第68話(前編) マナ
第68話は分かりにくいのですが、前編・中編・後編と別れています。
1
竜王‥‥‥‥竜王は、この世界で最高峰‥‥神話とまでされる種族『竜』の主である。 また、始祖の竜や、竜公とも呼ばれる。
そんな彼らが現在どこにいるかは不明である。
ただ一つわかっているのは‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
この世界の深淵に潜んでいるということのみだ。
2
ワールドマップに存在しない場所‥‥‥地下世界『レネレート』のさらに奥底‥‥‥世界の深淵と言っても過言ではない場所である。
その場所の名は‥‥‥地底大都市『アトミックアビス』。
主に蜥蜴人が生息する地底の大都市である。
そこに、竜王も隠れて生息している‥‥‥‥‥
「閻魔よ、その灼熱の青の力を我に与えたまえ!獄炎の青!!」
とある少女の詠唱が終わった次の瞬間、彼女の目の前には灼熱の青い炎が出現した。
そしてその灼熱の青い炎は、徐々と大きくなっていき、次第には爆炎‥‥‥‥獄炎となっていった。
だが、灼熱の青い炎が爆炎となったためか、すぐに少女は《水魔法》で消火した。
これは《地獄魔法》と《爆炎魔法》を彼女のスキル《技能統合》によって統合され創造された《獄炎魔法》という独自の魔法である。
「よし、今日の特訓はこれくらいにしよう!」
そう言った少女は、人の姿ではなくなった。
どんどん変貌していき、最終的には『蜥蜴人』の姿になった。
これは彼女‥‥‥‥‥‥‥この蜥蜴人のスキル《変貌》による物である。
「人の姿って疲れるんだよなぁー。
やっぱり蜥蜴人の時が一番だよ!」
そんなことを言っている彼女は、なぜそこまでして人の姿でいるのか。
それには深い理由があるのだ。
「もし戦うとなった時のために特訓をしなさいと親に言われて仕方なくやっているけど、特訓をする時はもし特訓をやって行く内に『人間体貌蜥蜴精神体』に進化した時のために人間の姿で練習しなさいって言われてそれも仕方なくやっているけれど、やっぱり今まで蜥蜴人で生きてきたからもう一度言うけど一番は蜥蜴人だよね!」
『人間体貌蜥蜴精神体』。それは蜥蜴人がLv60に達した時に進化する蜥蜴人の進化先である。
外見は蜥蜴人のような蜥蜴の人型などではなく、人だ。
ただ、体貌は人間であるが、精神は蜥蜴人のままだ。
危険度ランクはB級以上。
最低レベルは先ほど言った通り60である。
蜥蜴人の危険度ランクはC級。
最低レベル20である。
それを聞くと、人間体貌蜥蜴精神体はかなり強い種族だ。
ちなみに蜥蜴人の進化前は『蜥蜴』。
最終進化は『蜥蜴統括竜神星王』だ。
3
「む?愛菜、今日の特訓はもう終わりかね?」
少女‥‥‥‥‥‥‥‥愛菜は自身の家に帰った。
すると父が出迎える。
「はい、父上との約束通り私の固有スキル《獄炎魔法》を極めました」
「素晴らしい!‥‥‥‥その様子だと、お前はもう一つ上の段階に行ける状態のようだな」
「もう一つ上の段階?」
「ああそうだ。お前ステータスにあるSTP【剣技術】は幾つだ?」
「えっと‥‥‥‥‥‥確か4000くらいでしたね。
過去にレイゼル師匠に教わりましたから」
「‥‥‥‥‥‥‥もう十分なくらいだな」
「何がですか?」
「実はな‥‥‥‥‥マナ、お前に祝物を与えようと思っているんだ」
「プレゼント‥‥‥ですか」
「ああ。そのプレゼントは結構良い物だぞ?」
「そのプレゼントは何ですか?」
「それはな‥‥‥‥‥‥霊剣だ」
そう言って、父親はとある霊剣を取り出した。
「無論、並みの霊剣ではないんでしょうね?」
「ああ。この霊剣は世界に九つしかないとされる名前が付いている剣だ」
その言葉を聞いたマナは、驚愕する。
「本当ですか!?」
「本当だとも。
では、この霊剣の名を教えよう。
この霊剣の名は霊剣スサノオだ」
「霊剣スサノオ‥‥‥‥‥ですか。
‥‥‥‥‥ッ!めっちゃ良いじゃないですか!!」
「気に入ってもらえて何よりだ」
こうして、マナという蜥蜴人は伝説の霊剣スサノオを手にしたのだった。
話は変わるが、元々マナは『奥崎 裕里』という名の人間だった。
だが、彼女はとある日にトラックに轢かれてしまい、蜥蜴人に異世界転生したのだ。
その際、彼女は記憶を無くしているため前世のことを覚えていない。
裕里が異世界転生したのを知っているのは、兄のヴェレオンのみである。
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