スイハーン
以前、ネットの動画で、キャンプ動画を見たことがある。
焚火で米を炊いて、美味しそうに食べる動画だ・・・。
あれに挑戦するしかない・・・か。
俺は、100円ショップで売っている様な方手鍋を手に取り、立ち上がった!
「これで、コメを、炊く!!!!」
えっと、まずは、実験のために、コメは1合。
水は・・・。
水は・・・。
どれくらい?
米を洗ったままの手で、携帯検索を開始する。
米と、同じ分量?本当か?
とりあえずは同じ分量・・・1合って何ミリリットル?
大体180くらい・・・か。
全部機械に頼りっぱなしだから、いざとなったら分からないことだらけだ。
ま、この状態も機械に頼ってるけどね。
で、火にかける。
中火?で沸騰させる。
沸騰したら弱火に・・・15分ほど・・・。
火を止めて、10分ほど蒸らす・・・。必要なのか?
さて、緊張の一瞬!!
安い鍋で作った割に、普通に炊けている!
もちろんなべ底も薄いので、焦げ付きまくりだが、このおこげも美味しいアクセントになってくれるだろう。
うん、おこげが取れない。
意外と頑固なんだね。
チクショウ。
しかし、白米は美味かった。
炊飯器!敵は取ったぞ!!
シーチキンとマヨネーズと生卵と醤油のコンビネーションも最高だ。
1合しか炊いていないので、夕方には再び米を炊かなくてはいけないな。
俺は、焦げ付きまくりの鍋を水に浸し、洗剤を投入。暫く放置する事にした。
夕方・・・。
2合のコメを炊き始めた。
炊飯器では毎回3合炊いていたのだが、この鍋では小さすぎて溢れそうなので、控えめにしたのだ。
よし、ここからは弱火・・・・。
コンコン・・・。
「はい?」
「お、ジャコ。これ・・・。」
「・・・?炊飯器?」
「買って来た。中古だけど。」
「・・・助かります!これからずっと飯盒炊飯かと思ってましたよ・・・。」
「俺が壊したんだし・・・。?何か作ってんの?」
「白米です!」
「鍋で?」
2度目に焚き上げた白米は、急ぎすぎた為か、芯が残る、歯ごたえのある白米になってしまった。
・・・今日は、雑炊にしようか・・・。
晩飯を食い終わると、社長が買ってきてくれた、中古の炊飯器を開封した。
恐らく、この辺の先輩が、卒業時に売り払った物だろうが、中々綺麗に使っていた様だ。
内釜に少々傷は有るが、気にならないくらいだ。
「じゃ、これで明日のご飯を炊いておきますか・・・。」
「お、良いね。早速・・・・あれ?説明書が付いていないな・・・。」
「中古ですからね。ま、見たまんまで使えると思いますよ?」
「おけ。じゃ、コンセントに刺すぞ?」
炊飯器に「00:00」と時刻が浮かび上がった。
「おお!デジタル!!」
思わず当たり前の事を叫んでしまう。
「で、洗ったコメを入れて・・・。水を、白い線までいれて・・・。よし。」
「これで、終わりか・・。簡単だな・・・。」
「鍋は大変でしたからね・・・。」
社長がスイッチを押してくれて、ピッと音がした。
文明の利器ってすごいな・・・。
「さて、俺はそろそろバイトに行ってきますね。」
「今日は俺もいくわ。こっちのバイトが休みだし・・。」
「良いっすね。最近の工藤さんは神懸ってますよ?隙が無いって言うか・・・。」
「ほぅ。なら、いっちょ揉んでやるか・・・。」
そう言って、俺と社長は部屋を後にした。
炊飯器の表示が「保温」になっている事も知らずに・・・。




