表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
T・F・U物語  作者: 狼眼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/67

破壊王

今日は朝から授業があった。

1限、3限、4限・・・。

必須科目も入っているので、出ない訳にはいかないんだな。これが。


とは言え、秋風が吹き始めた良い感じの気候で、外に出ていても、爽やかな風が心地良かった。


4限が終わると2号館に向かい、ボ研がひっそりと始まる。

今年の夏はボルダリング三昧だったらしく、みんな細マッチョになっていた。

俺はと言うと、訳の分からない病気のため、ボルダリングに参加できず、細マッチョになり損ねてしまった。


ま、細くないからと言って、その分力があるという訳でもなく、未だにベンチプレスは70㎏を超えてはいない。新しく入ってきた1年には、既に90㎏を上げている奴もいるってのにな。


まっ、工藤さんも舛添さんもそこまでムキムキじゃないし、俺はそっちのグループで楽しくやっていこうと思う。


2時間ほどウエイトトレーニングで汗を流して、シャワー室へ行く。

今日はスクワットを多めにしたためか、太ももがピクピクしていて、歩くという行為の難易度が微妙に上がっている。


「おい、ジャコ!お前の尻、もっと絞れよ。」

「ん~。何かな、ここに筋肉が付かないんだよ。今日もスクワットしたんだけどな。」

「もっと限界まで追い込まなきゃだめだ。ジャコはまだまだ余裕があるだろ?」

「・・。そうでもないけどね・・・。」


清松が俺の尻に文句があるらしいが、そんなに余裕のある状態でもないと思っている。

清松曰く、腹筋もまだまだらしい。もっと割れと?お前の板チョコみたいな腹に、憧れが無いとは言わないが、中々自分を追い込めない・・。

いわゆる根性なしって奴さ!


で、ボ研が終わればゲーセンのバイトだ。

今日は朝からずっと外で活動しているな・・・。珍しい。


いつも通り、常連客ばかりのゲーセンで5時間ほど働く。

今日も工藤さんと山岸、あと海老名が回し対戦をしている。

今日はアイアンフィストをやっているようだ。


「っかぁ~!そこで、そのコンボ出すかね!エッグ!」

「フン!まだまだ功夫が足りんわ!!」


海老名が工藤さんにぼろ負けしたようだ。

時間は既に1時20分を回っている・・・。閉店したいんだけどな・・・。


1時35分になり、やっと店の電源を落とすことが出来た。


「お疲れ~。今日は麻雀する?」

「今からっすか?もう寝ましょうよ。」

「俺、工藤さんところでリベンジマッチしたいな。」

「よし!相手になってやろう!」


どうやら、山岸は、工藤さんの所に転がり込む様だ。

俺は既に眠いので、自転車にのって部屋へと直行する。殆ど下り坂なので自転車はとても快適だ。


みんなは帰りがけに、コンビニで夜食を駆っていたが、俺には白米がある!

どんぶりに白米を入れ、シーチキン!・・・と、今日は生卵をトッピングだ!



「ただいま・・・・。」


部屋の扉を開けると、電気が点いており、部屋の真ん中には社長が転がっていた。


「・・・・寝てる?」

「・・んお?ジャコか。さっき昼過ぎにバイトから帰って・・・お、もう8時間も寝てたな・・・。」

「夜のバイトも大変ですね。・・・ちょっといいですか?飯食うんで。」

「おお、悪りぃ。」


社長が部屋の中央を開けてくれた。


さてと・・・。ん?


床に置いてある炊飯器を開けると・・・。黄色くてカッペカペのコメが入っている・・・。何だこれ?

それに、鉄が焼けたような匂いが・・・。


「何?何すかね?これ。」

「・・・カリカリ米だな・・・。」

「・・・・社長・・・・寝ながら、炊飯スイッチ押しました?」

「・・・よくわからん・・・。」


俺の炊飯器は、レトロっぽい見かけで、側面のスイッチを押すと炊飯が始まるのだが、どうやらそのスイッチが押しっぱなしになっていた様だ。


「保温していた米を・・・炊いちゃった・・・。」


俺は仕方なく、中で黄色くなった米をゴミ箱に捨てる・・・。

しかし、悲劇はそれだけでは終わらなかった。


炊飯器の内部の内釜が、ひび割れている・・・。

表面のチタンコートがひび割れて、剝がれてきている・・・。


これは、もう、使えないな・・・・。


「しゃちょ~。」

「悪ぃ!ジャコ。足で押していたかも・・・。」

「・・・もう、終わった事はしゃぁないです・・・。諦めます。」

「ごめんな?」


俺の部屋の食を支える柱が、一つ消え去った・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ