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バトル×バトル  作者: トカゲ
包丁少女編
5/13

4日目

後半戦です。





大会も4日目になり、城内では大きく分けて3つの勢力に別れ始めていた。


徒党を組んで少ない人数を袋叩きにする【軍隊】

少数で連携を重視する【パーティ】

そして一人で戦い続ける【ソロ】


そしてソロプレイヤーの中でも異質な空気を出しているプレイヤーが2人いた。


【包丁少女】と【無音】


パーティを傷一つ負わずに倒したと噂される【包丁少女】と15人の集団相手に生き残った【無音】は他のプレイヤーから格が違うと言わせるには充分だった。


ソロプレイヤーはこの2人には出会わないように隠れていたし、軍隊やパーティは要注意人物として意識するようになっていった。


・・・


【無音】ことデュアンは4人組みのパーティを相手にして戦闘中だった。

デュアンは小柄でとてもじゃないが強そうには見えない。

顔全体を黒い布で覆っていて少し不気味だが、ただそれだけ。それだけの少年に見える。


普通、そんな少年には絶対に勝てるはずもない人数差だ。だけどデュアンは怯えたりはせず余裕を崩そうとしない。


理由はデュアンの装備品にあった。

この城の隠し部屋にあったボーナスアイテム【孤独の宝飾】

これがあるおかげでデュアンは4人の武器持ちを相手に余裕を見せる事ができているのだ。


【孤独の宝飾】一人でいる(会話もしてはいけない)時間が長い程、身体能力が上がる。5分以上同じプレイヤーと視線を合わせるか会話をすると上昇ステータスはリセットされる。


このアイテムをデュアンは大会初日に発見してからずっと装備をして、一言も言葉を発していない。身体能力は既に超人の部類だ。


デュアンは武器を持っていない。持つ必要もない。

軽く壁を殴るだけで城の壁にクレーターを作る事ができる今のデュアンにとって、武器は邪魔なだけの物でしかないのだ。


「ヤタとムームーは右から頼む!フルールは後に下がって弓援護よろしく!」


リーダーらしき男が他のメンバーに指示を出す。

それを聞いたメンバーは指示通りに動きだすがそれでは遅い。

今のデュアンには『指示を聞いている』瞬間に敵との間合いを詰める事ができる。


デュアンはフルールと呼ばれた少女に近づき両腕を握りつぶす。


「いやぁああああああああああっつ!!!?」


突然の痛み、そして目の前にはいるはずのないデュアンの姿・・・

ゲームだから痛みという物は最低限に抑えられている。腕を握りつぶされても精々しっぺされた程度の痛みだ。しかし精神的なものは違う。


フルールは未知の恐怖に襲われていた。人間離れした動きをしたデュアンの事がもはや人間に見えなかったのだ。


「いや・・いやいやぁ!!」


フルールは恐怖のあまり暴れはじめるが、デュアンはそんな彼女の頭を掴むとグルンと力まかせに回した。


ボキン


鈍い音を立ててフルールの頭は横に2回転し、そして光になって消えて行った。

その光景に驚いて固まっているリーダーらしき男に向かって蹴りを放つ。


「ちくしょう!おいっ、俺が抑えるからその内に攻げ――」


リーダーらしき男はギリギリでデュアンの蹴りを避けて残った仲間に指示を出そうするが、蹴りを終えたデュアンの続けざまの右ストレートが脇腹に当たり、言葉を詰まらせる。

動きを止めたリーダーらしき男の顔に膝蹴りを叩きこむ。

男の顔が凹み、そのまま光になって消えて行く。


残った2人にはもう戦闘ができる状態ではなかった。

リーダーと支援が真っ先にやられて残されたのは近接戦闘が2人だけ・・


しかしデュアンはそんな2人にも容赦はしない。

拳を握り残った2人を光へと変えて行った。


・・・


デュアンの戦闘を3人組の男達が覗いていた。

3人の姿は誰も彼も黒一色で固められていて、見るからに隠密といった感じ。

3人は見た目だけでなく、役割も隠密そのものだ。

【軍隊】で情報集めを任せられた男達はデュアンの身体能力や性格を調べる為に3日目からデュアンに張り付いている。


【軍隊】は30人の大所帯だ。

彼等はリアルでも友人関係であり、絆もそれなりに強い。

とある高校の部活メンバーである彼等は最初、お世辞にも連携のれの字も取れてはいなかった。

仲は良かったがそれだけだ。大会に出てもカモでしかなかった。


そんな彼等が変わったのは一人の転校生がやって来た時だ。

転校生は人の良い所を見抜く目とそれを有効に使う知恵を持っていた。

彼はパソコン部に入り部員を導き・・そして彼等は強くなった。


【軍隊】は一枚岩だ。ほころびはない。

彼等は油断をしない。慢心もない。弱さを知っているからだ。


・・・


本館 地下1F 避難室


4日目にして【軍隊】は準備を完了していた。


「さぁ、進軍を始めるとしよう。」


【軍隊】のリーダーである転校生の少年マルスは軍帽をかぶり直し仲間達に指示を出した。


「進軍・・いや、蹂躙だ。蹂躙を開始するとしようじゃないか。僕達は弱さを知っている。その辛さもだ。さぁ、それを強い奴等に教えに行こうじゃないか。」


マルスはそう言った後右手を上げて歩きだす。


「僕達は強くなった。今からそれの証明と行こうじゃないか。」


後ろから聞こえる【軍隊】の叫び声が部屋を揺らした。



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