2話 宣戦布告
宴の日の次の朝。
空は快晴で、気持ちのいい朝であった。
――しかし、
そんな朝を壊すような声がゴアス村に響いた。
――――――
「冒険者になるなんて、あたしゃ、ゆるさんよ!」
ある大きな小屋の中で、俺とマリナは黙って座っていた。
その中で、白い髪を結った20前半の位の女性が怒号をあげた。
「確かにあんたたちは18になったけど、まだまだ未熟の青二才だよ!外は危険だし、私は許さないからね」
興奮して話す彼女の名はノア・オルサム・ビエト。その特徴ある耳から分かるように、人間ではない。長寿命の種族、エルフだ。
見た目はグラマーなお姉さんだが、ゴアス村では一番年上で、ゴアス村を取り仕切る長である
青二才と呼ばれ、カチンと来た俺は、ノアに言い返した。
「俺はババァに心配される程弱くはないさ」
「何いってんだい、このヘンチクリン!アタシから見たらアンタなんてまだまだ乳臭い赤ちゃんだよ」
「フン…アンタは俺から見れば見た目に反して、十分ババァだよ」
「カーッ、アンタは相変わらず可愛くないね!そんなんだから誰にもモテないんだよ!」
「別に俺はモテたいとは言ってない!」
「あ、あの…もう二人共喧嘩は…」
と、俺らのくだらない言い争いを止めようとマリナが言ったが、
「マリナは黙ってな」
「マリナは黙れ」
と、俺達二人は言い返した。
「とにかく!アタシは許さないからね」
これ以上話す事はないと、立ち上がり、その場を放れようとするノアの背中に俺は言った。
「待てよ、ノア。だったら俺らが強いって事を証明すりゃあいんだろ?」
俺の言葉に振り帰り、「は?」、キョトンとするノア。
構わず俺は続けた。
「俺と勝負しろ、ノア。アンタに勝ったら俺は冒険者になる。ノアが買ったら、俺はこの村で一生畑でも耕してやるよ」
「ハッ、そんなん誰がやるか…」
「嫌だったら、逃げてもいんだぜ?ノアお婆さん」
不敵に笑いそう言うと、俺の言葉にイラッてきたのか、眉にシワを寄せながらノアがにやりと笑う。
「やってやるよ。丁度人手が足りなかった頃なんだよね、畑。」
身体をこちらに向け、ノアは言う。
反対に俺は立ち上がり出口に向かいだす。
「じゃあ今日の昼、村の外で待ってるぜババァ…行くぞ、マリナ」
「あっ…うん」
俺の言葉で慌てて立ち上がるマリナ。
手を上げて、さよならといい、ドアにかけると後ろからノアが、
「勝ったらあのガキカカシにしてやる」
と言っていたのが聞こえた気がした。




