その名前に由来在り
「ジャコ~。居るよな?」
「開けてから言うな!」
山岸が俺の部屋に入りながら声を掛けてくる。
まったく、こいつらは、デリカシーってもんを知らないらしい。
以前、山岸に抗議したのだが、「だったら鍵かけろ。」の一言で終わってしまった。
・・・ま、そうだよな。
「なんだ?建学祭だってのに、部屋でテレビ見てんの?」
そう、3日間続く建学祭も、今日で最終日・・・。一度ボ研のテントを覗いて、フランクフルトを貰って・・そんだけだったな・・・。
結局、夜ににぎわう陸上部の屋台は、何となく行けなかった。
理由は様々だが、一番の理由は・・・。
「どうだっていいだろ?金がねぇんだよ!」
「・・・だと思った。・・・ほれ。」
山岸はピザの箱と、コーラを持ってきており、俺に差し出している。
「くれるのか?」
「余った。」
「なんだ、お前らんとこは、ピザも売ってたのか・・・。」
「冷凍ピザをあっためるだけな・・・。売れねぇわ。」
「それは・・・ご愁傷様。」
ピザの箱を空けると、明らかに3人前はありそうな量のピザが、重ねられて入っている・・・。
チーズでべちょべちょじゃないか・・。
ま、タダだし、文句は言うまい。
「昼間っからピザか・・・。」
「文句言うなら回収すっぞ?」
「違うよ。ピザなんて、何年食ってないかな~って。」
「2か月前に喰っただろ?」
「そだっけ?」
俺は、人肌に温まっているピザをつまみ、口へ運ぶ・・・。
・・・うん。冷凍のやつだ・・・。
「美味いな。・・・っと、コーラも貰おうか。」
「ほれ、常温まで冷やされてるぞ?」
「常温って・・・。」
「お前な!さっきまで人知れず、鉄板の上に乗ってたんだぞ?熱かったんだぞ?」
「・・・おう、冷やしてくれたのか・・・。」
「有難く飲め。」
ブシュ!
炭酸は抜けていないようだ。どれ、一口・・・。
「うん。まだ常温より暖かい。」
「美味いか?」
「・・・甘さがきつく感じるな・・。飲めなくはない。」
ピザとコーラのコンボは最強だ。
欲を言えば、あっつあつのピザに、キンキンに冷えたコーラなら更に無敵だ。
「ところでジャコよ。この、コカ・ってあるだろ?コカって何だ?」
「材料の名前だろ?コカって材料が入ってるんだよ。」
「コカ、が、イン、してるって事か?」
「・・・オンではないわな・・・。」
「コカがインしたら、ヤバいんじゃないか?」
「・・・そんな飲み物、日本で売ってる訳ないだろ。でも、高校の時、理科の先生が言ってたな・・・。昔は鬱を治すための薬だったって・・・。」
「確かに、薬っぽい香りもするな。」
「で、昔は、そのコカって奴が合法だったらしい・・・。」
「マジのやつじゃん!」
「・・・今は名前だけだろ?日本に渡ってくる前に、その成分は既に使われなくなっていたって話だったよ。」
山岸も暖かいコーラを一口飲む。
「・・・甘いな・・・。じゃぁ、ペプシはどうなんだ?」
「知らん!自分で調べてみろよ。」
山岸が携帯で検索を始めた。俺も、目の前にあるPCを操作して、検索を試みる・・・。
「・・ペプシは、消化酵素の名前が由来になっている・・・みたいだな・・。」
「・・だな。」
「なら、飲むならペプシか?消化酵素が入っていた方が、体に良さそうだし。」
「・・・どっちも砂糖が大量に入っている時点でアウトだよ。」
「じゃぁ、ゼロは?」
「・・・・だから・・・。」
何故か今日は、検索大会が始まった様だ。




