36話
――ローゼルトは、アクオスの結界に触れようと手を諦めずに伸ばそうとしたところで護衛達に無事回収され、そのまま城の方へと連れられていったのだった……
だが、正直ローゼルトが現れた位置に問題があったのだ
「えっと……ヒルグさん大丈夫ですか?」
「ムリ……あーいうのムリ……」
アクオスの目線の先には男子寮があり、その入り口にはそこの監理人であるヒルグがいて、青い顔をしていて肩に乗るブラックバードが心配そうにその様子を見ているようだった
「あの、レクルト様がまた来るようだったら頼んでおきます……」
「悪いけどヒセント頼むわ……」
ヒルグのその様子はどう見ても警戒というレベルのものではないのだが、そのことに触れてはいけないということぐらいその場にいたアクオスはもちろん、セイル達もその理由がわからなくとも理解はできていたのだ。
と、いうよりも彼がそんな状態になるようなことを受けたことがあるのだと察するくらいには彼らは空気を読むことが出来ていた。
それから数日後、レクルトが慣れたように現れ、アクオスもまた慣れたようにいつものお店へと移動した。
目的はもちろんローゼルトのことだが。
「やはり来ていたか……」
「ボクは結界があるからまだ問題はないですけど、寮の監理人さんが女性がダメらしくて」
「あー……監理人ヒルグか……彼の件はこちらも手だしのしにくい案件だったからな……」
アクオスはその言葉を聞いて一瞬迷い、それからすぐにレクルトに尋ねた。
彼女の名を
「サティ・ディスタ……ですよね?」
「知って……! あ、そうか……ヒセント家の長男の嫁候補だったか……」
「というかボクも襲われかけたからですけど……やっぱりそうだったんだ……」
「聞いたのか」
何がとは言わなくてもわかるからこそアクオスはわずかに頷き、それを見たレクルトはなんとも言えない表情で言葉を続けた。
「まぁ、ディスタ家はもうないけどな」
「……んん?」
「知らない方がいいこともあるんだよ。それよりローゼルトのことは悪かったな」
「また来られたら困る……姫様だけどあの目はボクにはとても気持ち悪くて……」
「そう、だよな……とりあえず母様を通して注意はしとくよ。あいつは俺に対して少しいろいろあるからな……」
「王族も大変なんだね」
「だから友達に!」
「なりません」
王子であるレクルトとヒセント家の次男アクオス、会話を繰り返すうちに2人は友達ではないけども気づけば少しだけ気安い関係になりつつあるのはレクルトの性格のおかげなのか、アクオスの柔軟さのおかげなのか。
そのあたりはわからないが、のちに彼らは間違いなく友人関係になるのは言うまでもなかった……
そしてまた、ローゼルトがあれだけのことで行動を諦めるはずもなく……
実は学校生活の1年生の話はここまで。
次からは進級済みですよ!(ただし3人とも寮生活継続)
そしてネタメモ一部どっかいった(主に寮あたりのメモ)探さなきゃ……




