表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バトル×バトル  作者: トカゲ
包丁少女編
4/13

3日目

私は物置きに置いてあったクローゼットを寝床に改造して作った【隠れて使える素敵ベッド】の中で眠りにつこうとしていた

こういう復活ルールがある大会の場合、殺して恨みを買った相手からどう隠れて休憩するのが問題になってくる。

ゲームの中とはいえ眠らないとフラフラになるし、ストレスはお肌に良くない。

しかし私は3日目にして6人も殺している。いや、大会は6日間しかやらないんだしこれ位は普通だとは思うんだけどね。

まぁ、普通は3日目くらいから本格的な戦闘が始まるから、スタートダッシュをした私は少なからず狙われている・・と思うんだよね。

それ以外にも隠し実績の報酬である濡れ鴉を持っているっていうのもある。

濡れ鴉狙いのプレイヤーも出てくるだろう。


だから他のプレイヤーから隠れる場所は他の人より必要なんだ。

そこでこの素敵アイテムである【隠れて使える素敵ベッド】が必要になってくる訳だ。

この素敵ベッドは寝心地もさることながら中の音を絶対に漏らす事がない防音仕様!

欲を言えば防弾使用までやりたかったけど素材がなかったんだよね。


「昨日から徹夜でこれ作ってたから体がだるいや・・」


今日は昼過ぎからの活動でいいかな。

そう思い私はゆっくりと眠りに落ちて行った。


・・・


城内ではある噂が流れていた。

それはジルダスという男から発生し、その後に復活した3人の男の怯え様によって噂が広まっていく。


――この大会には包丁を手にした凄腕のアサシンがいる


その噂は他のプレイヤー達は包丁を手にした少女に恐怖する。

開始1時間も経たない内に1人殺し、その日の内にあと3人を殺した凄腕のアサシン。

彼等はそのアサシンの事を【包丁少女】と呼んで警戒を強めた。


・・・


私は目を覚まして時間を確認するとすでに時間は17時を回っていた。これは不味い。

大会中でポイントを競い合っているのに余りにもベットの寝心地が良すぎて寝過ぎてしまったみたいだ。

工作の腕が職人レベルの私が憎いわ!


私はベットから起きて城内の探索をする事にした。

時間的に1日目に殺したプレイヤーも復活しているだろうしより注意して行かないといけないかな。

この大会には150人ものプレイヤーが参加している。

そんなに人数がいるんだから直ぐに戦闘になりそうなものだけれど、実際はそうでもない。


みんな気配を消して隠れながら移動しているから、全然出会えないんだ。

簡単に出会えるのは戦闘に自信があるバカか初心者しかいない。

後は隠れていそうな場所を探したり気配を敏感に察知する必要があるんだよね。

もうこうなるとバトルっていうかかくれんぼに近い。


見つけてるまでが大変なんだよねぇ。見つけた後の戦闘は楽しいからいいんだけどさ。

私は濡れ鴉を右手に持ったまま廊下を歩いている。

本館は5階建の建物だ。私の今居る所はその中の1Fになる。

的である他のプレイヤーを探して散策している訳だけれど、どうやら1階には誰も居ないみたいだ。

広すぎて出会えていないだけかもしれないけど。

今の私は気配なんか隠さずに堂々と歩いている。ここまで他のプレイヤーが慎重だと探すのが面倒臭いからだ。

後手に回る事になるけど、そっちの方が簡単で良い。

欠伸をしながら廊下を歩いて行くと初日に殺した男・・確かジルガスとか言う人が大ナタを持って廊下を塞ぐように仁王立ちしていた。


「よぉ、久しぶりだな。殺してやるよ、包丁少女ぉ!」

「なにそれ私の事なの?包丁少女って。」


ジルガスは何も言わずに大ナタを構える。


「何とか言いなさいよ。」

「そうだよ。包丁少女、お前の事だよ!お前、派手に動いてたもんなぁ。今やお前の噂でもちきりだぜ?」

「なによ、なんか嫌ねぇ、そんな通り名。」

「知らねぇよ、そんなの!」


ジルガスはそう叫ぶと大ナタを構えたまま私に向かって走り出す。

私も腰に挿した包丁を左手に持ち、濡れ鴉をジルガスに向けて構える。


「ま、別にいいけどさ。今度は瞬殺されないでね?」

「こ、のクソアマァッツ!!」


私の挑発にジルガスは面白いように乗って来てくれた。

扱いやすい単純バカみたいだ。

怒りで冷静さを失ったジルガスの攻撃は勢いだけの直線攻撃だ。

こんなの冷静になれば小学生でも避けられる。

私は一歩後に下がってジルガスの大ナタを紙一重でかわし、それと同時にジルダスの右腕めがけて濡れ鴉を振り下ろす。

流石に後ろに下がりながらの攻撃だったので右腕を斬り落とすことは出来なかったが、少し傷を付ける事はできたみたいだ。

ジルガスは舌打ちをして再度突進してきた。バカの一つ覚えと言いたいところだが、それは甘い考えだろう。

私は左手に持っている包丁をジルガスに向かって投げ、ジルガスの動きが止まったのを見てから更に後に下がり距離を取る。


空いた左手には初日に調理場から拝借した酒の入った瓶を持つ。

右手に酒瓶を持ちかえてジルガスに向かって投げる。

ジルガスはそれを難なく避けるが、ジルガスが酒瓶を避けた瞬間、石を酒瓶に投げ当てて瓶を割る。

ジルガスは瓶自体は避けられたが中の酒自体はまともに浴びた。

酒が目に入ったジルガスは一瞬隙ができ、その隙をついて私はジルガスに近づいてからマッチを使ってジルガスに火をつけた。


「あっちぃ!?」

「うわー、こんなに燃えるのね。」


ジルガスはゴロゴロと転がって火を消そうとしてる。

そのまま見ているのもなんなので転がっているジルガスに蹴りを入れて動きを止めてから濡れ鴉で止めを刺す。


「うーん、やっぱり武器持ちが増えてるなぁ。もうちょっと気をつけないといけないかも。」


ジルガスがどれくらいの強さなのか判断できないが、苦戦する強さなのは間違いなかった。

武器を持っただけであの強さが手に入るとは思えないが、ジルガスクラスの強さがこれから増えてくると思うと少し憂鬱だ。

他のプレイヤーの強さを測る為に私は廊下を歩きだした。


・・・


結果だけ言うと、ジルガスの強さはこの大会の中では上位に位置することが分かった。

ジルガスと戦った後に4人の武器持ちと戦ったが誰も彼もジルガスの足元にも及ばない強さだった。

濡れ鴉もジルガスを含めて5人の血を吸った事で輝きを増した。これならもう武器の差で負けるなんて事はないはずだ。

私の目標順位は10位以内、かなり難しいけれど、もう射程圏内に入ったかな。

私はあと数日で手に入るスカーフの事を考えて薄く笑った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ