4 あん
学校に着いて、自分の席に着き授業の用意をし終えて。
すぐにしずが私の机の上に座り、いつもの様に雑談をしている。
通学途中の話での、なんか慌てた様な変な感じだったけど、今はそんな感じは無い。
う~ん、なんだったんだろうなって思いながら話していると
「おっはよーー、あい、しず」
元気な声であんが声を掛けて来た。
「「おはよー、あん」」
私達も、あんに挨拶を返した。
すると、そのまま私に抱き着いて来た。
「もー相変わらず、しずと仲良いよねー」「手を繋いで来る位だし~」
と、ここで私を見てそしてしずを見ながら「でも、今日はしずに抱きしめられてたねー」と言って来た。
「なっ!?」「ふっ」
私が驚き、しずがにやけ顔になる。
あんに見られてたようだ。
「あ、あん、見てたの?」あんに聞くと「だってー、あれだけ目立ってたらねー」と答えて来た。
・・・そうだよね。しずに抱きしめられて、散々晒しもになっちゃったからねと思い、しずの事を睨んでみる。
「いやん」と、わざとらしくしなを作るしず。
「いやんじゃないよ」と、突っ込む私。
私達のやり取りを見ていたあん、「仲が良くてうらやましいよねー」ちょっと拗ねた様に、不満を漏らしている。
いやいや、あんとだって仲良いよね?って思い「そんな事無いよー」と言いながらあんの頭をなでなでする。
「えへへ~~」
私に撫でられるのが嬉しかったのか、デレているあん。
そんな私達の事を見ていたしず、ニヤニヤしだした。
「え~?あん、私とは仲良く無いんだ?」
なんか悲しそうにつぶやくしず。
そんなしずを見たあん「えっ!?」って驚いて。
「しっ、しず、そんな事無いよっ!?」と慌てているあん。
その瞬間を見逃さないしず、すかさずあんを私から引き離して。
そしてしずの前へ立たせ、すかさずイケメン的な振る舞いで顎クイをするしず。
「・・・!」
いきなり顎クイされ、驚き、そして顔を赤くするあん、「私もあんの事、大好きだよ」って耳元で囁くよに言うしず。
顔を真っ赤にし、潤んだ目でしずを見るあん。そんなあんを見つめ返し、微笑みを湛えているしず。
そのうち、フルフルと震えだしたあん、「わ、分かったから!」見つめられるのが耐えられなかったのか、そう言いしずから離れるあん。
少し離れたあん、後ろを向いていたけど、ほおに手を当てて身体をクネクネしていた。
あー嬉しくて、メロメロになっているあん。
まーたあんをメロメロにして、ってしずを見ると、ニヤニヤじゃない優しい笑顔で見ているしず。
・・・うん、しずもあんが大好きなんだよね~。
もう少し、からかうのを抑えてくれればなぁー何て思いながら、しずを眺めていた。
仲座 杏美 あん あんみ あんちゃん?と呼ばれる
高校1年の時からのクラスメートで、仲良しの一人。ボブカットの、可愛い感じの女の子。
背が低く幼さも有ってか、1年の初めの頃はわがままな感じに振り回されていたけど、雫香と仲良くなってからは良く雫香に操られて?しまう。
雫香のイケメン的な振る舞いに乗せられてしまう、実にチョロいのである。雫香が私に迷惑が掛からない様にしているみたいだけど。
ちなみに「あん」と言う愛称は、時々わがままで頬をぷーって膨らませていた杏美に、雫香が「なんかアンパンみたい」って言われ、私達が笑ってしまった。
そこからあんみとあんぱんをかけて重なっている「あん」があだ名になった。




