなかったの?」
「あっ.....」
2人のやり取りを眺めていたマリアが笑い出し、
「ふふふ、2人とも凄く仲良くなってて妬いちゃいます!仲良いのは嬉しいですけど!」
「マリア!こんな人と婚姻なんて許さないわよ!今すぐ森に帰りましょう!」
「マリア、父と母に紹介した後、島を案内しますね、行きましょう。」
「お願いします」
ロイスの提案にマリアはニコニコしながら答え、ロイスの後に着いて行った。
「マリアー!」
シエルは半泣きになりながら追いかけて行く。
3人はまず竜王に挨拶する為に竜王の間に向かう、途中で出会った竜族達に2人を紹介していき、父ベルドランドに念話を飛ばす。
「父上、紹介しておきたい方がいるのですが、少し時間をよろしいでしょうか?」
「構わんぞ、今ならアーマンドも一緒だ。
部屋に来なさい。」
ロイスは返事をし、竜王の間に向かった。
「失礼します」
竜王の間の扉を開けると、ベルドランドとアーマンドが待っていた。
「お帰りなさい、ロイス。
アンムート様から話は聞いていますよ。
そちらがロイスの妻になる方ね?」
「竜王様、竜王妃様、お初にお目にかかります。
精霊王アバンとユーリの娘でマリアと言います。
不束な娘ですが、よろしくお願い致します。」
「マリアさん、言葉を崩して頂いて大丈夫ですよ。
私達が反対する理由はありませんからね。
むしろ娘が出来て嬉しいくらいです!
これからは、父、母と呼んでくださいね!
ロイス、泣かしたら母が許しませんからね!」
ベルドランドが横で引き攣った笑いを見せ、ロイスも苦笑いを止めれなかった。
シエルは終始ニコニコ...
「そちらにいらっしゃるのが、聖の精霊様ですよね?私も聖属性なので、とても暖かい気持ちになれます。
ロイスの事もよろしくお願いしますね。」
シエルはニコニコしながら、
「初めまして、シエルと言います、元はマリアの母の契約精霊をしておりました。
マリアが産まれた時に進化しましたので、まだまだ若輩の身ではありますが、全力でサポートするつもりです。
マリア共々よろしくお願いします。」
「上位の精霊様に若輩も何もありませんよ、各属性に1人の最上位精霊、その下に5名ずつの上位精霊の1人なのですから、自信を持ってください。
いくら私達が星のマナを必要とせずとも、精霊の方々とは切っても切れない関係なのですから」
とアーマンドは少し意味深な言葉を使った。
シエルはその意味がわかっているのか、
「そうですね、これからもよろしくお願いします。」
とだけ答えた。
ロイスの知識に無い事が母によって秘匿され、継承魔法に乗らないようにされたのだろう。
母が隠しているのなら、わざわざ聞く必要は無いと感じ、ロイスは話した。
「父上、母上、明日からこの3人で各地を回ろうと思っています。
まず最寄りの竜人の街から南に南下し、各国や途中の街などを回り、最終的に聖皇国で旅を終えるつもりです。」
それを聞いたベルドランドが、
「そうか、では今日は宴だな、せっかくマリアさんとシエル殿が見えているのだ、何もせず送り出す事は出来ないぞ。
誰か!街に宴の準備をしろと伝えろ!2時間後だ!」
と聞き、瞬時にロイスの世話係をしていたエレンが現れた。
「1時間で終えるように伝えます」
と言い消えて行った。
「ロイス、街を回ると言っていたな。
1時間後に中央の広場に来なさい」
「わかりました。
ではマリア、シエルさん、行きましょうか」
「はい、ではお父様、お母様、失礼致します。」
と言い、マリアは頭を下げ、シエルがベルドランドに向かい言葉を発する。
「竜王様、そして王妃様、少しお話よろしいですか?
アバン様からの言伝がありまして。」
「構いませんよ、それではロイスとマリアさんは街でデートでもしていらっしゃい。」
シエルの言葉を聞き、アーマンドが2人にデートを促すと、ロイスはきょとんと棒立ちになり、マリアは顔を真っ赤にして俯く。
シエルがニヤニヤしていた...
「では、マリア、案内しますので、行きましょう。」
「は、はい!」
と言い2人は街に繰り出した。
見送った3人は、2人が見えなくなると、
「では、改めまして、竜王様、王妃様、そしてアンムート様も聞こえてらっしゃいますか?」
と、シエルがゆうと、3人の頭の中で声が響いた。
「聞いていますよ、聖の精霊さん。
例の件で、アバンはなんとおっしゃってましたか?」
アンムートの質問に、少し間を置き、シエルは答える。
「はい、アンムート様がおっしゃっていた通り、大陸南西部にある、集落で人間、エルフ、ダークエルフ、魔人、ドワーフ、獣人、そして種族のわからない者が各2人の計14人が召喚魔法により、勇者を召喚した事実を現地の精霊達が確認しました。
うち、各種族一名ずつは召喚魔法の代償により死亡し、現在は計8名で行動を共にしてると思われます。
勇者の目的に関しては、現在ハッキリした答えはでていませんが、アバン様曰く、竜族及び現存する神4人の殺害が目的だと考えておられます。」
それを聞いたベルドランドが、
「現在その8人の居場所はわからぬのか?我が向かって消して来るが?」
「現在現地の精霊に調査させていますが、何か特殊な技能を使っていて、一切痕跡が無い状態です。
ですので、私もロイスさんに着いて行き、調査に参加しようと考えてます。
ですので、ロイスさんにこの事を話しても構いませんか?」
シエルが遠慮気味に聞くと、アンムートが答える。
「構いませんよ、ロイスさんにはいろいろな経験を積んでもらわなければ行けませんので、積極的に行動してもらって下さい。
けど、ロイスさんの本来の目的は50年後の星の行方ですので、そこら辺は考えて動いて下さい。」
「わかりました。
マリアにはまだ、この手の話は早いと思いますので、2人になった時にでも伝えておきます。
報告は以上ですが、何かアバン様に言伝などありますか?」
シエルの問いにアーマンドが答えた。
「実はロイスの力には制限を掛けています。
主に私の能力なのですが、伝えていない事も多いです。
継承魔法で力は渡してありますが、知識自体は封印してるので、あるキッカケが無ければ外される事もないでしょう。
おそらく勇者の過去の能力を考えると、対峙した時には封印の解除をしなければ、厳しい戦いになるとおもいます。
後でシエルさんに伝えますので、その時が来たらお願いします」
「わかりました。この命に変えましても、果たしてみせます。
他に何も無ければ私も街を見に行っても大丈夫ですか?
竜の島に来れる事はそうそう有りませんので」
と言いワクワクした顔でシエルが聞くと、
「構いませんよ、言って来て下さい。」
とアンムートが答えた。
「ありがとうございます!それではまた何かあれば連絡しますので!」
と言い、シエルは姿を消した。
そしてベルドランドが口を開く、
「とりあえずこちらでも、情報を集めます。
アンムート様も何かあればよろしくお願いします。」
「もちろんですよ。
しかし、出来ればロイスに自力で解決してもらいたいです。」
と言い、アンムートの声は消えて行った。




