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T・F・U物語  作者: 狼眼


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66/67

オラッ!

ボン!


低い音を立てながら車の扉を閉める。


昔、ベンツに乗る理由ってやつで「乗りやすいから」とふざけたことを言っている奴を聞いた事があった。が、その理由が分かった気がする。


揺れない・・。静か・・・。安定感・・・。加速性・・・。

これが高級って事が・・・。


車に感動していると、いつの間にか大学近くの駅前までやって来ていた。


「ここで良いんじゃない?」

「おう、そうだな。ジャコ!ここでいいだろ?」

「僕は、大学生になってから、外食は殆どしていないので、どこが良いかわかんないですよ。」

「よし、決定~。」


車は煌びやかなネオンで装飾された駐車場へ入っていく。


「ジョジョ?」


何か、新しい能力が発動しそうな店の名前だな・・・。何屋さんだろうか?


車の外に出ると、牛肉の脂の臭いが漂ってきた。

・・・焼肉か・・・。

不死身荘のバーベキュー以来だな・・・。


「ジャコ、行くぞ~。」

「ほら、麝香君!行くわよ?」


・・・やっぱり姉弟にしか見えない・・・。



店内に入ると、何かパンクな感じの焼き肉屋だった。

店員の制服は学ランっぽくて、ガタイの良い男性が多く勤めていた。ボ研に入っても十分やっていけそうだな・・・。


「いらっしゃいませ!オラァ!!!」「オラオラァ!!!」


・・・なんだ、この店・・・。


社長のお母さんが色々と注文を始めると、すぐに大皿に乗った肉が運ばれてきた。

この店、学生街の近くにあるくせに、食べ放題が無いだと・・・?


炭で焼く肉は、初めてかもしれない・・・。備長炭だろうか?

微かに赤みが残る感じの肉が、俺の更に配られる。


「これくらいが美味しいのよ?」


言われるがままに、口に運び入れる・・・。



肉が・・・溶ける・・・。


肉が甘いというのは、こういう事だったのか・・。



肉の美味さに感激しながらも、控えめに味わいながら食べていく。


「でね?大学に入る前の幸次君はね・・・・。」

「あぁ、もういいから、そんな事。」


社長の昔話・・・。社長にも歴史ありって感じだな・・・。

どうやら、子供の頃から落語の世界に関わっていたらしく、弟子入りも難しい事ではないらしい。

こんなゲーマーが落語家になったら、どんな落語が出来るんだろうな。


「でも、落語家の弟子になったら、ゲームも出来なくなるんじゃ・・。」

「ジャコ!!」

「幸くん?ゲームって・・・。」

「違う!ほら、ジャコの部屋に会っただろ?あれ!あれの事!!」

「え?・・・えぇ・・。」

「なんだ。私てっきり、学校にも行かずにゲームセンターに入り浸っていたのかと思っちゃった。」

「・・・ははは・・。まさか・・。」


まさか、そこまで見抜いているとは・・・。


「大学に入る時言ったもんね?落語の勉強もしっかりするからって。」

「そりゃ、もう。もちろん、あれさ。」


社長、言葉になってないっす。



色々な話をしながら、1時間ほどの食事会が終わった。


焼肉の臭い全快のまま、ベンツに乗るのは憚れるな・・・。


「さ、お腹いっぱいだし、行きましょうか!」

「ふぅ、喰ったぁ~。」

「ご馳走様でした。美味しかった~。」


ちょっと気を使いながらもベンツに乗り込む。

ベンツは静かに大学への差かを登り、静かに、そしてスピーディーに不死身荘へ近づいて行った。



「あ、あの・・・今日はありがとうございました。」

「いえ、せめてものお礼ですので。こちらこそありがとうございました。」

「ジャコ、またな。」


社長の荷物は、昼間の内に車に積み込んでいたのだろう。

俺は、不死身荘の前で社長の車を見送った。



・・・社長、立派な落語家になってください・・・。




んで、タダで寄席に招待してください!!!!

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