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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
砂漠の国編

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196/227

第196話:戦後処理の最適化と、新たな旅路の座標

最高意思決定機関である総司令部の上層部全員が石畳の模様と化し、バル・ザザード帝国の軍事統治システムは完全に均質化デバッグされた。

 カイトの指示を受け、大河都市バハル・ズラクのギルド長シェイハを通じて派遣された公的な文官グループが、早くも帝都の行政インフラの引き継ぎ作業を開始していた。カイトが建物や書類を一切傷つけずに上層部だけを無力化したため、戦後処理の業務効率は極めて高く維持されている。

「……判定。帝国領内における軍事インフラの解体率、八十七パーセント。周辺国家との交易ルートの再構築ログに異常なし。当領域における構造不備の解消を認む」

 カイトは衣服に汚れ一つない漆黒のジャージを纏ったまま、総司令部庁舎の前庭に停車させた四輪駆動車の運転席で、等価交換によって具現化した情報端末のデータを淡々とチェックしていた。

 背後に連結された高級キャンピングトレーラーは、砂漠の過酷な行軍と帝都突入を経た今も、塵一つついていないかのように美しい白銀の装甲を輝かせている。

「カイト様! お家の冷蔵庫の食材、新しく街に届いた新鮮なお野菜とお肉に全部入れ替えておきました! これで次のお出かけもバッチリです!」

 連結通路から助手席へと滑り込んできたリアが、ジャージの袖を揺らしながら、嬉しそうに耳をピコピコと動かした。

 トレーラー内の自動洗浄トイレやシャワー、そして高反発ベッドによる完璧なコンディション維持の恩恵により、彼女の獣人としての体力は常に最大値を維持し続けている。

「ふふ、これだけ大きな国をたった一日でただの『交易都市』に塗り替えてしまうなんて、相変わらず貴方の計算は容赦がないわね、カイト。おかげで真祖である私の魔力も、一度も外の汚い空気に晒されることなく満床のままだわ。……それで、次に向かう『不備』はもう決まったのかしら?」

 本革のローソファに深く腰掛け、新しく冷やした果実水を優雅に口に運んでいたエルザが、調律杖の先端を弄びながら赤い瞳を細めた。

 カイトの徹底した環境管理のおかげで、彼女の呪いは完全に抑制され、その強大な力は次の演算のために完璧に温存されている。

「……肯定だ。先ほど、この国の機密書庫から回収した古い地誌と、大河都市で得たデコーダーの残存ログを等価交換の材料として提示。次なる構造的欠陥の座標を算出した」

 カイトはジャージのポケットから、等価交換によって新たに具現化された『蒼く輝く方位結晶』を取り出し、ダッシュボードのホルダーへとセットした。

 結晶が放つ光の針が指し示したのは、バル・ザザード帝国の版図すら遥かに越えた先――大陸の中央に位置する、世界の魔力を統括しているとされる聖なる大霊峰だった。

 そこでは現在、魔力の分配バランスが著しく偏るという、世界規模の「循環不備」が発生している形跡が、カイトの論理式によって弾き出されていた。

「……判定。次なる処理対象、大霊峰の魔力循環システム。世界の均質化を達成するため、これより長距離巡航プロトコルを発動する」

 カイトが無表情のまま魔石エンジンを始動させると、低く重厚な駆動音が前庭に響き渡った。

 ひとつの帝国をただの不備として片付けた漆黒の移動要塞は、次なる世界のバグを均質化するため、驚天動地する帝都の悪魔たちを置き去りにして、再び迷いなく新たな地平へと走り出した。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

もしこの「ジャージ管理者の等価交換ファンタジー」を面白いと思ってくださったら、ぜひ評価の「星」やブックマークで応援していただけると、カイトの魔力と作者のモチベーションがリペアされます!

よろしくお願いいたします。

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