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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第1章 等価交換のオーバーフロー 〜ジャージ姿の男、完璧な街を創って飽きる〜

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第21話:農村の悲鳴と、冷徹な「掃除」

北の村、レムリア。かつては豊かな麦畑が広がっていたはずのその場所は、今や見る影もなく荒れ果てていた。

カイトが村の広場に足を踏み入れると、数人の農民たちが怯えたように彼を見つめた。泥にまみれた衣服、痩せ細った頬。そして何より、彼らの瞳に宿る「諦め」の気配。

【検知:農民たちからの「微弱な希望」と「深い絶望」:+80 pt(潜在的感謝)】

「……あんたが、ギルドから派遣された冒険者か? 悪いが、見ての通りここにはもう、あんたに払えるような上等な礼も酒もありゃしねえぞ」

村長らしき腰の曲がった老人が、杖を突きながら前に出た。その言葉には自嘲の色が混じっている。

カイトは無表情のまま、背負っていた背嚢を下ろし、ジャージの襟を正した。

「礼ならギルドから受け取る手筈になっています。俺が欲しいのは、あんたたちの『感謝』だ。……それだけで、この商談は成立する」

カイトは周囲の気配を探るべく、覚えたての魔法を静かに起動させた。

「エコー・ロケーション」

カイトを中心に、目に見えない魔力の波紋が広がっていく。地面を伝わる微動、風の鳴り方、そして村の境界線にある森の奥から漂ってくる「異質な不快感」。

それらはカイトの脳内で立体的な地図となり、敵の正確な位置を暴き出した。

「……いたな。北の丘の裏に、十、いや十二頭か」

「えっ……? 分かるのかい? 奴らはいつも、どこからともなく現れては畑を……」

村長が驚きに目を見開くが、カイトは既に歩き出していた。

「村の入り口を塞いでおいてください。弾が逸れると危ない」

カイトは村外れの丘へと続く緩やかな斜面を、軽い足取りで登っていく。

背後からは、依然として『轟雷の牙』の偵察員二人が距離を保ってついてきている。彼らの発するトゲのある【悪意】は、エコー・ロケーションの波形の中でもひときわ鮮明に、赤いノイズとしてカイトの脳内に映し出されていた。

【検知:後方の偵察員からの「監視の目」と「嘲笑」:+30 evil】

カイトは丘の頂上で足を止め、空間庫インベントリから魔導銃『等価の天秤』を取り出した。

黒鉄の銃身が、午後の陽光を鈍く跳ね返す。

「……さて、害獣駆除を始めようか。まずは対価の『前払い』だ」

カイトは後方の偵察員たちに向け、わざとらしく背中を見せた。彼らが抱く「あいつ、何をするつもりだ?」という好奇心と、新人に手柄を立てさせたくないという「嫌悪」。それがカイトのシステムにとって、最も効率の良い燃料になる。

【悪意消費:100 pt ―― 弾道補正および初速強化ブースト・バレル

カイトは銃身を構え、森の奥から姿を現した巨大なイノシシ――ワイルドボアの群れを視界に捉えた。

普通の冒険者なら、剣を構えて突進に備えるか、長い詠唱を伴う大規模な魔法で一掃しようとするだろう。だが、カイトのやり方はもっと事務的で、圧倒的に簡潔だ。

「――点火」

ドォォォォン!!

一撃。銃口から放たれた鉛の弾丸が、空気を切り裂き、先頭を走るワイルドボアの眉間を正確に貫いた。

巨体が横転し、土煙を上げて転がる。だが、カイトの手は止まらない。

「リペア」

発砲の衝撃でわずかに歪んだ薬室を、魔法で瞬時に元の完璧な形状へ戻す。カイトにとって、精密機械のメンテナンスと魔法の修復は同義だ。

カイトは次弾を装填し、さらに二発、三発と引き金を引いた。

ドォォン! ドォォン!

逃げ惑う群れに対し、カイトは無機質な瞳で狙いを定め、確実に「処理」をこなしていく。

丘の下で見守っていた農民たちから、どよめきが上がった。彼らにとって、それは理解を超えた「奇跡」に見えただろう。

【検知:農民たちからの「驚愕」と「爆発的な期待」:+300 pt】

「……あ、あいつ、何をしてるんだ? 魔法の杖じゃない、あんな速い攻撃、見たことがないぞ!」

背後の偵察員の一人が、震える声で呟いた。彼らの抱く感情は、今や嘲笑から「底知れない恐怖」へと変わりつつある。それもまた、カイトにとっては美味しいリソースだ。

最後の頭を仕留めた時、丘の上には静寂が戻っていた。

カイトは熱を持った銃身に息を吹きかけ、空間庫へと仕舞い込んだ。ジャージには、返り血一滴すらついていない。

「……終わりました。村長、畑を確認してきてください」

丘を降りてきたカイトに、村人たちが我先にと駆け寄ってきた。ある者はカイトの手を握り、ある者はその場に泣き崩れる。

「ありがとう……! 本当に、本当にありがとう……!」

【検知:レムリア村住民一同からの「純粋な感謝」:+650 pt】

カイトは、網膜に浮かび上がる膨大な感謝ポイントの数値を眺め、心の中で小さく頷いた。

「……今回の商談、こちらの黒字だな」

ジャージの自動洗浄機能が、足元の土汚れをさらりと消していく。

カイトのルールは至ってシンプルだ。

受けた悪意を暴力に変えて問題を解決し、その結果生まれた感謝を次の魔法へと変換する。

最強への階段を、カイトはまた一つ、無機質な足音を立てて登り始めた。

【現在蓄積リソース:792 pt(感謝) / 340 pt(悪意:蓄積中)】

【所持金:銀貨 19枚(※別途、ギルドからの依頼達成報酬:銀貨5枚予定)】

【ギルドランク:D】

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