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ゴロゴロゴロ・・・・
橘達は今、アクションや遺跡探索でお馴染みの【大岩が転がってくる】系の罠に引っかかって逃げているところだ。
原因は村田だ。うっかり壁のスイッチを押してしまい、遺跡探索のお約束に近いこの追いかけっこが始まった。
因みに遺跡は最初入ったときの廃墟のような姿から一変し、今はしっかりと補強された遺跡らしくない昔のままの姿を残しているので、大岩が何かに引っかかって止まるということはないだろう。
もうすぐ行き止まりだ。このままではこれでゲームオーバーになってしまう。
「おい、あそこ横道が見える。そこに飛び込めーー!」
宮田が少し先にある横道を発見して叫び、橘と村田はその声の方を見る。
確かに少し狭いが右側に通路が見える。3人は急いでその通路に滑り込んだ。
滑り込んだ瞬間、大岩が壁に当たる音がした。さっきの道は大岩に塞がれてしまい、もう後戻りはできない。横道に入ってしばらくして
ボッ、ボッ、ボッ、ボボボボボボ・・・・
壁に付いているロウソクに火が勝手に灯されていった。
この雰囲気からしてどうやら最奥が近いようだ。
「結局隠された秘宝は5つしか見つけられなかったか。」
橘は悔しそうに呟いた。
隠された秘宝はすべてビンビンジョーンズの過去作品に出てきた秘宝だ。つまり今作の【クリスタルのブラ】以外に19個の秘宝がこの遺跡には隠されているのだろう。
その半分も見つけることができなかった事に橘は悔しさを隠せなかった。
「気にすんなよ。通路もかなり枝分かれしてたし、一方通行な所も少なくなかった。充分だと思うぜ?」
宮田が励ますように橘の肩をポンポンと叩く。
瞬間、村田の叫び声が聞こえた。
「ふ、2人共、ちょっと来てよ!通路をギロチンが移動してて先に行けないんだ!」
村田の方に急いで駆け寄ってみると、確かにそこの通路はギロチンの刃が振り子のように左右に揺れていた。しかも一箇所じゃない。それが均等に5つ設置されている。そしてその奥に最奥の間らしき扉が見えた。
扉の手前には龍の銅像が置かれている。
「ん?なんかここに文章が彫り込まれてるぞ?」
宮田が指を差した壁には確かに文字が刻まれていた。
【死神の刃からは逃げよ。龍に喰われし時、死の時間は止まる。】
最後にしてようやく謎解きっぽいのが出てきた。
まぁ、これはビンビンジョーンズ15作目【プラチナニーソックスの謎】に出てきたやつに酷似している。なので橘には拍子抜けもいいところだ。謎解きにもならない。
「これは振り子みたいに揺れる刃を避けて、龍の口の中にあるスイッチを押せば刃は動かなくなる。ってことだな。」
橘の考えに宮田も頷いた。横の村田は真っ青な顔になっている。
当然この中で足が速く反射神経が1番の自分がスイッチを押しに行く事になると分かっているからだ。
「「じゃあ頼んだ。」」
橘と宮田は声を揃えて村田を見た。村田は泣きながら反論したかったが、反論しても自分が行くという事実は変わらないだろう。村田は諦めることにした。
「成功確率を上げるために手に入れた秘宝を装備するんだ。」
「え?それは嫌だなぁ。」
村田は橘の提案を拒否しようとした。流石に秘宝を装備するのは恥ずかしいものがある。
なんか人間として超えちゃいけない一線を簡単に超えてしまいそうな気がする。
「何言ってんだよ。お前の生存確率を上げるためだろうが。つべこべ言うな。」
しかし問答無用といった感じで宮田が黄金のブリーフを村田の前につき出す。
これは逃げられそうもない。仕方なく村田は手に入れた秘宝を装備し始めた。
まずは【黄金のブリーフ】これは素早さを上げる。
次に【白銀のブラジャー】これは防御力を上げてくれる。
最後に【青銅の鼻ピアス】これは反射神経を上げてくれる。因みに牛が付けてるみたいなやつだ。
他の秘宝は武器だったり、効果が今回必要のない物だったので装備しなかった。
秘宝で身を包んだ村田は輝いて見えたが、それは変態方面に傾いた輝きだった。
橘と宮田は笑いを抑えようともせず転がりながら爆笑している。
村田は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしながらギロチンへと向かって走っていった。
見た目はともかく装備の効果は凄まじかった。
あんなに速く感じていたギロチンの刃がスローモーションにみえる。
簡単に避けることができる。これは凄い。
3つめの刃を抜けた瞬間、石つぶてが壁から発射され、突然のことに村田は当たってしまった。
石つぶてはかなりの速さだった。普通なら気を失ってもいい位の威力はあるはずだ。
橘と宮田もこれには焦って笑いを止めたが、【白銀のブラジャー】で防御力が上がった村田には傷一つない。
秘宝は確かに恥ずかしい装備だが、性能は抜群なのだ。
村田は危なげなく龍の銅像までたどり着くと龍の口に手を入れてスイッチを押すとギロチンの刃はその動きを停止した。




