37話
進級したアクオス達(ほぼ留年はない優しい(?)世界)
――結局、あれからローゼルトがアクオス達の前に現れることはなく、たまにレクルトが話をしにくるくらいでとても平和な日々が過ぎ、気づけば彼らは学年も上がり、入学した当初と比べると当時の新入生は現在半分くらいになり、さらに寮に残っているのはそのもう半分といったところだろう。
そしてまた寮の部屋は3階になり、アクオスはセイルとフォルトと同じ部屋になった。
その際もベッドについて話し合いが行われ、入ってすぐにある部屋をセイルとフォルトが、奥にある扉の向こう側をアクオスが使うことで話がつき、3人はさっそくそれぞれのタンスに荷物を詰め込んでそれが終われば食事の時間までのんびりと話をしたり、教科書確認を行うのだった。
「そういやアクオス、今度実技で結界の確認作業やるんだって?」
「あぁ、うん。ある程度はわかってるんだけどね、属性結界系とか細かく効果範囲わかった方がいいかなって思って先生に頼んだんだよね」
「でも、結界ってそんなに種類があるなんて知らなかったよ」
フォルトのなんでもないようなその言葉にアクオスは一瞬なんとも言えないような表情をしたが、すぐになんでもないような顔で苦笑いを浮かべた。
「でももともとは細かい名称とかはほとんどなかったみたい」
そもそも本来、彼らの使う魔法に固定の名称というものはなく、ただ魔法を放つ時に自身が一番イメージのしやすいものを名称として使っているだけで
だからこそまったく同じ呪文になる人はそうそうにいないのだ
なお、学年があがったことにより、座学は極端に減り、授業のほとんどが身体を動かす実技系となるのだが、その中には魔法だけはなく、魔法を使わない格闘や魔法を含んだ格闘などの授業も入ってくるようになった
もちろんというか、それらの授業でもセイルが意気揚々とやる気満々だったのは言うまでもなく……
そしてそれらの授業の合間には新入生の頃と変わらず派遣のバイトを続けていた。
その派遣のバイトもとても簡単なものから複数人で行わなければならないものまでと様々なもので
選りすぐりを選んで受ける者もいれば、なんでも来いという精神でほぼ隙間なく受けまくる者もいて
一部の生徒はすでに3年分の授業料分を確保している者もいたりする。
また、1年時には受けることのできなかった種類の派遣も受けられるようになり、アクオス達がさっそくその派遣を受けたのは言うまでもなかった。
ただ、そのバイトがとある人物の警護手伝いなのだが、派遣事項にはそのとある人物については書かれておらず、そしてその警護対象であるとある人物がかなりの有名人で、そしてアクオスにとってはすでに顔なじみになりつつある者だということにはまだ彼らは気づいていなかった。
いったい誰の警護なんだろなー
まぁぶっちゃけ、アクオスが学校を卒業するまで大した話の進展はないと思いますよ。
結界の話をしたり、派遣の話をしたりするくらい




