第27話 好きだと気づいた、そのあと
黒瀬由香が。
好き。
「…………」
気づいた。
昨日。
正確には。
ずっと前から。
気づきかけていた。
でも。
認めたのが。
昨日。
そして。
認めた結果。
「朝倉君」
「…………」
「朝倉君?」
「……何」
「これ」
「…………」
プリント。
黒瀬。
俺の机。
横。
立ってる。
「先生が後ろ回してって」
「ああ」
「うん」
「…………」
「…………」
近い。
いや。
普通。
いつも。
これくらい。
「じゃあ」
「うん」
黒瀬。
戻る。
「…………」
何だ。
これ。
昨日まで。
普通に。
話してた。
クリスマス。
二人で。
出かけた。
初詣。
袖。
掴まれた。
毎日。
ゲーム。
してる。
なのに。
好き。
そう。
分かっただけで。
全部。
違って見える。
「湊」
「何」
陽斗。
にやにや。
「何」
「いや?」
「言え」
「黒瀬来ただけで固まってた」
「固まってない」
「固まってた」
「見んな」
「分かりやす」
「うるさい」
「…………」
陽斗。
少し。
笑う。
「やっと気づいた?」
「…………」
「何に」
「それ聞く?」
「…………」
俺。
教科書。
開く。
「湊」
「何」
「顔赤い」
「暖房」
「便利だな暖房」
「うるさい」
◇
昼休み。
「朝倉君」
黒瀬。
「何」
「昨日のチョコ」
「うん」
「本当に美味しかった?」
「美味しかった」
「ほんと?」
「全部食べた」
「全部!?」
「食べてって言っただろ」
「言ったけど」
黒瀬。
嬉しそう。
笑う。
「そっか」
「うん」
「よかった」
「…………」
可愛い。
「…………」
無理。
目。
逸らす。
「朝倉君?」
「何」
「何でそっち見るの」
「別に」
「またそれ?」
「…………」
水瀬。
向かい。
俺。
見る。
黒瀬。
見る。
「…………」
「何」
「朝倉君」
「うん」
「今日変じゃない?」
「普通」
「由香」
「何?」
「朝倉君、今日変だよね」
「やっぱり?」
「…………」
二対一。
「変じゃない」
「いや」
玲司。
「変」
「藤堂まで」
「俺も思う」
陽斗。
「橘は黙れ」
「何で俺だけ!?」
小宮山。
俺。
じっと。
見る。
「朝倉君」
「何」
「体調悪い?」
「違う」
「ならよかった」
「…………」
優しい。
小宮山。
普通。
話せる。
水瀬。
普通。
話せる。
黒瀬。
「…………」
「朝倉君?」
「何」
「また見てる」
「見てない」
「見てた」
「…………」
ダメ。
すぎる。
◇
昼休み。
終わり。
「湊」
玲司。
「何」
「ちょっと」
「どこ」
「廊下」
「…………」
連行。
◇
「で」
玲司。
「何」
「何があった」
「何も」
「黒瀬と」
「…………」
「昨日」
「チョコもらった」
「それは知ってる」
「何で」
「橘が朝から騒いでた」
「あいつ……」
「手作り?」
「うん」
「…………」
「何」
「それで?」
「それでって」
「何か気づいた?」
「…………」
何で。
こいつら。
分かる。
「玲司」
「何」
「…………」
言う?
でも。
誰かに。
言ったら。
本当に。
なる。
いや。
もう。
本当。
なんだけど。
「俺」
「うん」
「…………」
「黒瀬のこと」
「うん」
「…………」
声。
小さくなる。
「好きかもしれない」
「…………」
玲司。
黙る。
「何」
「いや」
「何」
「『かもしれない』なんだ」
「…………」
「そこ?」
「どう見ても好きだろ」
「うるさい」
「やっとか」
「何が」
「俺と橘」
玲司。
壁。
寄りかかる。
「結構前から分かってた」
「…………」
「いつ」
「クリスマス前くらい」
「早くない?」
「遅いのはお前」
「…………」
そう。
なのか。
「で」
「何」
「どうする?」
「何が」
「告白」
「しない」
即答。
「早いな」
「無理」
「何で」
「…………」
言うのは簡単。
好き。
付き合って。
でも。
そのあと。
黒瀬。
どうする。
「今」
「楽しいから」
「…………」
「ゲームして」
「学校で話して」
「みんなで遊んで」
「たまに二人で出かけて」
「…………」
「それ」
玲司。
少し。
笑う。
「結構すごい関係だけどな」
「分かってる」
「なら」
「だから」
俺。
息。
吐く。
「壊したくない」
「…………」
初めて。
言葉。
出た。
「俺」
「うん」
「友達」
「…………」
「黒瀬が初めてだから」
玲司。
何も。
言わない。
「友達と」
「うん」
「こういうとき」
「…………」
「どうすればいいか分からない」
好き。
それ以前。
だった。
俺は。
誰かを。
好きになって。
友達。
関係。
変わる。
そんな。
経験。
一度も。
ない。
「もし」
「黒瀬が俺のこと」
「…………」
「友達としか思ってなかったら」
「…………」
「気まずくなるだろ」
「可能性はある」
「ゲームも」
「うん」
「今までみたいにできなくなるかもしれない」
「そうだな」
「だったら」
「でも」
玲司。
遮る。
「何」
「このままなら絶対何も変わらない」
「…………」
「それでいいなら」
「…………」
「別にいいと思う」
それで。
いい。
黒瀬。
友達。
それで。
「…………」
『黒瀬に彼氏できても平気?』
陽斗。
言葉。
思い出す。
「…………」
「嫌そうだな」
「何で分かる」
「顔」
「…………」
「まあ」
玲司。
歩き出す。
「今すぐ決めなくていいだろ」
「うん」
「好きだって気づいたの昨日なんだろ?」
「…………」
「何で分かった」
「今日のお前見れば」
「…………」
「とりあえず」
教室。
戻りながら。
「黒瀬避けるのだけはやめろよ」
「避けてない」
「避けてる」
「…………」
「向こうからしたら」
「うん」
「何もしてないのに急に態度変わったことになる」
「…………」
確かに。
「分かった」
「ならいい」
◇
放課後。
「朝倉君」
「…………」
来た。
「何」
「今日」
「うん」
「一緒に帰れる?」
「…………」
普通。
いつも通り。
「帰れる」
「よかった」
「うん」
避けるな。
玲司。
声。
頭。
「じゃあ行こ」
「うん」
◇
外。
寒い。
「朝倉君」
「何」
「マフラー」
「…………」
黒瀬。
くれた。
マフラー。
今日も。
してる。
「使ってるね」
「寒いから」
「またそれ」
「本当に寒いし」
「…………」
黒瀬。
笑う。
「でも嬉しい」
「…………」
好き。
分かった。
あと。
その。
『嬉しい』
破壊力。
上がってる。
「黒瀬も」
「え?」
「ブレスレット」
「あ」
袖。
少し。
上げる。
「今日もつけてるよ」
「学校で?」
「うん」
「毎日?」
「…………」
「ほぼ」
「…………」
「何」
「いや」
「朝倉君がくれたから」
「…………」
やめて。
ほしい。
いや。
やめてほしくない。
どっち。
「…………」
「朝倉君?」
「何」
「やっぱり今日変」
「そう?」
「うん」
「どこが」
「私と目合わない」
「…………」
バレてる。
「朝は合った」
「すぐ逸らした」
「昼も」
「逸らした」
「…………」
「今も」
「…………」
見る。
黒瀬。
目。
合う。
「…………」
「…………」
無理。
逸らす。
「ほら!」
「ごめん」
「何で謝るの」
「…………」
「私」
黒瀬。
少し。
不安そう。
「何かした?」
「…………」
違う。
完全に。
逆。
「してない」
「ほんと?」
「うん」
「じゃあ何?」
「…………」
好きだと。
気づいたから。
言える。
わけ。
ない。
「ちょっと」
「うん」
「考え事」
「何の?」
「…………」
「秘密」
「また?」
「うん」
「…………」
黒瀬。
少し。
頬。
膨らませる。
「最近秘密多い」
「黒瀬もだろ」
「私は」
「初詣」
「…………」
「もう一個のお願い」
「あれは秘密!」
「同じ」
「違う!」
「何が」
「私のは」
止まる。
「…………」
「何」
「いつか」
「うん」
「叶ったら言う」
「…………」
「だから待ってて」
「分かった」
「朝倉君も」
「え」
「その考え事」
「…………」
「いつか教えて」
「…………」
いつか。
言える。
日。
来る?
「分かった」
「約束」
「うん」
◇
駅。
向かう。
少し。
沈黙。
でも。
気まずい。
感じ。
じゃない。
「朝倉君」
「何」
「ゲーム」
「うん」
「今日やる?」
「やる」
「よかった」
「何で」
「今日ずっと変だったから」
「…………」
「ゲームも断られるかと思った」
「断らない」
「ほんと?」
「うん」
「…………」
「黒瀬?」
「よかった」
また。
それ。
「朝倉君」
「何」
「私」
「うん」
「朝倉君とゲームする時間」
「…………」
「かなり好きだから」
「…………」
心臓。
止まる。
「…………」
「あ」
黒瀬。
固まる。
「違う!」
「何が」
「時間!」
「…………」
「ゲームする時間が好きって意味!」
「分かってる」
「変な意味じゃないから!」
「分かってるって」
「…………」
顔。
赤い。
俺も。
多分。
赤い。
「朝倉君は?」
「何」
「…………」
「私とゲームするの」
「好き?」
「…………」
それ。
答えるだけ。
簡単。
「好き」
「…………」
黒瀬。
止まる。
俺も。
止まる。
「ゲームするの」
「…………」
「分かってる!」
「ならいい」
「…………」
黒瀬。
前。
歩く。
耳。
赤い。
「…………」
好き。
たった。
二文字。
別の。
意味。
つけただけで。
こんな。
緊張する。
いつか。
本当の。
意味で。
言えるのか。
◇
夜。
ゲーム。
『敵左』
『分かってる』
『詰める?』
『まだ』
『了解』
以前と同じ。
黒瀬。
Yuu。
俺。
Nagi。
敵倒す。
カバーする。
蘇生する。
言葉。
少なくても。
動き。
分かる。
「…………」
好きだと。
気づいても。
ここ。
変わらない。
少し。
安心。
する。
『ナイス!』
『黒瀬も』
『今日調子いい』
『俺のカバーのおかげ』
『はいはい』
『事実』
『じゃあ私のキルのおかげ』
『それも事実』
『素直』
『いつも素直』
『嘘』
「…………」
笑う。
普通にできる。
好きでも。
普通に話せる。
◇
試合。
終わる。
一位。
『久しぶり』
『何が』
『二人で一位』
『そう?』
『最近玲司君ともやってたし』
『ああ』
『やっぱ』
少し。
間。
『二人だとやりやすいね』
「…………」
『うん』
『最初からだから』
『うん』
『朝倉君』
『何』
『覚えてる?』
『何を』
『初めてフレンド申請した日』
「…………」
覚えてる。
忘れる。
わけ。
ない。
『覚えてる』
『私』
『あの時めちゃくちゃ迷った』
『そうなの』
『うん』
『野良の人にフレンド送ったことなかったから』
「…………」
『じゃあ何で送ったの』
既読。
少し。
止まる。
『また一緒にやりたいと思ったから』
「…………」
最初。
から。
『朝倉君とやるの』
『楽しかった』
「…………」
『俺も』
『ほんと?』
『フレンド申請来たとき』
『うん』
『めちゃくちゃ嬉しかった』
送る。
今なら。
言える。
『人生初の友達だったし』
既読。
『…………』
『何』
『それ』
『うん』
『今聞いても』
『ちょっと嬉しい』
「…………」
『黒瀬』
『何?』
『ありがとう』
『急に何』
『フレンド申請』
「…………」
『してくれて』
長い。
間。
『うん』
『どういたしまして』
そして。
『私も』
『何』
『受けてくれてありがとう』
「…………」
もし。
あの日。
黒瀬が。
フレンド申請。
送らなかったら。
俺。
今。
どうなってた。
昼。
一人。
休み時間。
寝たふり。
放課後。
バイト。
ゲーム。
それだけ。
だったかもしれない。
陽斗。
玲司。
水瀬。
小宮山。
こんな。
仲良く。
なってなかった。
クリスマス。
初詣。
バレンタイン。
全部。
なかった。
「…………」
黒瀬。
だった。
始まり。
全部。
◇
二月。
後半。
放課後。
「朝倉君」
「何」
「進路希望」
「ああ」
紙。
持ってる。
三年。
目前。
進路。
大学。
「朝倉君どこ書く?」
「まだ決めてない」
「そっか」
「黒瀬は?」
「私も迷ってる」
「県内?」
「うーん」
少し。
考える。
「県外もありかなって」
「…………」
県外。
「朝倉君?」
「何」
「どうしたの」
「いや」
大学。
県外。
卒業。
したら。
黒瀬。
いなくなる。
「…………」
まだ。
一年以上。
先。
なのに。
胸。
少し。
重い。
「朝倉君は?」
「分からない」
「県外?」
「金かかるから」
「…………」
「あ」
言った。
「そうなんだ」
「うん」
「…………」
黒瀬。
何か。
聞こうと。
する。
でも。
やめる。
「そっか」
「うん」
それだけ。
家。
金。
バイト。
黒瀬。
まだ。
知らない。
いつか。
話す。
そう。
約束。
してる。
「黒瀬」
「何?」
「…………」
今。
話す?
いや。
「春休み」
「うん」
「どっか行く?」
「…………」
黒瀬。
目。
見開く。
「二人で?」
「嫌ならみんなでも」
「二人!」
「…………」
「二人がいい!」
「…………」
即答。
「そう」
「あ」
黒瀬。
顔。
赤い。
「いや!」
「何」
「みんなとも行きたいけど!」
「うん」
「朝倉君が誘ってくれたから!」
「うん」
「だから!」
「分かった」
「…………」
笑う。
「じゃあ行こ」
「うん」
「どこ?」
「これから決める」
「何でもいいは禁止だからね」
「覚えてたの」
「一生禁止って言った」
「そうだった」
「楽しみ」
「うん」
俺も。
楽しみ。
今度は。
言葉に。
する。
「俺も」
「…………」
黒瀬。
笑う。
「うん」
◇
三月。
学年末試験。
終わる。
終業式。
近づく。
ある日の。
昼休み。
「二年終わるな」
陽斗。
「早かった」
小宮山。
「三年受験だよ」
水瀬。
「嫌な現実」
玲司。
「修学旅行ある!」
陽斗。
「三年?」
「あるだろ!」
「それまでに受験のこと忘れたい」
「無理」
「玲司冷たい!」
六人。
笑う。
俺も。
笑う。
「…………」
昨年。
二年。
始まった。
春。
俺。
ここにいなかった。
正確には。
教室にいた。
でも。
誰とも。
話してなかった。
昼。
一人。
弁当。
食べて。
周り。
声。
聞いて。
早く。
昼休み。
終われ。
思ってた。
今。
「湊」
「何」
「春休みどっか行こうぜ」
陽斗。
「いいよ」
「…………」
陽斗。
止まる。
「何」
「即答!?」
「何で」
「昔なら絶対『バイト』って言ってた!」
「予定合えば」
「それでも成長!」
「うるさい」
「朝倉君」
小宮山。
「何」
「私も行きたい」
「うん」
「私も!」
水瀬。
「俺も予定合えば」
玲司。
「黒瀬は?」
陽斗。
「行く!」
「よし!」
「…………」
黒瀬。
俺。
見る。
少し。
笑う。
俺も。
分かる。
六人。
遊ぶ。
それとは。
別。
俺たち。
二人。
約束。
ある。
「…………」
それが。
少し。
嬉しい。
◇
終業式。
帰り。
「じゃあな!」
陽斗。
「グループ連絡する!」
水瀬。
「またね」
小宮山。
「春休み」
玲司。
「うん」
四人。
先。
帰る。
俺。
黒瀬。
二人。
「二年」
黒瀬。
「うん」
「終わったね」
「まだ春休みあるけど」
「学年は終わり」
「そうだな」
「…………」
教室。
見る。
机。
並んでる。
「朝倉君」
「何」
「二年生」
「うん」
「楽しかった?」
「…………」
最初。
聞かれたら。
何て。
答えた。
多分。
普通。
とか。
別に。
とか。
それくらい。
でも。
今。
答え。
決まってる。
「楽しかった」
「…………」
黒瀬。
笑う。
「私も」
「うん」
「…………」
「朝倉君」
「何」
「昨年の春」
「うん」
「私たち」
「ほとんど話してなかったね」
「そうだな」
「同じクラスなのに」
「うん」
「それが」
黒瀬。
少し。
笑う。
「ゲームでは毎日一緒にいたんだもんね」
「知らずに」
「変なの」
「本当に」
「…………」
少し。
沈黙。
「でも」
黒瀬。
「うん」
「あのとき」
「うん」
「フレンド申請してよかった」
「…………」
俺。
黒瀬。
見る。
「俺も」
「うん」
「受けてよかった」
「…………」
「黒瀬」
「何?」
「俺」
言葉。
選ぶ。
好き。
まだ。
言えない。
でも。
これだけは。
言いたい。
「二年」
「うん」
「黒瀬と友達になれて」
「…………」
「よかった」
黒瀬。
目。
少し。
見開く。
そして。
「……うん」
笑う。
「私も」
「…………」
「朝倉君と友達になれて」
「うん」
「本当によかった」
「…………」
友達。
その言葉。
まだ。
少し。
痛い。
でも。
前ほど。
嫌じゃない。
好きになったからって。
友達だった。
時間。
消える。
わけじゃない。
黒瀬は。
俺の。
初めての。
友達。
それは。
これからも。
変わらない。
そして。
今は。
それだけじゃない。
ただ。
それだけ。
◇
校門。
「じゃあ」
黒瀬。
「春休み」
「うん」
「約束忘れないでね」
「忘れない」
「ほんと?」
「うん」
「どこ行くか考えてね」
「黒瀬も」
「もちろん」
「何でもいいは禁止」
「それ俺の台詞」
「ふふ」
笑う。
「じゃあまた」
「また」
黒瀬。
歩く。
数歩。
進む。
「あ」
振り返る。
「朝倉君!」
「何」
「三年も!」
「うん」
「同じクラスだったらいいね!」
「…………」
前なら。
『そうだな』
それだけ。
だった。
今は。
「俺も」
ちゃんと。
言う。
「黒瀬と同じクラスがいい」
「…………」
黒瀬。
止まる。
「……うん!」
大きく。
笑う。
「私も!」
手。
振る。
今度こそ。
帰る。
「…………」
俺。
その。
後ろ姿。
見る。
三年。
同じクラス。
なれたら。
いい。
六人。
全員。
同じなら。
もっと。
いい。
そして。
いつか。
言えるだろうか。
友達として。
じゃなく。
黒瀬が。
好きだと。
「…………」
今は。
まだ。
分からない。
でも。
以前の俺とは。
一つだけ。
違う。
逃げ続けようとは。
思わなかった。
いつか。
ちゃんと。
言いたい。
黒瀬に。
俺の。
本当の。
気持ちを。
そう。
思えるように。
なっていた。
高校二年生。
終了。
友達なんて。
いらない。
そう。
思っていた。
一年前。
今。
俺には。
五人の。
友達がいる。
その中に。
人生で。
初めてできた。
友達がいる。
そして。
その子を。
俺は。
好きになった。
次に。
教室の扉を。
開けるとき。
俺たちは。
高校三年生になる。




