5日目
2話投稿します。
何故かって?短めだからですね。
【軍隊】は10人ずつの3チームに別れての進軍を開始した。
今まで大人しかった【軍隊】のいきなりの攻撃にプレイヤー達はなすすべも無く倒されていく。
どんなに隠れていようと優秀な隠密がプレイヤーを見つけ出す。
30人全員が並以上の武器防具を装備していて連携も完璧・・そんな【軍隊】相手では【ソロ】はもちろん【パーティ】もなす術も無く倒されていく。
最終日は倒されたら1日待機のペナルティを受ける事はなく全てのプレイヤーが復活できる。
だけど【軍隊】の戦闘能力を考えればそんなのは只の餌でしかないだろう。
「あははははっ!圧倒的だよ!凄いね僕達は!!」
マルスは笑いが止まらなかった。
どんな相手でも倒すのに数分も掛からない。10人の連携のとれた攻撃に成す術も無く倒されていく。
奥の方から黒髪の少女が歩いてきた。
白いワンピースの所々に血が飛んで模様を作っている。
マルスの隊にいる隠密が震える声で報告する。
「ほ、包丁少女・・・」
隠密は少女の通り名を言うと、後にゆっくりと倒れた。
見ると頭に矢が刺さっている。
マルスの頭が真っ白になる――が、瞬時に回復、直ぐに指示を出す。
「散れぇ!相手は一人だ、パターンAで行くぞ!」
マルスの指示を受けて放心していた他の仲間も頭を切り替えて瞬時にバラバラにサヤを囲む。
5人の大柄な男達が槍を使ってサヤの動きを止めて後ろから弓を構えた女性が3人、サヤを狙って矢を放つ。
サヤは濡れ鴉で一人の男を斬り裂き陣を崩し、その斬り裂いた男の頭を持ちあげて矢の盾に使って攻撃を防ぐ。
槍を振るう残り4人の攻撃を濡れ鴉を使って受け流すが、サヤは後ろからの攻撃に気付く事が出来なかった。
「――っが!?」
サヤは後頭部に強い衝撃をうける。
どうやら指示をしていた少年・・マルスの攻撃を受けたみたいだ。
まだ死ぬまでは行っていないが足がふらついて、視界が揺れている今では死ぬのも時間の問題だろう。
相手はまだ9人もいる。連携もキチンと取れている相手だ。
逃げるしかないが・・逃げられるかな?
幸いにも私の後には窓があり退路はある。
だけどこいつらはその逃げる隙を与えてくれないだろう。
そんな中、男が現れた。
顔を黒い布で覆った男――身長や体格からして少年のような男は武器を持たずに通路をフラフラと歩いていた。
マルスの顔に緊張が走る。あれが誰なのか理解したからだ。
しかしその少年の事を知らない者もマルスの【軍隊】にはいる。その一人が少年を甘く見たのか、ポイントを得ようと攻撃を仕掛けた。
包丁少女を追い詰めた事から得た自信が彼の行動を大きくしたのだ。
「おい誰かジンギスを止めろ!」
マルスは叫ぶがもう遅い。
ジンギスと呼ばれた少年の首は何時もとは反対の方向を向いていた。
ジンギスは何が起こったのか分からないまま光になって消えた。これは彼からしてみたら幸いだっただろう。
マルスが確信した。あいつは間違いなく【無音】だと。
彼に力押しは通用しない。それは前の戦闘や隠密の報告から予想ができた。
どうやったか分からないが、格が違うステータスを持っている男、それが無音というプレイヤーだとマルスは評価していた。
そしてその考えは間違いじゃなかったと思い知らされる。
・・・
サヤはこの騒ぎを見逃さなかった。
マルス達の注意が無音に行っている内にと窓ガラスを開けて外に出る。
そして転がるように逃げ出していった。




