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竜と精霊  作者: クリスタ
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世界樹にて②

「そんな経緯があったのですね、こう言う時は転生をお祈りいたします。でいいのですかね?心から思います。」


ロイスもまた話を聞き、一度も会っていないだろうマリアと母ユーリの再会を願った。


「ありがとうございます、ロイス様、私自身まだまだわからない事ばかりで、勉強中なんです。」


「我々精霊達が転生を繰り返して来てるのはロイスさんもご存知かと思います。

しかしマリアは6年前に生まれたばかりで、人の6歳と知識は変わりません。

我々精霊によってある程度は人よりは優るかも知れませんが、まだまだこれから覚える事は沢山あるでしょう。

そこでロイスさんにお願いがあるのですが、アンムートから聞いたところ、ロイスさんはこれから旅に出て、使命の執行の有無、もしくは改善策をお探しになると聞いています。

それにマリアも連れて行ってはくれませんか?

いえ連れて行って下さい。」


ロイスは驚いた、とともにマリアが自分を旦那様と言っていた事がなんとなくわかった。


「おそらくアバン様も、お分かりかとは思いますが、私がこれから行う事は険しい道のりですよ?

マリアさんが100%安全という保証はどこにも無い旅ですし、私自身も人族の国で、どう言った行動に出るかわからない旅ですが、大丈夫ですか?

最悪の場合国と私で戦争なんて事もありえますけど。

連れて行くからには、全力で守る事は誓いますし、精霊の方々は余程の事がない限り大丈夫とは思いますが、絶対の保証はありませんよ?」


それを聞いたマリアがテーブルに手を付き、身を乗り出して応える。


「大丈夫です!創造魔法はここでしか使えませんが、精霊魔法ならなんでも使えます!まだ子供ですが、そこら辺の人族なら何人いても大丈夫です!

ですからお邪魔じゃなければ連れていって下さい。

どの道、私には知らなければならない事が沢山ありますし、この世界を知るには残りの50年では足りません。

ですから少しでも、自分で見て回りたいのです。」


「50年で終わらせるつもりは無いですよ。

最悪の場合は魔族も含め全人族の排除も視野に入れています。

マリアさんにはその覚悟はありますか?」


そう言いロイスは真剣にマリアを見つめた。

ロイスの覚悟を知り、マリアも既に覚悟は決まっているように語り出す。


「私の母は人です。

精霊の父と人族の母を持つ私だから出来る事があると考えています。

今の人々には私も思う所はありますが、母の契約精霊をしていた子の話を聞く限り、必ずしも人が悪だと決め付ける気にはなりません。

お父様や精霊のみんなからの愛を感じ、私がみんなの為に何か出来る事が無いか?と考えるように人族にも愛が溢れていると考えています。

けど今の私ではそれを知る事は叶いません。

ですからロイス様の旅にお供し、いろいろな事を知りたいのです。

お父様や他の神様達からロイス様の話を伺い、ロイス様のやるべき事もわかっているつもりです。

しかしその前に私にもいろいろな事を知る機会を与えて下さい。」


そう言い、マリアはロイスに頭を下げた。

ロイス自身あまり反対する気は無かったのか、返事はあっさりしたものだった。


「わかりました。

まだ私自身準備出来ていない部分があるので、出来次第迎えに来る様にしますね。」


ロイスはそう言い席を立とうとする。


「ロイスさん、これから島に戻るのですよね?

マリアも連れて行ってくれませんか?

竜の島も見せときたいと思ってまして。

アンムートには私から話は通しときますので。」


アバンがそうゆうと、マリアは嬉しそうに答えた。


「竜の島に行けるのですか!ロイス様是非お願いします!」


ロイスは微笑み。


「アバン様からアンムート様にお話して頂けるのでしたら構いませんよ。

早速行きますか?」


「少し待ってて頂けますか?お世話になった人や母への挨拶や荷物の準備をしたいので。」


「わかりました。

準備できるまでここで待たせていただきますね。」


「はい!すぐ戻ります!」


そう言いマリアは駆け出して行き、ロイスはカップに注がれていた紅茶を一口飲んだ。


「この紅茶美味しいですね、どちらの物ですか?」


「実は世界樹の葉で作った物なんですよ、取った訳ではなく、落ち葉になった物で作ってますけどね。

それでも竜族や人族の皆様には様々な効果があるので、味と言うよりは、回復成分などで、身体が勝手に美味しいと感じてしまうんでは無いですかね。」


ロイスはなんて贅沢な!と内心呟く。

世界樹の葉と言えば、治せない病や怪我が無いほどの万能薬である。

市場にこの茶葉が出回れば戦争すら起こるかも知れないだろう。


「この茶葉を少し分けてもらう事は可能ですか?無理なら全然構わないのですが。」


「こんな物でいいのですか?

ロイスさんにはマリアを連れて行って頂けるお礼に、少し特殊な物を渡そうと思っているので、それと一緒に包ませて貰いますね。」


「ありがとうございます。

特殊な物とは?あまり大層な物は旅の邪魔になってしまうので遠慮したいのですが。」


「大丈夫ですよ、私達精霊が多種族に有効の証として渡しているネックレスに、少し私が手心加えただけなので、そんなに気にする物ではありませんよ。

旅のお役に少しでも立てば、程度の物ですから。」


「そう言う事でしたら、遠慮なく頂きます。

ありがとうございます。」


「マリアに会った時、婚姻の話をされましたよね?

実は今すぐにとは言いませんが、後に2人には正式に婚姻して貰いたいと考えてます。

一応これは私とアンムート2人の考えです。

おそらくこのまま行けば、人族の殆どはロイスさんによって排除されるでしょう。

その後は魔の国や聖皇国も交え、新たな王が必要とされると私達は考えています。

その王として、ロイスさんには立ち上がって頂きたい。

そして竜族の王となると、人々からすれば畏怖の対象です。

ある程度、力で抑える必要はありますが、やはり愛情も持って欲しい、と考えマリアを妻にと考えています。

今はまだ子供ですし、人から生まれた精霊ですが、私達純粋な精霊と同じく悠久の命は持っていると考えています。

私達精霊は約1000年に一度の周期で転生を繰り返しますが、マリアはおそらく500年に一度の周期になるでしょうが、転生は出来ると思うので、ロイスさんの相手にはピッタリでは無いですか?

それにロイスさんに足らない部分もマリアなら補えるでしょう。

ですから婚姻の話は前向きに考えて下さいね。」


「そう言う事でしたら、しかし私達がこの星の王となるのですか?なかなか厄介そうな話ですね。

それにマリアさんは転生出来るみたいですが、私達はただ知識と力を継承してるだけに過ぎません。

私自身、何一つ経験していない若輩者ですよ?

マリアさんに相応しいとは思えないのですが。」


「まぁそう言わず、現状で我々が考える最善策がそうなだけで、ロイスさんが旅の途中で良い案が出れば、それでも構いませんよ。

まぁ頭の片隅にでも置いといて下さい。

婚姻に関してもです、こればかりは無理強いは出来ませんが、私は2人の婚姻が相応しいと思っています。」


「わかりました。

婚姻はなるべく前向きに考えてみます。」


そう言いロイスは苦笑いで応えた。


話終えると、丁度マリアが準備を終え持って来た。


「お待たせしました。いつでも出発出来ます!」


と言ったマリアは大きなボストンバックくらいの鞄を3つ抱えていた。

体の大きさに不釣り合いな量の為、動きづらそうだ。


「ロイスさん、先程言っていた物です。

こちらのネックレスには精霊王の紋様と、もう一つのマリアに渡すネックレスと念話が出来る魔法と不意の攻撃などから一度は守られる魔法が掛かっていますので、無くさずに肌身離さずに付けておいて下さいね。

それと茶葉はこちらに入っていますので、また無くなったら取りに来て下さい。」


「とても貴重な物をありがとうございます。

ところでマリアさん、その荷物は全部必要な物なのですか?何が入っているのでしょうか?」


「ロイス様、女性の荷物の中身を聞くなんて配慮に欠けますよ?女性というものは荷物が多いものなのです!」


「すいません、そういうつもりでは。

では空間魔法で私が持ちますので、お預かりしていいですか?」


「ロイス様は空間魔法も使えるのですね!ではこちらの荷物だけお願いしていいですか?

この荷物は自分で持ちますので!」


マリアはそう言い、鞄3つをロイスに渡し、一回り小さなリュックのような鞄を肩に掛けた。


「ではアバン様、おもてなしありがとうございました。」


ロイスが軽くお辞儀をしながら答え、


「いえ、マリアのことよろしくお願いしますね」


とアバンが答え、


「お父様、行って参ります。

また近くに寄ったら顔出しに来ますね。」


とマリアも挨拶をし、ロイスが聞く


「アバン様、ここから飛んで行っても大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ、姿を変えるなら少し上に上がってからお願いしますね。」


「はい、心得ております。

ではお邪魔しました、マリアさん上空で竜の姿に戻りますので、背に乗って下さい。」


「いいんですか!?わかりました!

お父様、それでは。」


とマリアが手を振り、2人は上空に飛び、竜の姿になったロイスの背にマリアが座り、2人は飛び立って行った。


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