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T・F・U物語  作者: 狼眼


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だってしょうがないじゃないかぁ

あのあと、俺と山岸は、俺の部屋で3人前のピザを食い尽くし、18時を過ぎたあたりで解散となった。

俺はバイトもあるし、山岸も部活の飲み会があるらしい・・。

・・・ピザをたらふく食った後だというのに・・・。


俺は自転車を押しながら、建学祭の風景を楽しみながらゲーセンに向かう。

そう言えば、神崎さんの部活の屋台は・・・あの辺りかな?


大学内の坂を上り始めるころ、少々うるさい音楽が聞こえてくる・・ヒップホップだな。

・・・酒を売っているから・・・ちょっとしたミュージックバーの様になっている。


屋台を見ていると、神崎さんが見えた。

赤い鉢巻にオレンジ色の法被・・・。もうちょっと露出を期待していたんだが・・・意外と健全なのね。


神崎さんは忙しそうに売り子をしている・・・。あ、手を振ってる・・・。

俺は小さく手を振り返すと、神崎さんは笑顔で応えてくれた。・・・・可愛いな・・・。


本当は少し話をしていきたいけど、バイトの時間がギリギリ何だよな・・・。これも貧乏学生のサガか・・・。

諦めて更に自転車を推し進める。


坂道は途中で二股に分かれており、右側へ進むと2号館、左側へ進むと正門に向かって伸びている。

2号館側も提灯が吊るされており、かなりにぎわっているようだな。


「ちょっと!!」


な、なに?

急に俺の服が引っ張られた。


「え?あ、神崎さん・・・。どうしたの?」

「どうしたの?って、遊びに来てくれたんじゃないの?」

「あぁ~、おれ、今からバイトだから・・・。」

「・・・あ、明日は?」

「明日?特に予定はないよ?」

「そう・・・。なら!」


神崎さんはポケットを弄り、何かのチケットを取り出した。


「これ!あげるから!明日は絶対に来なさいよ!!18時・・・今と同じくらいの時間までに!ね!!」

「あ、うん。・・・これって、ビール券?くれるの?」

「・・私、飲まないから・・・。明日のこの時間、まだ残ってると思うから・・・。」

「分かった。覚えておくよ。」

「絶対!わかった?」

「了解!分かりました隊長!」

「・・・よろしい!行って良いわよ!」


神崎さんに敬礼をすると、神崎さんは腕を組んで偉そうに言い放ったあと、笑顔で見送ってくれた。



「ああああ・・・・・。」


さっきから何度目だろうか?

俺の口から、無意味な単語があふれ出てくる・・・・。


「がああああ!!」


仕事に身が入らない!!普段もそうだけど、今日はより一層!!!

ゲームを見て時間を潰す気にもならない。


・・・はぁ、もうだめだ・・・。仕事しよ・・・・。って、するんか~い!

店内を放置する訳にも行かないしな・・・。


今日は山岸も工藤さんも来ていないし。1時ちょうどで店を閉めて帰ろう・・・。



建学祭という事も有り、ゲーセンに来る客も殆ど居なかった・・・。時々トイレを借りに来るくらいで・・・。

閉店20分前にはすべての作業が終わり、いつでも帰れる状態・・・。

既に入り口も閉めた。・・・本当はまだ早いんだが・・・。


「・・・・はい、1時。終了。お疲れさまでした。」


俺は独り言を言って事務所の扉を閉める。過去最速だな。


事務所の出入り口から大学を見ると、正門辺りで数名の男どもが駄弁っている程度で、辺りは静まり返っていた。


「・・・しまった・・・・。ごはん炊いておけば良かったな・・・。」


炊飯器の酸っぱい臭いを思い出しながら、となりのコンビニで売れ残りのおにぎりを買う俺であった。

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