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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第1章 等価交換のオーバーフロー 〜ジャージ姿の男、完璧な街を創って飽きる〜

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第35話:水底の毒牙と、不公平な迎撃準備

「水底のアンダー・スネーク」――。

かつて『轟雷の牙』と勢力を二分していたその組織は、武力による支配を好んだシルヴィアたちとは対照的に、毒、暗殺、そして情報の操作を好む極めて陰湿な集団だった。彼らにとって、最大手だった『轟雷の牙』を一晩で解体し、その資産を全て飲み込んだカイトという男は、排除すべき脅威であると同時に、喉から手が出るほど欲しい「未知の資産」に他ならなかった。

夜の帳が下りた「カイト商会」第二拠点の周囲には、昼間の喧騒が嘘のような静寂が広がっていた。しかし、カイトの「エコー・ロケーション」が描き出す脳内マップには、無数の赤い点が蛇のように這い回り、館を包囲していく様子が鮮明に映し出されている。

「……18、24……32。……随分と大規模な営業回りだな。これだけの人数を一度に動かすとは、よほどこちらの『在庫』が魅力的に見えるらしい」

カイトは時計塔の展望室から、冷徹な瞳で夜の街を見下ろしていた。ジャージの襟を正すその仕草には、焦りも恐怖も微塵もない。彼にとって、この状況は危機ではなく、莫大なリソースを回収するための「ボーナスタイム」に過ぎないからだ。

「カイトさん、……あの、街の方が、なんだか嫌な匂いがします。……重たくて、胸が苦しくなるような、変な匂いです……」

隣に立つリアが、カイトのジャージの裾をぎゅっと握りしめた。亜人の鋭い嗅覚は、空気中に極微量散布された、無味無臭に近い「遅効性麻痺毒」を敏感に感知していた。一般の冒険者であれば、この異変に気づく前に手足の自由を奪われ、暗闇から放たれる毒矢の餌食となっていただろう。

「……リア、安心しろ。その程度の不純物なら、この建物の換気システムですでに『リペア』して中和済みだ。俺の管理下にある空間で、俺の許可なく環境の質を低下させることは許さない」

カイトは足元に目を向けた。そこには、膝をついて床を磨き続けていたシルヴィアが、首に嵌められた隷属の首輪を震わせながらこちらを見上げていた。

「……シルヴィア。あんたの元ライバルが、あんたの元居城ここを奪いに来たぞ。……奴隷としての初仕事だ。門の前で、招かれざる『不審者』を掃除してこい」

「……フン、あいつらね。コソコソ隠れて毒を撒くのが得意なだけの蛇野郎ども。……ご主人様の命令なら、徹底的に叩き潰してあげるわ」

シルヴィアはメイド服のスカートを翻し、屈辱を戦意に塗り替えて立ち上がった。カイトは彼女の首輪に指を触れ、一時的に「魔力使用」の権限を一部開放するプロセスを実行した。

【感謝消費:500 pt ―― 奴隷の首輪:権限一時解除リミット・ブレイク

「……っ、この感覚……! 魔力が、全身を駆け巡る……! 久しぶりに、本当の『牙』を見せてあげるわ」

「勘違いするな、シルヴィア。あんたの役割は、俺が『悪意』を最大効率で回収するための、ただの『デコイ』だ。死なない程度に暴れて、奴らの憎悪を極限まで引き出せ。それが、あんたに課せられた最低限のノルマだ」

カイトの言葉はどこまでも事務的だ。彼はシルヴィアを仲間とも戦力とも思っていない。あくまで「感謝」を消費して動かす、高性能なツールとして扱っているに過ぎない。

シルヴィアが館の正門へと飛び出していくのと同時に、カイトは空間庫インベントリから魔導銃『等価の天秤』を抜き放った。その黒鉄の銃身は、月光を吸い込んで不気味に沈んでいる。

【検知:水底の蛇・実行部隊からの「冷酷な殺意」と「収奪の意志」:+1200 evil】

網膜に浮かび上がる「悪意ポイント」の数値が、秒刻みで跳ね上がっていく。蛇たちが放つ「あいつを殺して全てを奪う」というどす黒い感情が、カイトのシステムにとっては最高品質の燃料となる。

館の門前では、すでに戦闘が始まっていた。暗闇から放たれる無数の毒針を、シルヴィアは雷鳴を纏った細剣で全て叩き落とす。

「隠れてないで出てきなさいよ! 毒ヘビども! 今の私は、あのご主人様のせいで最高に機嫌が悪いのよ!」

シルヴィアが放つ広範囲の雷撃が夜空を焼き、隠れていた暗殺者たちの姿を炙り出す。彼らの驚愕と、自分たちの得意とする隠密を無に帰されたことへの怒りが、再びカイトへと還元される。

【検知:刺客たちの「驚愕」と「屈辱」:+800 evil】

「(……いい。ポイントの供給効率が、想定を上回っている。……これなら、予定していた『街道舗装』のための大規模魔法の習得も、前倒しで実行できそうだな)」

カイトは銃口を夜の闇の「一点」に固定した。そこには、他の雑兵とは一線を画す、冷徹で淀んだ殺気が潜んでいる。おそらくは「水底の蛇」の幹部、あるいはリーダー格だろう。

「……さて、商談の続きを始めよう。あんたたちが持ち込む毒も、刃も、怨嗟も、すべて俺の成長のための『対価』として、余さず回収させてもらう」

カイトが引き金に指をかけた瞬間、彼の背後でリアがそっと手を合わせた。

「カイトさん、……頑張ってください。私、信じてますから」

【検知:リアからの「絶対的な祈り」:+300 pt(感謝)】

感謝と悪意。二つの相反するエネルギーが、カイトという名の巨大なはかりの中で激しく渦を巻く。

不公平なほどに圧倒的な迎撃準備は整った。

カイトの瞳が、暗闇の中で青白く無機質な光を放ち、獲物を捉えた。

(第35話 完)

【現在蓄積リソース:4082 pt(感謝) / 6690 pt(悪意:蓄積中)】

【所持金:金貨 2枚、銀貨 50枚】

【ギルドランク:C】

【戦闘中:対 水底の蛇(包囲網突破中)】

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!

カイトさんは今、集まってきた「悪意」をどうやって「ポイント」に変えようか、とっても怖い顔で計算しています……。

もしよかったら、下の【☆☆☆☆☆】をポチッとして、私と一緒にカイトさんに【感謝】を届けていただけませんか?

皆さんの応援ポイントが、カイトさんの魔法をもっともっと強くしてくれるはずです!

よろしくお願いしますっ!

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