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13

そしてついに、成績上位者の掲示が行われる日がきた。

普段通りなら、おそらく昼頃に掲示されるだろう。


私は朝からそわそわしながら過ごしていた。


「白雪さん、今日はなんだか落ち着きがなく見えるけど大丈夫?」


と、雨宮くんに言われるほどだ。


「だっ、大丈夫だよ。ちょっと気になることがあるだけで……」

「ふーん……」


雨宮くんはニコニコと笑みを浮かべながら私を見ていた。


(そりゃ万年1位の雨宮くんからしたらなんてことない話なんだろうけど、私にとっては命運がかかっているも同然なんだから)


「こいつ、成績上位者掲示が気になって仕方ないんだよ」

「ちょっ、陽向……!」


嫌なタイミングで口を挟んでくる陽向。


「そうだったんだ。確か、白雪さんっていつも名前載ってたよね?」

「えっ」


(……雨宮くん、知ってたんだ)


ちゃんと見ている人もいるんだな。と思いつつ、チラッと時間を確認する。


「まあそんな慌てなくても大丈夫だって」


ニヤニヤしながら陽向が言う。


(……陽向のやつ、楽しんでるな)


キッ、と陽向を睨みつけると、


「おお怖っ」


と、陽向はわざとらしく震え上がった。


そんな私たちのやり取りを見て、


「あはは、2人は仲良しなんだね」


と、雨宮くんが突っ込んだ。


「おう……そう、見えるか?」


自身の瞳のように頬が赤く染まる陽向。


「なんでそんなに照れてんのよ……陽向と私は家が近所だし小さい頃からの付き合いで、いわゆる幼なじみというか、腐れ縁……みたいな?」

「なるほど。そうだったんだ」


雨宮くんは納得してくれたが、陽向はムスッとしていてイマイチ不服そうだ。

私は何も間違ったことは言ってないと思うんだけど。


……って、それより!


「そろそろ時間!」

「おい!待てよ夏芽!」


いつの間にか掲示の時間を過ぎていたことに気づいた私は、陽向の制止も聞かずにすぐさまダッシュした。


「ったくあいつは……って、雨宮は行かねーのか?」

「僕はいいよ。後で人がいなくなった時にでも行こうかな」

「そっか……ま、お前は結果わかってるようなもんだしな」

「……うん、そうだね」

「うーわ、さすがだわ……俺も一度はそんなこと言ってみてーもんだ……じゃ、また後でな」


ヒラヒラと手を振りながら、陽向は夏芽の後を追うように駆けていった。


去りゆくその背中を眺めつつ、雨宮はボソッと呟く。


「……もしかしたら今回は、面白いものが見られるかもね」


普段『王子』と呼ばれている彼の姿からは全く想像できない、まるで獲物を見つけた肉食獣のように、彼の特徴とも言える碧い目がギラリと光っていた。


~~~~~


(つ、着いた……!)


掲示板のある広場には、すでに人がごった返していた。


私は肩で息をしながら、少しずつ前へ進んでいく。


「すみません、すみません……」


人混みをかき分けていると、ふと違和感を覚えた。


いつもであれば、主に女子たちがきゃあきゃあと黄色い声をあげて騒いでいるのだが、今日はその様子はない。

女子も男子も、なんだか困惑しているように見える。


「おいおい嘘だろ……」

「これ本当なの?」


ときどき耳に入ってくる言葉からも明らかだ。

何かイレギュラーな事態が起こっているに違いない。


(一体何があったんだろう……)


その答えはすぐにわかった。


「前代未聞だろ。1位が2人とか」


(……はぁ!?)


思わず耳を疑った。


1位は毎度雨宮くんの単独トップだったはずだ。

それなのに、同率1位が存在するなんて。


(それは確かに、前代未聞だわ)


腑に落ちると同時に、何故か焦りを感じた。


(なんだろう。とてつもなく嫌な予感がする)


不安を胸に抱きつつも、なんとか掲示板の前まで辿り着いた。


すると、目に飛び込んできたのは、


【1位 雨宮(あめみや) 冬貴(ふゆき)

【1位 白雪(しらゆき) 夏芽(なつめ)

【3位 東雲(しののめ) 秋菜(あきな)

……

....

..


「!?」


(なっ、なんで……なんで私が、雨宮くんと同率1位になっちゃってるの!?)

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