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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第2章:管理者の実地研修(フィールドワーク)

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第124話:等価交換のリペア

カイトの指先から溢れた光が、少女の背に突き刺さる「黒い杭」を包み込んだ。

 その瞬間、杭から噴き出していた禍々しい魔力が、カイトの腕を伝って逆流しようと牙を剥く。

「……抵抗するか。だが、それも『燃料』に過ぎない」

 カイトは顔色一つ変えず、自身の魔力を杭の深部へと送り込んだ。

 この杭は、あくまで外部から打ち込まれた「異物」だ。エルザの魂にまで癒着している呪いとは違い、構造さえ理解すれば、今のカイトの魔力でも分解・再構築が可能だった。

 漆黒のジャージが、周囲の余剰な魔力を吸い取り、カイトの魔力をさらに増幅させる。

 バキバキと、少女の背中で不吉な音が響く。それは杭が壊れる音ではなく、彼女の身体に無理やり繋げられていた歪な回路が、カイトの魔力によって本来の形に組み替えられる音だった。

「……事象修復リペア、最終段階。……消失しろ」

 カイトが低く呟くと、眩い光が杭を内側から爆発させた。

 激しい衝撃が入り江を揺らしたが、リアとエルザには届かない。カイトが魔力を放ち、衝撃の方向をすべて上空へと逸らしたからだ。

 光が収まると、少女の背中にあった黒い杭は、塵一つ残さず消え去っていた。

 それと同時に、辺りを支配していた不自然な重力も完全に消滅し、ただの静かな潮溜まりへと戻る。

「……あ、……ぁ…………」

 少女の口から、掠れた吐息が漏れた。

 焦点の合わなかった彼女の瞳に、ようやく生きた人間としての色が宿る。彼女はリアに腕を掴まれたまま、力なくその場に座り込んだ。

「……お疲れ様、リア。もう離していい。……エルザ、念のためにあの子の魔力を安定させろ。……『エリアヒール』」

 カイトが掌を広げると、柔らかな緑の光が周囲を包み込む。

 少女だけでなく、重圧に耐えていたリアと、魔力を激しく消耗したエルザの疲労も、波が引くように癒えていった。

「……ふぅ、助かったわ。……でもカイト、今のあの子の『杭』……私の呪いと少し似た気配がしたわ」

 エルザが杖を収め、自身の胸元に手を当てる。

 外部から打ち込まれた杭は消えたが、彼女の内に根ざす呪いは、依然としてその深い場所で脈打っている。

「……ああ。この杭を作った技術は、お前の呪いの根源に近い。……だが、絶望する必要はない。今回、この杭を分解したことで、お前の魔力回路を正常化するための『設計図』の断片を手に入れた」

 カイトは自身の内側に溜まった「感謝ポイント」と、新たに解析されたデータの通知を見つめた。

 単なる魔物討伐では得られない、エルザの治療に繋がる貴重な一歩だ。

「……カイト様、この子……眠っちゃいました。……でも、さっきよりずっと穏やかな顔です」

 リアが少女を優しく抱きかかえ、カイトを見上げる。

「……判定、成功。……入り江の環境異常を排除。……等価交換により、新魔法『グラビティ・ランス』の習得条件を満たした」

 一人の少女を救い、この地域の物流を脅かしていた重力異常を解決した報酬は、これまでの旅とは比較にならないほど莫大だった。

「……さて、この『杭』の出処を洗う必要があるな。……ポート・ルミナスへ戻るぞ。……エルザ、いつか必ず、その中身もリペアしてやる」

 カイトは珍しく、エルザの瞳を真っ直ぐに見て告げた。

 最強の装備と、少しずつ取り戻していく力。

 ブルームーンの影が、穏やかさを取り戻した海面に長く伸びていった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

もしこの「ジャージ管理者の等価交換ファンタジー」を面白いと思ってくださったら、ぜひ評価の「星」やブックマークで応援していただけると、カイトの魔力と作者のモチベーションがリペアされます!

よろしくお願いいたします。

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